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VMware Infrastructure 3で情報系システムを仮想化、耐障害性と運用性向上を実現


大分県別府市役所

大分県別府市様 導入事例


地域イントラネット・サーバをPRIMERGY RX600 S3とVMware Infrastructure 3で他の自治体に先駆けて仮想化に取り組み、課題となっていた耐障害性と運用性の向上を、コストをかけずに実現。

[ 2008年10月21日掲載 ]



 導入の背景 |  導入のポイント |  システム概要 |  今後の展望 

導入事例概要
業種: 地方自治体
ソリューション: 仮想化ソフトウェア(VMware)による情報系システムの仮想化
稼働環境: PRIMERGY RX600 S3
PRIMERGY RX300 S3
ストレージETERNUS2000 モデル200
仮想化ソフトVMware Infrastructure 3 Enterprise
VirutalCenter Management Server

唯一、仮想化を提案した富士通案を採用、
PRIMERGY最上位機種のRX600 S3をベースに仮想インフラを構築

大分県別府市様では地域イントラネット・サーバを富士通のPRIMERGY RX600 S3とVMware Infrastructure 3で他の自治体に先駆けて仮想化に取り組み、課題となっていた耐障害性と運用性の向上を、コストをかけずに実現しました。今回のコンペで別府市は目的のみをかかげた仕様書でベンダに課題を解決できる提案を求めましたが、富士通エフサスだけが別府市が構想していた仮想化による課題解決の提案を行い、仮想インフラを導入しました。

課題と効果
地域イントラネット・サーバの耐障害性と運用性の向上 耐障害性の確保
運用の容易性の実現
テスト環境の迅速な提供

本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

地域イントラネット・サーバの耐障害性と運用性向上のために仮想化を採用

大田 英晶
別府市企画部
情報推進課 課長

大分県別府市様は国際観光温泉文化都市の位置づけのもと、源泉数2840余の日本一の温泉と海、山、湯煙の景観を生かした「住んでよし、訪れてよし」のONSENツーリズムのまちづくりに力を入れている自治体です。別府市では、きびしい財政状況の中で、スクラップアンドビルドによる事業の見直しや人件費等の削減を進めています。

こうした中で、庁内の業務に不可欠なインフラとなっている情報システムについても、予算削減と費用対効果を明らかにする形で投資することが、今まで以上に厳しく求められるようになっています。別府市企画部情報推進課 課長 大田 英晶氏は「情報システムへの投資は初期費用が大きくなるので、投資に見合った人件費の削減も含めて、どの程度の効果を見込めるのか、きびしくチェックされます。その中で、どう効果を出していくのかが大きな課題です」と語ります。

別府市では平成13年度(2002年)に、市の出先機関や学校、消防本部などを結ぶ地域イントラネットを整備しましたが、当時はメールやインターネットに対する信頼性もさほど求められておらず、つながればよいという状況でした。ところが現在では、メールやインターネットは業務を行う上で必須となり、メールシステムが止まると、職員からすぐにクレームが来るという状態になっています。

そこで、地域イントラネット関連のサーバの信頼性を高める必要が出てきましたが、既存のシステムに手を加える程度では、耐障害性の向上を図れないことが分かりました。加えて情報推進課の職員も削減されたことから、運用負荷の軽減も必要になり、耐障害性の確保と運用のしやすさの 両方を実現するために、サーバ更新の契機に対策を検討することにしました。

別府市企画部情報推進課 主任 松本 弘次氏は「一番重要なのは、これら2つの要件を実現するシステムを、いかにお金をかけずに構築するかでした。更新を決めた2007年6月頃は、ちょうどサーバ仮想化技術が製造業を中心に、企業に入り始めた時期でした。そこで、仮想化技術を使えば、運用コストも含めて減らせるのではないかと考え、自分のPCに仮想化ソフトをインストールして試しました。その結果、仮想化することで、地域イントラネット・サーバが抱える問題を解決できるという実感を持つことができました」と説明します。また、今回の情報系サーバ更新のタイミングで仮想化に取り組まないと、次は5年後になってしまい、基幹系への広がりなども難しくなってしまうため、今回の仮想化導入を決断しました。

導入のポイント

富士通だけが仮想化を提案。

松本 弘次
別府市企画部
情報推進課 主任

VMwareを富士通の検証センターで検証、実装に進むその上で、情報推進課では複数の仮想化ソフトを検討、VMware VMotionとVMware HA機能があることが決め手になって、VMware Infrastructure 3を採用することにしました。HAを使えば、1台が障害や保守で停止しても、アプリケーションをもう1台のサーバに移して、そのまま運用を継続することができ、VMotionを使えば、業務を停めずにハードウェア保守が可能になります。

「その段階では、まだ検証していなかったので、不安はありましたが、VMotion、HAの機能がないと、耐障害性の確保と運用のしやすさ、低コストを実現できないと考えました。VMotionやHA無しに耐障害性を確保しようとすると、システムごとにサーバを2台ずつ準備しなければなりません。今回のサーバ更新の予算では、シングル構成が精一杯で、冗長化する余裕はなく、それは不可能でした」(大田氏)。

こうして、VMwareを採用することにした情報推進課では、2007年6月、各ベンダに仕様書を提示、新しいシステムに対する提案を受けることにしました。その際、同課では従来、実施していたハードウェアのスペックや台数で仕様を提示するやり方を止めて、運用上の課題を示し、それを解決する提案をするように求めました。

「例えば、障害発生時や定期メンテナンス時に可能な限り停止しない、もしくは停止時間が最小限になるような可用性を持った仕組みを提案して下さい、といった具合です。そして、5社ほどのベンダから提案を受けたのですが、私たちの狙い通りに、仮想化技術によるサーバ仮想化の提案をしたのは富士通エフサスだけでした。そこで、富士通を採用することにしました」(松本氏)。

2007年8月末、構築ベンダは富士通で決定しましたが、当時は自治体におけるVMware採用事例もなく、実装に対する不安があったため、情報推進課では11月に東京の富士通Platform Solution Centerに出向き、実際の動作状況を確認しました。

「仮想化環境で稼働させるアプリケーションは決めていたので、それがVMotionで問題なく稼働できるかどうか、そして、クライアントからは分からずに、VMotinを使ったアプリケーションの継続運用ができるかどうか、の2つを確かめました。その結果、問題なくVMotionが使えることが分かりましたので、『これなら、やれる』と確信を持つことができ、安心しました」(松本氏)。

システム概要

12台のサーバを4台に集約。テスト環境も迅速に提供

2007年12月中旬から、富士通エフサスが主体になって、サーバを順次、仮想サーバ環境へと移行していきました。その過程で、情報推進課が意識したのは、ユーザに影響を与えず、誰も気づかないまま、仮想サーバ環境への移行を終わらせることでした。そのため、夜間や週末、年末年始の休み期間中に、集中して作業を行なったため、所内のユーザは誰も仮想化されたことに気がつかなかったといいます。

移行作業は順調に進み、2008年2月、市役所情報センターの仮想化環境の稼働が始まりました。システムは、富士通のラックマウントサーバ「PRIMERGY RX600 S3 / RX300 S3」各2台をVMware Infrastructure 3でHA構成に組み合わせ、現在Windows Server 2003やLinuxなど10台の仮想マシンが稼働、Active Directory、インターネットフィルタリング、PC運用管理、アプリケーション配信、ユーザ認証、インターネットプロキシやDNS、メーリングリストなど、地域イントラネット関連のアプリケーションが動作しています(図)。

別府市における情報系サーバ仮想環境のシステム図

また、今回導入した富士通のPRIMERGY RX600 S3では、REMCSによる予兆監視通報が可能であり、壊れる前に、市のスケジュールで予防保守ができる点や、ハードウェアにメモリダンプ取得ボタンがあり、それを押すだけでダンプが取れる仕組みなど管理者に優しい機能を高く評価しています。

「今回構築したシステムには、非常に満足しています。仮想化によって、12台あったサーバは4台になりましたし、目的であった耐障害性と運用性の向上も実現しました。実際、1度ハードウェア障害がありましたが、私たちが気付かないうちに、仮想マシンが別のサーバに移動、利用者が気づくことなく、動作し続けました」(松本氏)。

また、テスト環境を簡単に用意できるようになったことも大きなメリットです。今までであれば、ユーザからテスト環境が欲しいという要望があった場合、余分なサーバがないと、次年度予算で請求して、購入しなければなりませんでした。しかし、現在は、VMwareのテンプレート機能を使って、テスト環境を簡単に立ち上げることができます。実際、ホームページ作成担当から要求のあったCMS化のためのテスト環境も、簡単に提供することができました。そのほか、オープンソースを中心としたソフトウェアのテストによるベンダが提供するパッケージソフトとの比較など、テストが簡単にできる環境を活用して、職員のスキルアップも行っていく考えです。

今後の展望

ノウハウをさらに蓄積し、基幹系システムの仮想化を目指す

情報推進課では構築した仮想インフラ環境に、残りの情報系サーバもできるだけ早く移行させる予定です。その上で、構想しているのが2011年に予定されている税金や住民記録、医療・福祉など基幹系のリプレイスを仮想化環境で実現することです。今回の情報系の仮想インフラ環境への移行は基幹系の仮想化を意識しながら、仮想化技術に関するノウハウを蓄積することも目的のひとつでした。

その意味で、今回、仮想インフラ環境が当初の計画通り構築され、順調に稼働していることで、別府市の情報システム全体を仮想インフラ環境に移行させる大きなステップが築かれたことになります。情報推進課では、この成果の上に、情報システム関連のコスト削減をさらに推し進めると共に、安定的で信頼性の高いITサービスを庁内に提供することで、住民サービスのさらなる向上を実現していく考えです。


大分県別府市様 概要

市役所所在地 大分県別府市上野口町1-15
職員数 1,124人
ホームページ 大分県別府市
概要

大分県別府市は人口12万人、大分県第2の都市で、市内には別府八湯と呼ばれる温泉エリアが点在し、日本一の湧出量と源泉数を有する温泉観光都市。また、市内には4,000人の留学生がいることから、日本でも有数の国際交流都市でもある。

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