
仮想化による集約・統合は、機能を強化しながらも利便性を高めて、物理的な台数を大きく削減できるため、節電・省エネ対策として有効です。また、コスト削減にも効果があるため、近年ではクラウド化も注目されています。
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村田:仮想化については、まずはミッションクリティカルな領域ではハードウェア的なパーティションの構造があるというのが前提になります。物理的にパーティションを切って、それぞれの領域でOSやアプリケーションを動作させるなど、複数の処理が行われることで効率をアップするという仕組みですね。また、ソフト的に例えばCPUのコアが16個あったら、その内の2個はこの処理に使うなど、そういったパーティションの使い方ができる。それをうまく使い分け、さらにその上に仮想化ソフトが存在するわけですね。
伊藤:SPARC Enterpriseサーバでは「ハードウェアパーティショニング」「Solarisコンテナ」「Oracle VM Server for SPARC:論理ドメイン」という仮想化技術を標準で提供しています。お客様の業務特性に合わせて、仮想化技術が選択でき、効率的なサーバ統合を行うことができます。

SPARC Enterprise:仮想化技術による効率的なサーバ統合

SPARC Enterprise:Oracle VM Server for SPARCによるサーバ統合
伊藤:PRIMEQUESTでの仮想化・統合ではどんな効果が上げられますか。
廣瀬:PRIMEQUESTの最初の世代に比べると、桁違いに性能は上がって電力は抑えられています。性能を同等とすると、初期のPRIMEQUESTに比べるとほとんど電力を消費しないに等しいくらいの削減ができています。
廣瀬:PRIMEQUESTは、WindowsやLinuxというオープンOSだけでなく、メインフレームOSのOSIV/XSPとオフコン(PRIMERGY 6000)のOSであるASPの仮想化統合・集約も可能です。
仮想化統合・集約することで、レガシーOSを含めたシステムの節電・省電力化が可能です。
従来は、レガシーOSをオープン化した上での仮想化統合・集約が必要でした。ところが、PRIMEQUESTでは、レガシーOSを動作させたまま、あるいは、オープン化を行いながらなど、いろいろなシーンで利用できるようになりました。
このように、仮想化統合・集約の適用範囲の広さもPRIMEQUESTの大きな特長です。

ASPシステムとOSIV/XSPシステム、オープンシステムの並行稼働
伊藤:PRIMERGYの場合は、どうなりますか
高見:同じIAサーバのなかでも基幹IAであるPRIMEQUESTとは違って、PRIMERGYにはハードウェアパーティショニングの機能はありません。したがって、5年前に導入して保守期限が迫りつつある物理サーバを、より消費電力あたりの性能に優れた最新機種に論理集約することで消費電力を削減するというパターンがもっぱらですね。
加えて言えば、集約後のラックサーバが例えば6台または10台を超える中規模クラスの集約の場合には、それをさらにブレードサーバBX400ないしBX900に置き換えることで、物理的なスペースの削減を狙うというパターンも考えられます。
削減の効果はシステムによって異なりますので、それを見積るツールやサービスも提供されています。
伊藤:ストレージでは、どのような仮想化の技術がありますか。
山崎:代表的なものとして、シン・プロビジョニングという機能をご紹介します。
従来ですと、ストレージの導入時にはあらかじめ5年分とかのディスクを搭載しておきます。しかし、ユーザーに割り当てられたストレージはあまり効率的に利用されていないことが多く、ある調査機関によれば、ストレージの使用量は、割当量の20~30%しか使用されていないといったデータもあります。
そうすると残りの使っていない部分のディスクも当然ながら電力を消費しているわけで、その電力は非常に無駄です。だから、本当に必要になったときだけディスクを入れ、そして必要な容量が増えてきたらディスクを増やしていく。このようなことをやれば、当然電源も最低限使う分だけでいいということで考えられたものです。
この機能は、ストレージ・リソースを仮想化して割り当てることで、ストレージの物理容量を削減できる技術です。
シン・プロビジョニングが導入された環境では、利用者の要求に応じた容量を仮想ボリュームとして割り当てますが、その時点では物理ディスクに仮想ボリュームと同じ容量を割り当てません。物理ディスクは共有のディスクプールとして管理され、仮想ボリュームに書き込まれたデータ量に応じて割り当てられます。これにより、使用されない物理ディスクの無駄をなくし、効率的な運用が可能となります。

山崎 彰
ストレージ担当
プラットフォーム技術本部
プロダクトソリューション技術統括部 マネージャー
また、物理ディスクプールは、容量不足を起こさないようにするために「しきい値」を設けて、しきい値超えしたときだけ物理ディスクを動的に拡張することができます。

ストレージのシン・プロビジョニング機能
また、データ量増大に伴い、バックアップデータの領域確保や運用負荷も課題になります。現在ディスクへの一次バックアップが主流で、複数世代管理を含めると大きなディスク領域が必要になり、資源や電力の消費につながります。そこで、バックアップデータの重複部分を排除する技術を搭載した、デデュープアプライアンス CS800を開発・商品化しています。これによりバックアップデータ量を1/10にした事例や、バックアップ処理時間を1/2にした事例もあります。こういった技術によっても消費電力や運用負荷の削減に貢献できています。

重複排除技術を搭載したデデュープアプライアンス ETERNUS CS800
伊藤:ネットワーク製品で仮想化・統合というとどんなことがあげられますか?
伊瀬:統合という意味でIPCOMがあります。様々な機能の統合で、構築・運用コスト、設置スペースや消費電力の削減などが可能になります。IPCOMは、ルータ、ロードバランサーやファイアーウォールなどをはじめとして、いろんな機能を1台にした、統合ネットワーク型アプライアンスなので、様々なコストが削減できます。

ITシステムに必要な高信頼性を実現するネットワークサーバIPCOM
伊藤:仮想化でサーバ集約を行い、共同利用による効率化を図ることで節電にも貢献できるのですが、その反面、運用面においては、物理サーバの管理だけでなく、仮想サーバの管理も加わり、運用が大変になってきますよね。この点で、ソフトウェアとの連携が重要になりますね。
朽木:そうですね。こういった運用の課題を解決していくのがクラウド関連のソフトウェアです。
従来のシステム作りにおいては、ピーク時以外にはリソースの空きがあり、全体のリソースの稼働率が低く、余分な電力を使用するなどの問題がありました。さらに、システムを一度構築すると変更が困難であることから、全社レベルでのリソースの柔軟な配備や自動化運用を行うことは難しかった。この点において、仮想化技術を利用し、クラウド関連のソフトウェアを活用してクラウドの運用をすることで、ピーク時を意識したリソースを個別に持つのではなく、必要なときに必要なリソースを即時に配備する運用によって、システムの消費電力を抑えた構築できるようになってきています。
富士通では、下記のクラウド関連のソフトウェアを提供し、2011年11月に、複数の顧客や部門間で共有するマルチテナントのクラウド環境が構築できる最新のServerView Resource Orchestrator V3をグローバルに販売開始し、更なるエンハンスを進めています。

朽木 忍
ソフトウェア担当
計画本部 開発企画統括部
プラットフォーム企画部 部長

ダイナミックリソース管理ソフトウェア ServerView Resource Orchestrator:
利用者のセルフサービスによる仮想プラットフォームの自動配備
伊藤:以前から、電源投入、サービスやスケジュールジョブの実行/制御、電源切断まで、システム全体の自動運転を実現するSystemwalker Operation Managerが対応していますが、仮想環境まで含めた自動運用は大変になりますね。
朽木:そうですね。今までのトラディショナルな自動運用では、仮想環境まで含めた複雑な自動運転は、なかなか難しいです。
そこで、クラウド関連のソフトウェアとして、仮想環境を含めたデータセンターの自動化を行うSystemwalker Runbook Automation V14gを新たに提供しています。
例えば、1台の物理サーバ上に複数の仮想サーバを動作させるシステム環境を安全に停止させるには、以下のような手順が必要です。
Systemwalker Runbook Automation V14gでは、上記のような操作の手順作業フローのテンプレートとして提供し、それを複数のサーバに対して自動実行することができるようにしています。また、作業フローに複数の実行日時パターンを定義して、日ごとに起動タイミングを柔軟にスケジュールできる機能も備えており、きめ細やかな節電を目的にした運転の自動化も可能になっています。

Systemwalker Runbook Automation V14g :仮想環境を含めたデータセンターの自動化
また、プライベートクラウド導入における課題をスピーディーに解決するため、最新のハードウェアとクラウド関連のソフトウェアなどをパッケージ化した統合基盤も提供しています。

プライベートクラウド統合パッケージ FUJITSU Cloud Ready Blocks
伊藤:最後に、全体を総括するということで村田さんお願いします。
村田:これまでご紹介してきましたように、新しい製品は新しい技術をどんどん採り入れています。
そして、個々の機器を仮想化という機能を使って、それまでたくさんあったものを集約し、物理的な台数を減らす。
さらに、ハードウェアとソフトウェアの機能連携でますます省電力効果を高められます。
とにかく各プロダクトが連携して、省電力だけでなく、運用の最適化も含めて、新しい良い製品・サービスをこれからも提供し続け、お客様や社会に貢献していきたいと思います。
次回テーマでは、IT機器の設置環境を中心に、データセンターの運用やサービス、ソリューションをご紹介する予定です。
中期的施策