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特集記事 VMware vSphereの実力を探る ―サーバ集約・統合とICTインフラ刷新のキー・テクノロジー―

仮想化ソフトウェアのパイオニア的存在として10年以上にわたり市場を牽引し、圧倒的な導入実績を誇る「VMware」。なかでもサーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」はバージョンアップのたびに進化を遂げ、企業の仮想化/クラウド環境構築のニーズに高いレベルで応え続けている製品です。今回は、サーバ仮想化ソフトウェアとしての進化過程を確認しながら、「VMware ESXi」ハイパーバイザーと「vCenter Server」管理ソフトウェアを中核に構成される現行バージョン「vSphere 5」に備わる特徴や機能を説明します。また、今日多くの企業にとっての重要課題であるサーバ集約・統合を効果的に実施できるソリューションとして、富士通のPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」とVMwareの組み合わせを取り上げ、得られるメリットやアドバンテージについて紹介します。

仮想化統合の第1ステップとなる、サーバ仮想化ソフトウェアの選定

業務システムの導入・拡張のたびにサーバやストレージの台数が"増加"していった結果、ICTインフラが大規模化かつ複雑化して運用管理にかかるコスト/負荷が膨れ上がる一方である――。そのような状況を解決するテクノロジーとして仮想化技術が注目され、活用が進んでいます。なかでも、多台数の物理サーバを1台~数台に集約・統合する仮想化統合のアプローチは業種や規模を問わず有用であり、すでに多くの企業がICTコスト削減や運用の効率化、テスト環境の迅速な構築といった具体的な成果を上げています。
この仮想化統合に取り組むとき、最初のステップとなるのがサーバ仮想化ソフトウェアの選定です。現在、市場にはソフトウェア仮想化技術のパイオニア的存在である「VMware」、Windows Serverに標準でバンドルされる「Hyper-V」、Linuxカーネルの標準技術として備わる「KVM(Kernel-based Virtual Machine)」等の製品が知られています。

なかでも常に注目を集めているのがVMwareです。2001年にリリースされたVMwareのサーバ仮想化プラットフォームは、ユーザーからのフィードバックを取り入れながら改良を重ねており、成熟度と導入実績の面で、後発製品に対するアドバンテージを有しています。2013年12月に実施した「FUJITSU Server PRIMERGYアンケート」を見ても、現在導入している仮想システムの主要なサーバOSとして、VMwareが多く選ばれていることが分かります。

アンケート結果PRIMERGYアンケート集計結果報告

以下、VMwareの進化を振り返りながら、同プラットフォームの特徴を説明します。

VMwareの進化過程

VMwareのサーバ仮想化プラットフォームは、ヴイエムウェアの製品ポートフォリオ全体の中で中核をなす主力製品として位置づけられ、その製品構成は以下のとおりです。

  • VMware ESX/ESXi
    サーバ仮想化ハイパーバイザー
  • VMware vSphere、vCenter Server
    VMware ESXiハイパーバイザーに仮想化環境の運用管理機能を組み合わせたサーバ仮想化/クラウドプラットフォームのベースとなる製品群
  • vCenter Site Recovery Manager
    重要な仮想マシンのディザスタリカバリーを実現する災害対策製品
  • vCloud Suite
    企業内の複数の組織において、組織ごとの仮想データセンター(VDC:Virtual Data Center)を構築するためのクラウドプラットフォーム製品群
  • VMware vCenter Operations Management Suite
    VMware仮想化環境の統合運用管理ソフトウェア製品群

サーバ仮想化プラットフォームであるVMware vSphereの現行バージョンは2013年9月にリリースされたvSphere 5.5で、VMware ESX/ESXiの最初のバージョンがリリースから13年間にわたって継続的な機能強化・拡張が施されてきました。

VMware ESX Server 1.0(2001年3月)

2001年3月、ホストOSを必要としないハイパーバイザー「VMware ESX Server」が登場。デバイスドライバによって直接サーバ・ハードウェア上で稼働するベアメタル(ネーティブ)型アーキテクチャーが特徴で、仮想化ソフトウェアがまだ一般的ではなかった当時、x86サーバで利用可能な初めてのベアメタル型ハイパーバイザーとして注目を集めました。

VMware Infrastructure 3.0(2006年6月)

2003年に仮想化管理ソフトウェアの「VMware VirtualCenter」と仮想マシン(VM)のライブマイグレーション機能「VMware vMotion」が提供されるなど機能強化が進みます。2006年6月には、「VMware Infrastructure(VI)3.0」として、VMの構築から運用管理までを網羅するスイートに再編成されました。さらに2007年12月には、ESXから管理用のサービスコンソールを省いて軽量化を図ったVMware ESXiが追加されました。

vSphere 4(2009年3月)

VI 3.0の後継製品として2009年3月にvSphere 4が登場。中核のESX 4.0では、仮想化管理のさらなる効率化とパフォーマンスや拡張性の向上に主眼を置いた強化が施され、大規模なサーバ仮想化環境での利用を促すことになりました。なお、ヴイエムウェアからバイナリ提供が2013年8月15日で終了し、サポート終了日(2014年5月21日)の期日が迫っています。

vSphere 5(2011年8月)

2011年8月にvSphere 5がリリースされました。VMware ESXとVMware ESXiが一本化された新しいVMware ESXi 5ハイパーバイザーと運用管理を司るvCenter Server 5を中核に構成され、200以上に及ぶ機能の追加・拡張が施されています。ヴイエムウェアはvSphere 5をクラウド・コンピューティングの活用を支えるサーバ仮想化プラットフォームと位置づけ、パフォーマンスやスケーラビリティ、運用管理の効率向上・自動化、セキュリティの強化を図っています。

VMware vSphere 5強化ポイント

【サーバ仮想化プラットフォーム「VMware vSphere」の利用イメージ】

(1)パフォーマンスの向上

大規模なリソースを要する業務アプリケーションを仮想化/プライベートクラウド環境で実行するうえで、ハイパーバイザー自体のパフォーマンスはきわめて重要です。VMware ESXi 5では、VMのIOPS(1秒当たりのI/O処理)は前バージョンの30万IOPSから100万超IOPSへと大幅に向上しています。また、マルチプロセッサ・システムで構成されたNUMA(Non-Uniform Memory Access)トポロジーをVM上のゲストOSが自動認識する仮想NUMA(vNUMA)機能が備わっています。これにより、基幹のデータベースなど豊富なリソースを割り当てたVM構成においても、NUMAがその効果を最大限に発揮できる環境が実現されます。

(2)スケーラビリティの向上

サーバ集約率に大きく影響するのが、サーバ仮想化プラットフォームに備わるスケーラビリティです。vSphere 5では、VM1個がサポート可能な仮想CPU数がvSphere 4の8個から4倍の32個に、構成可能なメモリ容量は256GBから1TBへと引き上げられました。パフォーマンスとスケーラビリティは長らくVMwareのアドバンテージとされていましたが、近年はHyper-Vが2012年リリースの第3世代で大幅に強化されるなど競合の追い上げも激しく、vSphere 5のリリースで再びトップクラスの性能を達成したかたちとなっています。

(3)運用管理の効率向上・自動化

vSphere 5のvCenter Serverでは、Windowsアプリケーション版に加えて、新たにLinuxベースの仮想アプライアンスとして提供される「vCenter Server Appliance」も利用できるようになりました。ネットワークやストレージ、セキュリティの設定などが検証済みで構成されているため、vCenter Serverを迅速に展開することが可能です。

ハイパーバイザーがESXiに一本化された意義は大きく、Linuxベースのサービスコンソールの脆弱性を突くセキュリティリスクから解消されるとともに、同コンソールへのソフトウェア修正パッチへの適用も不要で、管理作業負荷の軽減にもつながっています。また、一本化によって、「vSphere Auto Deploy」というvSphereホストのプロビジョニング機能の実装も実現しました。これは、サーバのメモリ上に展開されたAuto Deployサーバから、ネットワーク・ブートでvSphereホストを自動構成し、vCenter Serverに自動接続する機能で、新しいvSphereホストをプロビジョニングする際のプロセス全体が自動化されます。

【進化を遂げたVMware vSphere ESXi】

ストレージ管理機構においても効率化・作業の省力化が追求されています。vSphere 5の「Profile-Driven Storage」は、自社で定義したポリシーに従ってストレージをグループ化する新機能です。プロビジョニング・プロセスの間、管理者はVMが必要とするサービスレベルをクリックして指定するだけで、後は vSphereがそのサービスレベルに最適なストレージ・リソースを自動的に使用するようになります。また、従来から備わる拡張自動ロードバランシング機能をストレージ管理でも利用できるようにする「Storage DRS(Distributed Resource Scheduler)」機能も備わっています。

表にVMware vSphere 5のエディション構成および機能一覧を示しました。また、ほかにも、HA(高可用)機構の強化や、データリンク層の接続を管理するネットワークプロトコルLLDP(Link Layer Discovery Protocol)のサポート、仮想グラフィックス・アダプターの3Dグラフィックスへの対応、VMにおけるUSBスマートカード・リーダのサポート、BIOSよりも高速かつセキュアーなUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)ブートへの対応などが主要な新機能/機能拡張に含まれます。

【VMware vSphere 5のエディション別機能一覧】

VMwareの実力を引き出すPCサーバ選定のポイントと
PCサーバ「PRIMERGY」のアドバンテージ

前章で解説したvSphere 5で施された主要な機能追加・強化点を踏まえて、ここでは、vSphereのパフォーマンスやスケーラビリティを最大限に引き出しうるPCサーバの要件について考察します。選定時に重要な観点を高いレベルで応える富士通のPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」を紹介します。

  1. (1)多様なサーバ統合・集約ニーズに応えるヴイエムウェア社認定製品ラインナップ
  2. (2)開発・テスト/DR環境の迅速かつセキュアーな構築・管理を実現するハードウェア基盤
  3. (3)緊密なVMware導入・構築・運用サポート体制
  4. (4)豊富なVMwareの導入実績

(1)多様なサーバ統合・集約ニーズに応える製品ラインナップ

業務の拡大に伴い社内で増設していったサーバの運用管理においては、サーバの台数だけでなく、業務アプリケーションごとに複数のOSが混在する環境も問題となり、サーバ統合・集約の実行を困難にしています。

多台数でかつ、複数のOSが混在する環境で仮想化統合をスムーズに実行するためには、そうした環境での稼働を前提に提供されている、十分な処理性能と信頼性を備えたサーバ製品が求められます。この課題に対し、富士通は次の2つのアプローチを提案し、スムーズな仮想化統合を支援しています。

  • 多くのリソースを必要とするシステムは、拡張性の高いサーバに物理集約する
  • 比較的リソースに余裕のあるシステムや物理的な再構築が困難なシステムは、VMwareによる仮想集約・統合する

PRIMERGYでは両アプローチに最適なサーバをシステム規模に応じて選べる、ヴイエムウェア認定のPCサーバを多彩なラインナップで提供しています。ブレードサーバでは、物理集約先のサーバと、VMwareによる仮想集約のサーバを同一のシャーシ内で運用するケースにも対応しています。

【VMwareの導入効果を最大化する、ヴイエムウェア認定PCサーバ「PRIMERGY」/ストレージ「ETERNUS」ラインナップ】

(2)開発・テスト/DR環境の迅速かつセキュアーな構築・管理を実現するハードウェア基盤

業務システムの開発・テスト作業は、サーバ仮想化の進展によって利便性が大きく向上した分野と言えます。仮想化環境を導入することで、「迅速に構築し、利用を終えたら削除する」スタイルで、新規ハードウェアの社内稟議・調達・導入・構築に要する工数をカットして開発・テスト環境を短時間で効率よく配備できるようになります。

とりわけ高い頻度で検証・テストを繰り返すような環境では、OS/アプリケーションを含めた仮想環境をテンプレートとして保存・再利用できるようにするvCenter Serverのテンプレート機能が有効となります。VMware稼働時の高い信頼性が実証済みのPRIMERGYのヴイエムウェア認定PCサーバであれば、テンプレート機能やvSphere Auto Deployといった、VMwareならではの高度な機能を安心して活用することができます。昨今では、vCenterによる仮想マシンの配布という運用から、vCloud Suiteを用いて開発環境を社内クラウド化し、仮想のファイアーウォールやサーバロードバランサーを含めた仮想システム環境を配布、管理する一歩進んだ事例も多く出てきています。

一方、BCM(事業継続管理)の観点に基づき、セキュアーで信頼性の高いDR(障害復旧)システムを構築できることも、サーバ仮想化の重要なメリットです。PRIMERGYでは、vSphereとPRIMERGYのサーバ運用管理ソフトウェア群との連携を図ることで、効率にすぐれたDRソリューションを企業に提供しています。機能の一例として、PRIMERGYに標準で備わる「リモートマネジメントコントローラ」により、vSphereがインストールされたサーバの各種管理をリモートで操作でき、遠隔地にあるDRシステムの運用管理性の向上に寄与します。

(3)緊密なVMware導入・構築・運用サポート体制

上述のテンプレートはvSphereの構築時に有用な機能ですが、PRIMERGYでは、vSphere ESXiをプリインストールした状態で企業に届けるオプションも用意されています。その利用により、新規導入時の作業工数を削減できます。

仮想化環境を導入・構築した後も、システム管理者には物理サーバ環境とは異なる、仮想化環境に特化した運用管理ノウハウが要求されることになります。PRIMERGYのヴイエムウェア認定PCサーバの場合、vSphereの購入から1年または3年間の利用をサポートする「FUJITSU Infrastructure Managed Service SupportDesk Standard」がバンドルされています。同サポートサービスは、ヴイエムウェアとの緊密な連携の下、バージョンアップグレード(サポート契約期間内は常に最新バージョンを利用可能)やソフトウェア修正/セキュリティ修正パッチ、富士通がこれまでに蓄積したPRIMERGY上でのVMware運用ノウハウ、専門スタッフによるQ&A対応/問題解決支援などが、専用のSupportDesk-Webや電子メールを通じて提供されます。

なお、国内最大規模のショールーム兼検証サポート施設である富士通トラステッド・クラウド・スクエア(東京・浜松町)では、仮想化技術によるICTインフラの最適化やICTのライフサイクルを踏まえた運用の最適化など、"高信頼"に徹底的にこだわった富士通のクラウド・コンピューティング技術・製品・サービスを、デモンストレーションやセミナーを通して体験することができます。また、専任のエンジニアがユーザーの本稼働環境を再現してのシステム検証/ベンチマークを支援する体制も整っています。

(4)豊富なVMware導入実績

VMwareの導入を成功させるためには、過去の導入実績から得られた設計/構築のノウハウが必要不可欠です。富士通はサーバ集約から基幹系サーバの仮想化、プライベートクラウド、デスクトップ仮想化など、幅広いお客様への数多くの導入実績で培われた設計/構築ノウハウにより、多くのお客様から信頼できるパートナーとして選ばれています。

事例紹介FUJITSU Server PRIMERGY 導入事例

将来のICTインフラのあるべき姿を見据えて、早期に着手することが重要

現在、ヴイエムウェアは、次世代のICTインフラモデル「Software-Defined Datacenter(SDDC)」を提唱しています。これは、仮想化やクラウドによってリソース管理を効率化する対象を、サーバだけでなく、ストレージやネットワークも含め組織のデータセンター全体まで広げ、それらの制御をソフトウェア・ベースで柔軟に行うというビジョンです。

SDDCが打ち出された背景には、「仮想化技術の活用がサーバの集約・統合にとどまっていては、大規模でかつ複雑化したICTインフラに対しての効率化で得られるメリットが限定的にならざるをえず、ICT運用管理コストの肥大化を止められない」という問題意識があります。したがって、企業にとっての仮想化やクラウドへの取り組みは、ヴイエムウェアが示すSDDCのような、将来のICTインフラのあるべき姿を見据えた第一歩ととらえることができ、まさに急務の課題になっていると言えるでしょう。今回紹介した内容が、自社の環境に最適なサーバ仮想化プラットフォームと、その稼働を支えるPCサーバを選定するうえでの指針となれば幸いです。

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