富士通

継承と革新 - 富士通のコンピュータ開発 -

PRIMEPOWER本体装置は、(2008年5月に)販売終息いたしました。
なお、本製品の後継製品は、SPARC Enterpriseとなります。

各モデルの販売終息時期の詳細につきましては、「今までに発表した製品」をご参照ください。

50年間一貫して高信頼・高性能技術を追求

2007年2月27日

今日のサーバは、ネットワークを介して企業対企業・企業対個人などの様々なビジネスシーンを支える役割を担っています。例えば、生産から販売までの商品供給を部門・企業間で管理する生産管理システム、インターネットを活用した電子商取引システム、など様々な業務を支えています。

サーバのビジネスを支える役割が大きくなると、サーバの故障や不具合によるサービスの停止がビジネスに与える影響も大きくなります。サービスの停止はサービスを提供しているお客様の信頼を失ってしまうことにつながる、といっても過言ではありません。

このような状況の中、PRIMEPOWERをはじめとする富士通のサーバは、ミッションクリティカルの業務用途などで、多くのお客様にご利用いただいております。富士通のサーバは、開発50年の歴史の中で、常に高信頼・高性能をテーマに掲げてきました。そして時代ごとに最先端の技術を開発・提供することで、常にお客様に選ばれてきました。

本記事では、高信頼・高性能なPRIMEPOWERを開発することができた背景を、当社のサーバ開発の歴史を交えて紹介いたします。

50年間一貫して高信頼・高性能技術を追求

FACOM 100

富士通のコンピュータは、1954年に開発された国産初のリレー式計算機FACOM 100から始まります。FACOM 100は、電気信号を受けて機械的に動きを変える電磁石と電気をON/OFFするスイッチで構成されるリレー(継電器)により計算を行っていました。
リレーは機械的にON/OFFを行うため、高速動作をすると壊れてしまったり、埃などの影響で正確に動作しなかったりと、信頼性の低いものでした。そのため、検算回路を組み込み、計算結果に誤りがないかを確認し、誤りがあった場合には、再度計算を行うことで信頼性を向上しました。このように、富士通はコンピュータ黎明期から既に、信頼性向上の仕組みを取り入れていました。

次世代のFACOM 128A/Bではさらに信頼性・処理速度を向上し、多くの企業・大学でご利用いただきました。FACOM 128Bは稼動する世界最古のコンピュータとして、富士通沼津工場に保存されています。


FACOM 230シリーズ

次の世代のコンピュータはトランジスタを採用することで、信頼性・性能を向上しました。トランジスタを採用したコンピュータはFACOM 222から始まり、FACOM 230シリーズでは小型機から超大型機まで幅広いラインナップを取り揃え、多くのお客様にご支持いただきました。メインフレームと呼ばれるようになったのはこの頃からです。
FACOM 230-60では、1CPUの実装が標準だった当時、世界に先がけて2CPU方式を開発し、性能を向上しました。これは、高密度実装の技術と複数CPUに処理を分担させる技術などを開発することで実現することができました。これがPRIMEPOWER 2500の128CPUというスケーラビリティの原点です。
また、FACOM 230-75では、信頼性向上のために、ECCコードによる記憶装置の保護、パリティチェックによるデータパスの保護を行い、性能向上のためにバッファメモリを搭載するなど、当時としては画期的な技術を次々と開発しました。これらの技術も、現在のPRIMEPOWERに利用されています。


Mシリーズ

その次の世代であるMシリーズは、メモリパトロール、交替チップ、サービスプロセッサによるメンテナンスなどの技術により信頼性を向上しました。また、世界最速コンピュータの基礎となる高速化技術も次々と搭載されました。当時投入された高速化技術は三階層記憶装置、ハーバードアーキテクチャなどが挙げられます。


GSシリーズ

メインフレームの最新世代であるGSシリーズでは、半導体集積度が向上することで複雑な回路を組み込むことができるようになりました。その結果、ブランチヒストリ、アウトオブオーダーなどの技術を開発し、性能をさらに向上しました。また、活性保守などの技術により信頼性をますます高めてきた時期にもあたります。GSシリーズは現在も社会基盤の中核を担う高信頼・高性能なメインフレームです。

PRIMEPOWERは、このような高信頼・高性能技術を受け継いで開発した、富士通コンピュータの歴史が凝縮されたサーバです。このことがお客様に高く評価され、世界各国で幅広くお使いいただいています。


富士通コンピュータ開発の歴史 ~高信頼・高性能技術の開発

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富士通のサーバがこれからも選ばれる理由

富士通はコンピュータ黎明期から現在に至るまで、一貫して高信頼・高性能なコンピュータを開発してきました。昔は現在よりも部品点数が多く、システム全体の信頼度が低かったので、信頼性の低さをカバーする仕組みが必要でした。また、効率よく処理を行うために性能を向上させる工夫をしなければなりませんでした。富士通は、このような開発の経験と技術の積み重ねを継続してきました。

イノベーションとは、いきなり生まれるものではありません。小さな経験をこつこつと積み、ところどころで新たな技術とめぐり合い、技術を統合し、時には古い技術を捨てて、先駆者の経験・様々な過去を背負いながら、地道に生み出していくものです。富士通のサーバがお客様から選ばれるのは、他社にはない、過去何十年も培ってきた経験の蓄積があるからです。

当社のプロセッサ開発を担当するサーバシステム事業本部エンタプライズサーバ開発統括部の長沢茂は、過去の開発を振り返り、未来へ思いを馳せます。

サーバシステム事業本部 エンタプライズサーバ開発統括部 長沢 茂

入社以来、大型汎用計算機の開発に携わってきました。

入社当時はICが計算機の主要部品として使用されておりました。ICを使用すると部品点数が膨大となり、故障確率も高くなります。そこで、信頼度の高い部品を使用し故障確率を減らすとともに、運用開始前の診断による故障部品交換機能や、故障したプロセッサを切り離して運転を継続する機能など、可用性を向上する機能を取り入れてきました。

近年、LSIが主要部品となり、部品の信頼度は高まりました。しかし、リアルタイム処理が業務形態の主流となり、高可用性の要求がより一層強まりました。そこで、自動エラー訂正や命令リトライなどのリカバリ機能により、信頼度向上と継続運転確保の工夫をしてきました。また、運転中に発生したリカバリ可能なエラーの履歴を残し、故障にいたる可能性の高い部品を事前に交換する予防保守の仕組みも取り入れてきました。

PRIMEPOWERでは、このような過去の高信頼技術を継承し、現代の運用形態に最適化した高信頼化機能を提供しています。

今後も若い技術者により、富士通が計算機の開発を開始して以来大切にしてきた、高信頼化への取り組みを継続的に進化させていくものと期待しています。


富士通は今年、PRIMEPOWERの後継として、APL (Advanced Product Line)を出荷いたします。富士通の開発技術とSun社の開発技術を融合した、世界最強のUNIXサーバです。

富士通はこれからも、高信頼・高性能なサーバを開発していきます。

NHK教育放送「サイエンスZERO」で当社コンピュータの歴史が紹介されました

NHK教育放送「サイエンスZERO」でスーパーコンピュータの特集が放送されました。その中で、当社のコンピュータ開発の歴史や現在の開発の様子が紹介されました。放送に関する詳細は、NHK教育放送「サイエンスZERO」のページをご覧ください。

  • サイエンスZERO (NHKサイエンスZEROのページへリンク)

    キャスター:眞鍋かをりさん / 熊倉悟さん(NHKアナウンサー)
    当社からの出演:サーバシステム事業本部 技師長 井上愛一郎
    放送日:2007年3月3日
  • NHK (NHKのページへリンク)


[注記事項]

  • 掲載内容は発行日時点のものです。