
希少疾患や泌尿器系に強みをもつ医薬品メーカー、日本新薬株式会社(以下、日本新薬)。同社ではローコストマネジメントの一環として、富士通のデータセンターを利用したトータルアウトソーシングを推進しています。老朽化したノーツシステムを更新しデータセンターへ移設する際、性能向上に加え、止まらないシステムが求められました。プラットフォームは他社機からUNIXサーバの信頼性と高性能を併せ持つ「SPARC Enterprise」にリプレース。採用の決め手は富士通の総合力がもたらす安心感と信頼感でした。新システムは災害対策も実現し同社の企業活動を根幹から支えています。
[ 2011年3月29日掲載 ]
| 業種: | 医薬品・機能食品の製造、販売 |
|---|---|
| ハードウェア: |
UNIXサーバ SPARC Enterprise M4000、M3000 PCサーバ PRIMERGY TX200 ストレージ ETERNUS DX80 テープライブラリ ETERNUS LT20 |
| ソフトウェア: | 高信頼性基盤ソフトウェア PRIMECLUSTER(プライムクラスタ)、グループウェア Lotus Notes/Domino 8.5 |
| 1 | レスポンスの低下などシステムの老朽化に伴う課題を解決したい | 高性能UNIXサーバ「SPARC Enterprise」の導入によりレスポンスが向上しユーザーにも好評。バックアップ時間や夜間バッチ処理時間も大幅に短縮 | |
| 2 | ストレージやメールボックスにおいて将来の容量増大に対応したい | ストレージ容量は1.2テラバイトから4テラバイトに、メールボックス容量も60メガバイトから1ギガバイトに増量し、将来の容量増加にも柔軟に対応可能に | |
| 3 | 障害時や災害時にも止まらないシステムを実現したい | 優れた信頼性を備えたUNIXサーバ「SPARC Enterprise」を採用。 可用性を高めるためにデータセンター内のシステムをクラスタ構成、さらにバックオフィスとして危機管理サーバを本社に設置しディザスタリカバリも実現 |
万病という言葉があるように病気は多種多様です。血液がんなど患者数が少ない病気、いまだ決定的な治療薬のない領域において、病に苦しむ1人の命を救うために新薬開発を使命とする製薬会社があります。京都に本社を置く医薬品メーカーの日本新薬は、希少疾患はもとより炎症・アレルギー系の評価も高く、前立腺肥大治療剤など「泌尿器系に強い日本新薬」という定評も確立しています。また医食同源の考えのもと、医薬品事業で培った高度な製造・品質管理技術を活かした機能食品素材の事業も好調です。

安陵 宏和氏
日本新薬株式会社
情報システム部 システム企画課 専任課長
「日本新薬」という社名には「日本人の薬は日本人の手で」という決意が込められています。1911年(明治44年)の創業当時は、研究開発型の製薬メーカーが国内にほとんど存在しない時代でした。以来、日本の医薬品業界で独自性を発揮し続ける同社の役割は、健康長寿社会の実現に向けて重要性を増しています。しかし、医薬品業界をめぐる環境の変化は激しく、同社においても変化への対応と経営基盤の強化は不可欠です。「薬価など変更が多い法制度への対応はいまやICTなくしては考えられません。また、営業や研究開発がその力を存分に発揮できるようにサポートすることもICTの大切な役割です。近年では特にローコストマネジメントに注力しています。大きな変革として、2010年にICT全体のコスト削減、運用管理の効率化を図るべくトータルアウトソーシングを導入しています」と、情報システム部 システム企画課 専任課長 安陵宏和氏は語ります。
トータルアウトソーシングのパートナーは、医薬品業界におけるアウトソーシングの実績、コスト、信頼性など総合的に高く評価された富士通でした。2010年3月にERP、5月に営業支援システムなどをデータセンターに移設し運用を開始。次の移設は2010年12月にサーバの保守期限を迎えるノーツが対象となりました。「1999年の導入以来、ノーツは社内外を問わずコミュニケーションツールとして深く浸透しています。また基幹システムとも連携しており、企業活動を行う上でなくてはならないシステムです。2009年末からサーバ本体とノーツドミノを更新するための検討を始めました」と、安陵氏は振り返ります。
ノーツは同社の全社員を中心に約1,800名で利用されており、メール、掲示板、ワークフローなどアプリケーションも約400種類あります。多くのアプリケーションが動く中、サーバのディスク容量の枯渇やレスポンスの低下が課題となっていました。また画像データの添付などメール容量も年々増え続け、メールボックスの容量も不足していました。こうした性能面の課題解決とともに、同社のこだわったテーマが信頼性です。まずサーバのOSはUNIXであることが重要なポイントになりました。「最初にノーツを導入した際、OSに関してはいろいろと検討し、システムの安定性やOSのライフサイクルの長さ、セキュリティの高さなど運用面からUNIXを選択しました。導入してから一度もOSはダウンしていません。安心して運用できるという点でUNIXには大きな信頼を寄せています」。
性能面では、1,800名での利用を可能にする最新性能のサーバ、今後5年間のディスク容量の増大にも対応できる大容量ストレージというサイジングの指針が提示され、可用性の観点からトラブルや災害時にもサービスを止めないシステムが求められました。最終的に2社競合となり富士通のUNIXサーバ「SPARC Enterprise M4000」が採用されましたが、その理由について安陵氏はこう語ります。「他社機からのリプレースとなりますが、継続にはこだわっていませんでした。OSがUNIXで性能面の指標がクリアされていることに加え、富士通のデータセンターに設置するため、当社の運用から手が離れてしまうので安心感や信頼感は最終的な決め手となりました」。
新ノーツシステムは「SPARC Enterprise M4000」とミッドレンジ向けディスクアレイ「ETERNUS DX80」を中心とするクラスタ構成、バックオフィスとして危機管理サーバを本社に設置しディザスタリカバリも実現しています。またノーツドミノ8.5にバージョンアップし、データベース以外のシステム構築を富士通が担当。今回、サーバ のOSがSolarisに変わりましたが、OSの移行もスムーズに行われました。
2010年5月末にキックオフ、8月にデータセンターに機器搬入、12月に稼働開始。短期間導入を可能にしたポイントについて「週一回、定例会議を実施し各フェーズの承認を受けて次に進むというかたちをとったことが結果につながったと考えています」と、安陵氏は話します。

ノーツシステムは安定稼働を続け、性能向上の効果も表れています。「モバイルユーザーがアプリケーションを操作する際、かなり時間がかかっていたのですが、非常にレスポンスが早くなったという声があがっています。また始業時間の直前に終わっていたバックアップも深夜には完了しています。夜間のバッチ処理時間も驚くほど短縮されました」(安陵氏)。
ストレージ容量は1.2テラバイトから4テラバイトに、メールボックス容量も60メガバイトから1ギガバイトに増量し、将来の容量増加にも柔軟な対応が可能になりました。またサーバアーカイブ機能やローミング機能などノーツドミノ8.5の標準機能を活用し追加コストの抑制も実現。ノーツに関する富士通のサポートについて安陵氏は「問い合わせに対するサポートデスクのレスポンスもとても迅速ですね」と、高く評価します。
同社ではコスト削減の観点からアウトソーシングの次の一手としてクラウドに着眼しています。今後の展望について「社内システムのクラウド化の前提として、仮想化によるサーバ集約を図るべく検討を進めています。まずは、Windowsサーバが多い研究系から集約する考え。富士通にはコンサルティング的な要素も含めて協力をお願いしていますが、コスト削減効果の高いパブリック・クラウドの活用などの提案も大いに期待しています」と、安陵氏は語ります。
人々の健康と豊かな生活創りに貢献する日本新薬。「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」を目指す同社を、これからも富士通は先進技術と総合力で支援してまいります。
| 本社 | 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14 |
|---|---|
| 創業 | 明治44年11月20日 |
| 資本金 | 52億円 |
| 売上高 | 629億円(平成21年度) |
| 従業員数 | 1,749名(平成22年3月末現在) |
| 事業内容 |
医薬品・機能食品の製造及び販売 |
| ホームページ |
日本新薬株式会社 ホームページ |
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