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VHDブートの性能と検証環境への利用

~Windows Server 2008 R2 Beta版 移行・導入・運用の豆情報~

VHDブートとは?

VHDブートはWindows 7およびWindows Server 2008 R2で提供された新機能で、これまで主にVirtual PCやVirtual Server、Hyper-Vといった仮想環境で利用されてきたVHD(仮想ハードディスク)ファイルから物理サーバを起動することができます。

図1. VHDブートのイメージ図

検証などで物理ハードディスクにOSを追加する際、事前に計画していないと、既存パーティションの切り直しやフォーマットといった手間のかかる作業が発生してしまうことが大いにあります。さらに物理ハードディスクには、ブート可能な基本パーティションが最大4つまでという制限がありました。

一方、VHDブートは、ディスク容量の許す限りVHDファイルを追加でき、ファイルをアタッチすれば既存環境に影響なく比較的簡単にマルチブート環境を構築できるようになります。


VHDブートの利用シーンは?

現在、仮想環境はサーバリソースを無駄なく利用できる検証環境として利用されています。しかし、周辺機器を含む物理デバイスアクセスに仮想環境はソフトウェアや仮想レイヤを経由するため、物理デバイスの検証環境として適切ではありません。

それに対しVHDブート環境は、物理デバイスを直接利用するため、物理サーバと同等の検証環境として利用できると考えられます。さらに、マルチブートによって検証環境を複数構築でき、効率よく検証を進めることができます。

そこで今回、物理ハードディスクと異なる構造であるVHDのファイルアクセスのオーバーヘッドがどの程度発生するのか性能比較を行いました。以下にその結果を紹介します。

2つのディスクのI/O性能比較

測定対象は物理ハードディスクとVHDとし、測定条件は64/512KBのデータサイズに対するRandom Read/Write、Sequential Read/Writeとしました。(図2.、表1.、2.参照)

なお、より高い性能を確保するため、VHDは容量固定で作成しました。

参考

図2. 性能測定環境のイメージ図

表1. 物理サーバ スペック
項目構成
機種名PRIMERGY RX300 S4
CPUインテル® Xeon® E5420 (2.50GHz / 4コア) 1CPU
メモリ 2GB
ハードディスク 147GB(SAS、3.5インチ、15,000rpm)RAID1構成
ディスクアレイ 標準搭載SASアレイコントローラカード
表2. ベンチマークツール IOmeter 条件
項目条件
データサイズ64KB / 512KB
Read / Write100% Read / 100% Write
Random / Sequential 100% Random / 100% Sequential

物理ハードディスクとVHDの性能結果

図3は物理ハードディスク性能に対するVHD のI/O性能比です。VHDのSequential Read性能は、物理ハードディスク性能に対し、やや劣化傾向にありますが最大でも6%未満という小さな値に留まっています。

また、全体を平均して3% 程度の差であり、VHDは物理ハードディスクに近いテスト環境と言えます。

図3. 物理ハードディスクに対するVHDのI/O性能比

まとめ

VHDは物理ハードディスクより若干の性能劣化が見られるものの、VHDブートによって以下のような効果が期待できます。

  • 物理サーバと同じように周辺機器の検証に利用できる
  • テストシナリオに応じたマルチブート環境が簡単に準備できる
  • ディスク容量の許す限り複数のVHDを追加できるため、サーバリソースを効率よく活用できる

VHDブートは、物理、仮想に続く第3の検証環境として利用価値がありそうです。

【ご注意】
動作確認したWindows Server 2008 R2は開発段階にあるため仕様変更の可能性があります。

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