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特集記事 IT部門が「今、なすべきこと」と「これから取り組むこと」―2012年夏、節電・省エネの効果的なアクションを考える―

節電・省エネに向けた取り組みは、一昔前のような環境保全への貢献を全面に押し出した "大変望ましい"活動ではもはやなくなり、今日では企業がその社会的責任をはたしていくうえで必須で取り組むテーマに変わっています。そうした中、企業のICTシステムはどのような方針の下で効果的なアクションをとっていけばよいのでしょうか。今回は、「今、なすべきこと」と「これから取り組むこと」の両面から、IT部門がなすべき節電・省エネの効果的なアクションについて考察してみます。

「IT部門が全社の節電・省エネ活動を主導する」―その意義

局所的対策にとどまった、昨夏の節電・省エネ活動

東日本大震災とそれに伴う原発事故の影響から、昨夏、東日本全域で危急の課題となった節電・省エネ。昨年4月に政府から電力消費量25%削減の要請が出され、対象となった企業はわずかな期間の中で、工場・オフィスの輪番操業、サマータイムやタイムシフト勤務の適用、一斉夏季休暇などの節電・省エネ計画を緊急的に実施したことはご存じのとおりです。

こうした緊急的な節電・省エネは、企業のICTシステムを担うIT部門においても当然に取り組まれましたが、何しろ準備時間がまったく足らず、やれることは非常に限られてしまいました。実際、ほとんどの企業では、サーバやストレージ、PCの省電力設定や重要度の低い機器の稼働停止、データセンター/サーバルームの空調設定の見直しといった局所的な対策にとどまったことでしょう。

ITコストの削減とCSRへの貢献に向けて、今こそ長期的なアクションプランを

今夏を迎えて、IT部門にとっての節電・省エネが引き続き最重要課題の1つであることは言うまでもありません。自社のICTにかかる総コストの中でも、IT機器の高性能化や増設に伴う電力コストの上昇はいまや見過ごせないレベルにまで達しており、その削減が待ったなしの課題となっています。さらには、わが国全体でエネルギー問題が深刻な状況にある中で、この課題への取り組みは、企業が社会的責任をはたしていくうえでの必須のアクションとみなされており、大量の電力を使用するデータセンター/サーバルームの運用を担うIT部門には、社内でも特に重要な役割が求められているのです。

IT部門の節電・省エネに向けた施策は大きく、「今、すぐにできること」と、「これから中・長期的に取り組んでいくこと」の2つに分けられます。IT部門が、昨夏のような局所的・応急処置的な対策にとどまらず、社内の他部門の手本にもなるような戦略的でかつ実効性の高い節電・省エネ施策を実行すれば、自社における節電・省エネ活動を主導し、電力コストの削減やCSRに大きく貢献することができます。

節電・省エネで「今、すぐにできること」と、「これから中・長期的に取り組んでいくこと」

最新サーバテクノロジーが実現する、節電・省エネの効果的なアプローチ

以下では、IT機器の中でもとりわけ消費電力量の多いサーバに対する、効果的な節電・省エネのアプローチに焦点を当てて、「今、なすべきこと」と「これから取り組んでいくこと」を共に見ていくことにします。計画に沿った中・長期的な取り組みや、得られる効果の見える化(数値化)はIT部門が得意とするところでもあり、近年では、それにこたえる省電力テクノロジーが大きな進展を見せています。具体的な電力使用量の削減値をもって成果を示すことができれば、社内におけるIT部門のプレゼンス・存在価値の向上にもつながるはずです。

「今、すぐにできること」
既存のサーバの省電力設定/運用スケジュールを見直す

現在運用中のサーバに備わる省電力設定や運用スケジュールの変更を行うことで、ただちに節電効果が得ることができます。ただし、単に設定を行っておしまいにするのではなく、得られた効果を数値化するために、現状かかっている電力コストを極力正確に把握したうえで設定や見直しを行うことが重要になります。

 サーバの省電力設定

普段利用しているサーバ運用管理ソフトウェアに電力監視ツールが備わっている場合は、それを活用することで電力使用量の見える化がなされ、その把握・分析から効果的なアクションをとることが可能になります。

この電力監視ツールにおいて特に便利なのが、サーバの消費電力量をグラフィカルに表示する機能です。この機能を活用すれば、サーバ管理者はある期間(時間・日・月単位で設定)のうち、いつ、どれだけの電力を使ったのか一目瞭然となります。この文字どおり見える化された状態から、どのようなサーバの運用を行うことで電力使用量を減らせるかの計画を容易に立てることが可能になり、電力コストを大幅に削減できるようになります。

サーバ運用管理ソフトウェア(電力監視ツール)の画面イメージ

技術紹介PDF パフォーマンスや電力の監視 (2.92MB / A4・22ページ)

 サーバ運用スケジュールの最適化

日本のエネルギー供給は依然として先行きに不安要素が多く、関西圏など電力会社の管区によっては、昨夏の東北・関東圏のような計画停電の実施が想定されています。計画停電が企業のビジネスに与える影響の大きさは昨年の状況から明らかであり、IT部門においては、BCP(事業継続計画)の下、計画停電実施時の指針と施策を定めておく必要があります。

その際に有用なのがサーバ運用管理ソフトウェアに備わるスケジュール運転機能です。計画停電の実施日時に合わせた運転設定を行うことで、サーバ稼働の停止/再開を安全に行うことが可能になります。また、節電・省エネの取り組みとして、業務上、24時間稼働の必要のないサーバであるなら、この機能を使って、例えば「平日の8時から20時まで稼働」させる設定を行ったり、サーバの電力使用量がロードの負荷によって大きく変動する点に着目して、電力需要が低下する夜間にバッチ処理を投入するようなジョブスケジューリングを施したりすることで、かなりの節電効果が得られるでしょう。

「これから中・長期的に取り組んでいくこと」
IT戦略に基づき、省電力サーバによるインフラ構築を実現する

前段で述べたように、企業のIT部門においては、現システムの最適化をすすめると共に、次のステップとして、中・長期的な視点から継続して行うミッションとして臨むことで、ICTシステムにかかる電力コストを効果的に削減しながら、全社の節電・省エネ活動に貢献していけるようになります。以下では、IT戦略の一環として検討したい主要なアプローチを挙げてみます。

 新規導入/リプレース時の省電力サーバ選定

社会的なニーズの高まりとテクノロジーの進化によって、現行のサーバ製品は、3~5年前の製品と比べて消費電力が大幅に低下しています。そこで、今後のサーバの新規導入/リプレースのタイミングでは、プロセッサ、メモリ、ディスクなどに低消費電力パーツを採用しているか/変換効率にすぐれた電源ユニットを採用しているか/冷却が効率的に行えているかといった点を細かくチェックすることで、新しいサーバを導入した分、節電効果を得られるようになります。

従来機種(RX200 S6)と比較した、PCサーバ現行機種(RX200 S7)の高い省電力性(省電力率:約33%削減)

また、パーツレベルでの省電力化に注目するのに加えて、データセンターの中で最も電力を消費する空調の運用コスト引き下げに寄与する「高温環境対応モデル」も登場しています。これは、サーバの設置環境温度を一般的なモデルよりも高い温度での稼働を可能にすることで空調コストを抑制し、データセンター全体の運用コストを引き下げるというものです。

製品紹介PRIMERGY 高温環境対応モデル

 仮想化によるサーバ集約・統合

業務のIT化が進むのに伴って、データセンターやオフィスでサーバ、ストレージの台数が増え続けた結果、多大な運用管理コスト/負荷が重くのしかかり苦慮する企業は多数に上ります。ハードウェアの台数が増えればその分の電力コストも膨れ上がるのは当然であり、計画しているIT戦略に沿って、サーバインフラ全体の電力コストの削減に取り組んでいくことが求められています。

そこで、節電・省エネの観点からも優先度を上げて取り組みたいのが、近年、業種や規模を問わず多くの企業で実施されるようになった、仮想化技術を利用してのサーバ集約・統合のアプローチです。第一の目的である運用管理の効率化やコスト削減が図られるのはもちろん、集約・統合によってサーバの台数を減らすことで、その設置スペースや電力使用量、発熱量、CO2排出量を削減できるという大きなメリットをも享受できるようになります。

実際に仮想化によるサーバ集約・統合を実施し大きな成果を上げた事例として、総合酒類食品メーカーのサントリーグループでは、業務拡張に迅速に対応できるシステムを目指して仮想化集約を実施。3カ年計画でサーバ台数を約5分の1まで削減し、消費電力およびCO2排出量を75%低減できる見通しを立てています。

仮想化によるサーバ集約・統合を実施したサントリーグループ様事例の成果。サーバ台数を従来に比べて5分の1に削減、消費電力(CO2)も75%低減見込み。

事例紹介仮想化(インフラ最適化) 導入事例:サントリーグループ様

以上、今回は、IT部門が、今から、そしてこれからなすべき節電・省エネのアプローチについて取り上げました。今後は消費電力のより少ないサーバを選ぶことを基本方針に、中・長期的にはサーバ集約・統合によって台数を削減し、サーバインフラ全体で節電効果を最大化していくことが目標になるでしょう。あるいは、同じ消費電力を維持しながら、より高いパフォーマンスが得られるサーバを選ぶことで、その分導入台数を抑えるという選択も考えられます。ここで紹介したアプローチを参考に、全社の節電・省エネ活動を主導するIT部門への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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