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省エネ対策とIT基盤の最適化、どう進めていくか? 担当者が語る「見える化」

IT機器の消費電力を減らしたいという思いは、今日の状況を踏まえればどの企業においてもあることでしょう。しかし、電力が「いつ・どこで・どのように」使われているかを把握できなければ、効率的な対策を講じることはできません。そこで、機器の運用状況、稼働状況、負荷率などを「見える化」できれば、その結果を基に消費電力を抑える手段として何をどうするかを考えることができます。


[公開日 2011年10月9日]

[更新日 2014年8月27日]

目次

「見える化」を、標準機能で

「消費電力計算ツール」で現状と導入効果をつかむ

ネットワーク製品を使って、「見える化」が加速

全体像をつかみ、どうコントロールするかが、ソフトウェアの腕の見せ所

「見える化」を、標準機能で

UNIXサーバ SPARC M10担当 エンタプライズサーバ事業本部 事業企画統括部 企画部 部長 伊藤 達夫の写真
伊藤 達夫
UNIXサーバ SPARC M10担当
エンタプライズサーバ事業本部 事業企画統括部
企画部 部長

伊藤:まずは、消費電力の「見える化」についてディスカッションしたいと思います。
各製品では、どのような機能や仕組みで「見える化」を実現しているのか、順にご説明ください。

高見:FUJITSU Server PRIMERGYは、2008年に登場したシリーズ(S4)のサーバから、いち早く電力の「見える化」の機能を取り込んでいます。
サーバ単体の監視は、iRMC(integrated Remote Management Controller)というFUJITSU Server PRIMERGY本体に搭載されているサーバ管理機能で実現しています。
複数のFUJITSU Server PRIMERGYを監視するには、FUJITSU Server PRIMERGYサーバの運用管理ソフトウェアであるServerView Operations Managerのパワーモニタという機能を使用します。各サーバの消費電力履歴グラフを重ねて比較したり、指定期間の複数サーバの合計値を表示できます。

さらに、FUJITSU Server PRIMERGY BX900という、現行世代のブレードサーバから、シャーシ内の全ブレードを監視できるサーバ管理ソフトウェアSVMF(ServerView Management Blade Frontend)により、リアルタイムでシャーシ全体の電力消費量が「見える化」できるようになっています。

サーバの稼働状況の「見える化」は、FUJITSU Software ServerView Suiteを提供しはじめた当初から、CPUやメモリの使用率のグラフ表示や、しきい値監視機能で実現しています。
現在では、仮想サーバにおけるゲストのリソースのしきい値監視までサポートしています。グラフ表示としきい値はそれぞれパフォーマンスマネージャーとスレッシュホールドマネージャーが担っています。

サーバ管理ソフトウェアSVMFによる、CPU/メモリ使用率やゲストリソースの監視
サーバ管理ソフトウェアSVMFによる、CPU/メモリ使用率やゲストリソースの監視

伊藤:FUJITSU Server PRIMERGYではFUJITSU Software ServerView Suiteは標準で装備されていましたよね?

高見:標準です。電力の「見える化」機能は、すべて無償で使えます。
この機能は、2008年のS4シリーズから現在のS7シリーズまで、世代を追うごとに進化していて、最新の機能では、いままで平均値ベースで出していたグラフが、ピーク値や最小値も出せるようになっています。他社と比較してもトップレベルです。

廣瀬:FUJITSU Server PRIMEQUESTでは、装置全体を監視するサーバ管理ユニットを備えています。これにより消費電力や吸気・部品の温度、排気量を監視できます。また、FUJITSU Server PRIMERGYと共通のサーバ管理ソフトウェアFUJITSU Software ServerView Suiteで、稼働状態も含めて「見える化」できるようになっています。FUJITSU Software ServerView Suiteを使えば、複数のFUJITSU Server PRIMERGY/FUJITSU Server PRIMEQUESTから構成されるシステムの監視・管理も標準機能でできます。

MMB(サーバ管理専用ユニット)によるリアルタイムなシステム監視・管理
MMB(サーバ管理専用ユニット)によるリアルタイムなシステム監視・管理

村田:当社UNIXサーバの電力の「見える化」は、2008年に登場したUNIXサーバ SPARC Enterprise M3000からシステム監視機構に搭載し提供されていますね。

伊藤:UNIXサーバ SPARC M10では、システム監視機構を標準搭載しており、運用時のシステムの動作状態、消費電力、吸気温度、排気量などの情報をいつでも把握できます。
さらに、本体装置の吸気温度、CPUの温度を監視し、温度異常を検出すると同時にメッセージを表示しますので、これにより、温度上昇によるシステム不安定を未然に防止することも可能です。

システム監視機構(XSCF)によるサーバの監視・制御
システム監視機構(XSCF)によるサーバの監視・制御

「消費電力計算ツール」で現状と導入効果をつかむ

伊藤:各サーバの標準機能で、消費電力や稼働状況の監視ができることがわかりました。それでは、サーバの構成や稼働条件の変更による効果を測るにはどうしたらいいでしょうか?

廣瀬:FUJITSU Server PRIMEQUESTでは、サーバの構成と稼働率に合わせた消費電力・発熱量・質量を見積もるツールを提供しているので、効果を想定していただくことができます。

高見:FUJITSU Server PRIMERGYでは、消費電力計算ツールを提供しています。
さらに、仮想化ソフトウェアを使用してサーバ集約を図るお客様向けに、「仮想化による削減効果診断」を無料で実施しています。

伊藤:UNIXサーバ SPARC M10では、各オプション構成に対応した運用時、システム使用率に応じた消費電力を算出いただけるツールを公開しています。

山崎:FUJITSU Storage ETERNUSも消費電力計算ツールを提供しています。
ストレージの場合、ディスクの種類、回転数、搭載台数によって、消費電力に大幅な違いがあります。
まず、装置を導入する前にツールで消費電力と現状からの削減効果をご確認いただきたいですね。

FUJITSU Server PRIMEQUEST担当 IAサーバ事業本部 IAサーバ事業部 システムエンジニアリング部 廣瀬 元義の写真
廣瀬 元義
FUJITSU Server PRIMEQUEST担当
IAサーバ事業本部
IAサーバ事業部
システムエンジニアリング部

村田:まずは、お客様が導入前に計算ツールを使って、自分たちが導入する製品がどれくらいの電力を消費するのかを計算していただき、導入後に各装置の機能を使い、状態の監視と稼働状況に合わせた最適化していただければ、かなりの電力は削減できると思います。

伊藤:ところで、ツールといえば、環境貢献試算Webツール「EcoCALC(エコカルク)」がありますね。

村田:そうです。これは、ICTによる環境負荷低減効果を、導入前と導入後の比較を定量的に評価するツールです。
このツールでは、物の消費、人の移動、物の移動、オフィススペース、倉庫スペース、ICT機器の電力消費、データ通信量といった要因から、ICTによって低減されるCO2の量を算出します。本ツールは、ICT活用によるCO2削減量「見える化」ツールの先進性や独創性ならびに、本ツールのお客様提案への積極的な活用が評価され、「グリーンITアワード2011」を受賞しましたね。

ネットワーク製品を使って、「見える化」が加速

伊藤:ネットワーク製品はどうでしょうか。新しい装置も出たようですね。

ネットワーク担当 ネットワークサービス事業本部 プロダクト企画統括部 伊瀬 英樹の写真
伊瀬 英樹
ネットワーク担当
ネットワークサービス事業本部
プロダクト企画統括部

伊瀬:iNetSec Smart Finderというネットワーク製品で、小型な装置をネットワーク上に差していただくと、ネットワーク上のMACアドレス等のいろいろな情報を採取し、ネットワークにどれだけIT機器がつながっているか、消費電力がどれくらいかといったことが把握できる装置です。

IT機器管理アプライアンス iNetSec Smart Finder
IT機器管理アプライアンス iNetSec Smart Finder

この章でご紹介した製品・サービス等

全体像をつかみ、どうコントロールするかが、ソフトウェアの腕の見せ所

伊藤:これまで、ハードウェアの話をいろいろと聞いてきましたが、システムとして見せるという意味ではソフトウェアの役割も大きいかと思いますがいかがでしょうか?

朽木:そうですね、ハードウェアの「見える化」は単体ごとであるため、その情報をまとめ、システム全体として「見える化」することがソフトウェアの役割だと考えています。

伊藤:具体的にいうと…

朽木:まず、「稼動状況」の「見える化」というのであれば、FUJITSU Software Systemwalker Centric Managerが挙げられます。
サーバやクライアント、ルータやゲートウェイなどのネットワーク機器を自動検出し、電源ON/OFFの状態も含めた稼働状態をシステム全体として監視できます。また、システム運用管理者に状態の変化をイベントとして通知できます。
それとともに、FUJITSU Software Systemwalker Service Quality Coordinatorでは、複数サーバの性能情報(CPU使用率、メモリ使用量など)や電力や温度状況(消費電力、電力量、温度など)を自動収集し、運用管理ダッシュボード表示することができます。また、利用者の目的に合わせてビューをカスタマイズして利用することができます。

伊藤:なるほど。システム全体で統合管理ができるというのは、ソフトウェアならではですね。それに、システム運用管理者にとっても、全体の状況が把握しやすい。

ソフトウェア担当 計画本部 開発企画統括部 プラットフォーム企画部 部長 朽木 忍の写真
朽木 忍
ソフトウェア担当
計画本部 開発企画統括部
プラットフォーム企画部 部長

村田:機器を100台も200台もお持ちの大規模なお客様では、1台1台全てを個別に監視することは非常に難しいため、それを統合するかたちでソフトウェアがあります。それを活用することでお客様システムの全体を見える化でき、かつ稼働状況に合わせた電力消費状況と統合したデータがとれれば、それをベースに運用の見直しとファシリティの温度の設定なども含めた改善を施すことができ、電力はますます減っていくと思います。

伊藤:とにかく、まずは「見える化」。そこが重要であり、消費電力削減への入口ということですね。