操作・運用に関する質問
~高信頼HAモデル:お問い合わせ集(FAQ)~
Q
HAモデルで監視用LAN(2台のCoServerを監視するためのLAN)は必要ですか?
A
監視用LANには下記の役割があり、PRIMERGY HAモデルでは必ずケーブルを接続して運用する必要があります。
- 2台のCoServerがお互いに動作していることを確認するルートの一つとして使用します。
- CoServerの状態を直接監視、操作を行います。
「留意事項」
- 監視用LANは必ずハブに接続し、LANケーブルで直結しないでください。
- 監視用LANはCoServer1、CoServer2の管理用LANアダプターが通信できるように同じセグメントのIPアドレスを用意してください。
- 業務用LAN(通常データ送信用)と監視用LANのIPアドレスのセグメントは別で結構です。ただし、監視のためSNMPで相互に通信できるよう、適切にルーティング/フィルター設定する必要があります。
- 業務用LANと同じハブ(ルータ)に接続する必要はありません。
- レイヤー2より上の層のフィルタリングをしないでください(L3 スイッチやルータなどの接続にご注意ください)。
Q
PRIMERGY HAモデルの監視ソフトは一般のモデルと同じ「ServerView」ですか?一般のモデルと比べ違いはないですか?
A
PRIMERGY HAモデルではハードウェアとHAシステムの状態が監視の対象となります。ハードウェアの監視は、ServerViewにより通常モデルと同様の監視を行っています。HAシステムの状態監視は専用ツールとSNMPを使用して監視しています。詳細は、ユーザーズガイドの「サーバ監視ツール[ServerView]」を参照してください。
Q
PRIMERGY HAモデルのコンソール(ディスプレイ、キーボード、マウス)は共用のようですが、切り離しのとき自動で切り替わりますか?
A
手動となります。PRIMERGY HAモデルにはKVMスイッチが標準添付されています。KVMスイッチを介してディスプレイ、キーボード、マウスを接続し、切り離し発生時には手動で切り替えていただく運用を推奨しています。
Q
PRIMERGY HAモデルにディスクを追加してRAIDのフィジカルパックをもう一つ作成し、ディスク容量を拡張することはできますか?
A
フィジカルパックの追加によるディスク容量の追加をサポートしています。詳細は、ユーザーズガイドの「5.7 内蔵ハードディスクユニットの取り付け」を参照してください。また、既存のフィジカルパックにハードディスクユニットを追加して容量を増やすことは可能です。この場合、既存のフィジカルディスクの拡張となりますので、リカバリーが必要となります。リカバリーでは、添付のリカバリーDVDを使用して納品時の状態に戻すため、OSのインストールが必要です。アプリケーションについては別途、再インストール、またはバックアップソフトによるデータの復旧が必要となります。詳細は、ユーザーズガイドの内蔵ハードディスクユニットの取り付けを参照してください。
Q
PRIMERGY HAモデルのIPアドレスは2つ必要ですか?
A
標準構成では、Virtual Server用(業務用)に1つ、各CoServer用(監視用)に1つずつの計3つが必要になります。上記に加え、さらに業務用にLANを追加(2台のCoServerそれぞれに1枚ずつ、2枚1組の LANカードの増設必須)する場合、Virtual Server上で1つ(構成により最大4つ)のIPアドレスを新たに割り当てる必要があります。
Q
PRIMERGY HAモデルは通常のサーバと同じようにスケジュール運転(定期シャットダウン等)ができますか?
A
可能です。スケジュール運転はUPS(UPS管理ソフト「PowerChute」)により行います。2台のCoServer(HA1とHA2)にそれぞれ1台ずつのUPSを接続(RS-232Cケーブルによるシリアル接続)する構成となるため、PowerChuteも2台のCoServerそれぞれにインストールする必要があります。スケジュールは両方で同じ設定にする必要があります。
UPSにネットワークマネージメントカードを搭載し、仮想サーバ上で、PowerChute Network Shutdownを動作させることでスケジュール運転が可能です。
Q
PRIMERGY HAモデルで、2台のサーバ(HA1 / HA2)のOSのCドライブ、Dドライブの構成(容量)は変更できますか?
A
Virtual Server の Cドライブ(出荷時構成12GB)は、バックアップDVDによる再設定(注1)で、出荷時より大きい容量に変更できます。(ブートドライブですので、運用中の変更はできません)
CoServerのCドライブ(8GB)、Dドライブ(14GB)については変更できません。
その他の領域は、Virtual Server OSより追加の論理ボリュームを作成して使用することができる未使用領域となっています。
容量は以下の式で計算できます。
未使用領域の容量 = HDDの論理ドライブ容量 22GB (CoServer) **GB
(**GB = Virtual Server の Cドライブ)
参照:TX300HA S5 ユーザーズガイド「7.4 ご購入時の状態にする(リカバリ)」
(注1)再設定ではRAID1またはRAID5が構成されるため、論理ドライブ容量は、冗長化に使用される1本分のHDD容量を除いて計算します。
なお、TX300HA S4では「リカバリDVD-ROM」を使用します。
Q
PRIMERGY HAモデルで、故障(切り離し)発生時の復旧作業はどうすればいいのですか?
A
ハードウェアを修理・交換するだけで自動的に復旧(組み込み)します。
ただし、自動的に復旧できない故障(メモリブロックの切り離しなど)の場合は、修理・交換後、everRunマネージャ上で、[無効化]または[故障]状態のコンポーネントを[有効化]する必要があります。
Q
PRIMERGY HAモデルは、Windows Server 2003 Service Pack 2に対応していますか?
A
PRIMERGY HAモデルはWindows Server 2003 Service Pack 2を適用した状態で出荷しております。
Q
PRIMERGY HAモデルで、バックアップ装置がHA1にしか接続できないのはどうしてですか?
A
バックアップ装置は冗長化の対象ではありませんので、運用・保守の観点から、搭載するサーバはHA1に固定します。
HA1が故障した場合は、バックアップ装置が使用できなくなります。使用するにはHA1を復旧する必要があります。
Q
PRIMERGY HAモデルで使用できるメモリ容量はどのくらいですか?
A
16GBまで搭載可能ですが、CoServerで利用する分の384MBは仮想サーバでは利用できません。物理的に搭載した容量から384MBを引いた値が仮想OSから使用可能です。
Q
PRIMERGY HAモデルで、故障したサーバの修理交換中は、仮想サーバの業務は止まってしまうのですか?
A
故障したサーバの切り離し、修理交換、再同期を通じて、仮想サーバの業務は停止することなく継続します。
「再同期」とは、切り離されていたサーバをシステムに組み込む際に、HA制御ソフトウェアがサーバの状態を、動作中のもう一方のサーバと同一の状態にする処理のことです。再同期ではハードディスクの内容がコピーされます。
ハードディスクの内容のコピーはミラーコピーとも呼ばれ、仮想サーバの処理を継続したまま、並行してコピー処理が行われます。コピー中はディスク性能に若干の影響がありますが、コピー処理の優先度を下げることで、影響を最小限にすることができます。
Q
PRIMERGY HAモデルで、切り離しが行われたことは、どのようにして判るのですか?
A
ServerViewアラームサービス、またはPRIMERGY HAモデル固有の監視ツールeverRunマネージャで確認できます。
Q
PRIMERGY HAモデルの、出荷時のディスク構成はどのようになっていますか?
A
RAID1またはRAID5の構成が組まれており、NTFS形式でフォーマットされたパーティションの上にWindows Serverがプレインストールされています。
Q
PRIMERGY HAモデルをSystemCastWizardなどのイメージバックアップソフトを使用してバックアップし、同じバックアップイメージを複数のサーバに展開してもよいですか?
A
同じライセンスキーを、複数のHAモデルに使用することになりますので、バックアップイメージによる複数サーバ展開はできません。
ライセンスキーを使用して、仮想ネットワークアダプタのMACアドレスを一意に生成しています。同じライセンスキーを使用してセットアップを行うと、MACアドレスの重複を避けるため、一方のシステムのネットワークは使用できなくなります。
Q
PRIMERGY HAモデルで、コンピュータ名は同じにするのですか?
A
HA1、HA2のCoServer OSと、仮想サーバのOSは、それぞれ別のコンピュータ名にしてください。
Q
PRIMERGY HAモデルで、UPSを接続した時、OS標準のUPS監視機能で監視可能ですか?
A
OS標準のUPS監視機能はサポートしていません。必ずUPS管理ソフトウェア (PowerChute) をユーザーズガイドに記載の手順の設定を行って、使用してください。
Q
PRIMERGY HAモデルの仮想サーバが使用できるディスク容量はどのくらいですか?
A
RAID構成によって利用できるディスク容量のうち、CoServer OSが利用する部分の容量(22GB)を除いたものが、仮想サーバで利用できる容量となります。例えば 147GBディスク3本でRAID5の場合、RAID構成で利用できるディスク容量は、冗長化のための1本分のHDD容量を除いた、147GB (3 1)= 294GBとなります。したがって、仮想サーバの使用できるディスク容量は294GB 22GB = 272GBとなります。
Q
PRIMERGY HAモデルで、2台のサーバ(HA1およびHA2)のフロッピィディスクやDVD-ROMのドライブは使用できますか?
A
デバイスにより、Virtual Server(Endurance ソフトウェアでは HAvirtual Server)上で使用できるものと、CoServer上で使用できるものに分かれます。
Virtual Server 上で使用できるデバイス
- HDD(ディスク単位。RAIDシステムの場合は論理ディスク単位。)
- LAN
- DVD-ROM:HA1側のDVD-ROMドライブがVirtual Server上から使用できます。
- テープ/ライブラリ装置 :対応しているデバイスの詳細については、『システム構成図』を参照してください。
CoServer 上で使用できるデバイス
- フロッピィディスクドライブ:HA1側のドライブはHA1側のCoServerから、HA2側のドライブはHA2側のCoServerから、アクセス可能です。
- DVD-ROM:HA2側のCoServer上からのみ、HA2側のDVD-ROMドライブにアクセス可能です。HA1側のCoServerからは、DVD-ROMドライブは見えません。
Q
PRIMERGY HAモデルで、RS-232CカードなどのI/O制御カードが使えますか?
A
HAモデルは2台のサーバが同期を取って動作をしますので、同期が保証できないI/Oカードは使用できません。
Q
PRIMERGY HAモデルで、バッチファイルからシステム全体のシャットダウンは可能ですか?
A
バッチファイルやアプリケーションからシステム全体を正常にシャットダウンする際は、コマンドラインインターフェースをもつコマンド「mtccons.exe」が標準で添付されていますので、そちらを使用します。
詳細はユーザーズガイドを参照してください。
Q
PRIMERGY HAモデルで、CoServerのOSで使用するネットワークアダプタの増設は可能ですか?
A
CoServerで使用するネットワークアダプタの増設には対応していません。Virtual Serverで使用するネットワークアダプタの増設には対応しています。
Q
バックアップ装置は一方のサーバにしか接続できないようですが、バックアップ装置が搭載されているサーバが故障した場合、稼働中のサーバからバックアップ装置を使用できますか?
A
できません。故障した CoServerの復旧後のバックアップとなります。