~Windows Server 2008 Beta版 移行・導入・運用の豆情報~
Windows Server 2008では、これまで、標準搭載されていたバックアップ・リカバリー機能Ntbackupに代わり、Windows Serverバックアップが搭載されます。
図1 NtbackupとWindows Serverバックアップの操作画面
機能は同じバックアップという位置づけですが、できることに違いがあります。 Windows Server 2008 β版を用いた先行評価で確認できた違いを表1にまとめました。
Ntbackup | Windows Server バックアップ | |
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格納先 |
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バックアップ対象 |
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バックアップ方式 |
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バックアップ 実行単位 |
1分単位 ()Windowsのタスク機能を利用 |
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システム リカバリー手順 |
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バックアップ・リカバリーはサーバ運用の必須項目です。という訳で、まずは、機能を使って見えてきた事柄を、今回は2つのポイントにしぼり、ご紹介します。
Windows Serverバックアップのバックアップ対象は「ボリューム単位」とシンプルです。そのバックアップ対象を操作する方法として、定期的に行う「スケジュールバックアップ」と、単発で行う「一回だけバックアップ」という2つが用意されています。
「スケジュールバックアップ」では、バックアップ用にローカルディスクドライブが必須となります。
設定を行う際に指定したディスクはバックアップ専用として扱われ、フォーマットが行われます。
また、このフォーマットによってエクスプローラからは参照できなくなりますが、普段の運用時に誤ってデータを消去、上書きされることを防ぐことができます。
「一回だけバックアップ」では、ローカルディスクドライブの他に、リモート共有フォルダとDVDメディアが指定できます。
本機能ではテープへのバックアップは行えません。ただし、テープデバイスのドライバはサポートしています。
図2 Windows Serverバックアップの2つの方法
PRIMERGYにおけるサポート構成はシステム構成図を確認してください。
これは便利!
格納先がリモート共有フォルダやDVDメディアのときは、上書きされます。
バックアップデータ+増分データ格納用の空き容量が必要となります。
DVDメディアに格納したデータのリカバリーはボリューム単位のみです。
Windows Serverバックアップでスケジュールバックアップを指定すると、システムボリューム(C:ドライブ)が必ずバックアップ対象となります。Ntbackupと比べ、復旧手順も簡単になっているので、万が一システムが壊れても、簡単に復旧することができます。
これは便利!
図3 システムボリュームのリカバリー工程の比較
固定IPアドレス環境で、リモート共有フォルダに格納したシステムボリュームデータを使ってリカバリーを行う場合、インストールDVDで起動後、システム回復オプション画面上でコマンドプロンプトを開き、netshコマンドを使ってIPアドレス設定します。共有フォルダがアクセスできる状態にネットワークを復旧させる手順が必要になります。
Ntbackupでバックアップしたデータは、Windows Server バックアップを用いてリカバリーすることはできません。詳細はMicrosoftダウンロードセンターをご覧下さい。
Windows Server バックアップは、ハードディスクへの簡単バックアップや、システムボリュームのリカバリー手順簡易化により、シンプルなバックアップ機能をお客様に提供します。一方、シンプルであるがゆえに、運用上の詳細なバックアップ計画や柔軟な対応など、やりたい事を指定できないケースも出てくることが予想されます。
Windows Serverバックアップは、複雑なシステム構成の環境よりも、サーバ単体や小規模のシステムに対してその力を発揮しそうです。テープへのバックアップやマルチプラットフォームへの対応、バックアップ集中管理など、本格的なバックアップ運用を行う際には、専用のバックアップソフトウェアをご検討ください。
富士通は、お客様の多様なバックアップ運用ニーズにお応えするため、CA社と共にバックアップソフトウェアBrightStor ARCserveのWindows Server 2008対応に取り組んでいます。
【ご注意】
動作確認したWindows Server 2008は開発段階にあるため仕様変更の可能性があります。