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省エネ対策とIT基盤の最適化、どう進めていくか? 担当者が語る「電力管理」

当たり前のように24時間電源を入れっぱなしにしたり、つなぎっぱなしにしている。そんな時代はもう終わりました。いかに効率よく電力を扱うか。業務スケジュールに合わせて電源のON/OFFを自動制御すれば、必要以上の電力のムダを省くことができます。当然、CO2の削減、システム運用や業務の効率化にもつながります。

[公開日 2011年10月9日]

[更新日 2014年8月27日]

目次

スケジュール運転、そこに富士通のDNAが息づいている

スケジュール運転への意識は高まっている

パーティション単位で電源をON/OFF

ムダな動きをさせない、MAID技術

24時間365日稼動のネットワーク製品にもスケジュール運転

サーバ間ファイル共用されたストレージでも電源連動が可能

ソフトウェアでシステム全体を制御する

スケジュール運転、そこに富士通のDNAが息づいている

村田:当社のサーバは、昔からスケジュール運転という機能を持っています。これはメインフレームをはじめた頃からの伝統の機能なんですね。そこに接続されるI/Oも含めて電源連動していますから、この機能を上手く使って、業務に合わせて最適化をしていけば、大幅な電力の削減につながるということです。

伊藤:もともと省エネや節電が叫ばれていない時代から搭載されていますよね。

村田:この機能がはじまったのは、まだ24時間運転が主流になる前で、朝の定時に出社され、夜の定時に退社されるまでの決められた時間に使うというお客様が多かった時代に、運用を便利にするために付けた機能がこのスケジュール運転機能なんですね。

エンタプライズサーバ事業本部 実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート 村田 英己の写真
村田 英己
エンタプライズサーバ事業本部
実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート

伊藤:オープン化とともに24時間運転、365日の稼働に変わったと…

村田:高度経済成長時代は、電力を使いたい放題使い効率を主に追求した時代で、同時にこの機能が忘れ去られたというところがあります。
昨今、CO2の問題とか省エネが叫ばれるようになり、やっとまたこの機能が重要な位置を占めることになってきたわけです。

伊藤:昔からの伝統技術が、ここに来てまた注目されるようになったわけですね。

村田:そうですね。サーバ数台に加えI/Oがたくさん付いたんですね。それを1台1台電源を落としていくというのは非常に大変な作業でした。だからサーバが落ちれば、つながっているI/Oも落としていい、という発想で連動させた。これは昔からの富士通の考え方ですね。

スケジュール運転への意識は高まっている

伊藤:以前は、オフィスの脇に置いているFUJITSU Server PRIMERGYなどの電源を退社した後もずっと入れているというケースをよく見かけましたが、今はどうでしょうか?

FUJITSU Server PRIMERGY担当 IAサーバ事業本部 IAサーバ事業部 システムエンジニアリング部 高見 浩之の写真
高見 浩之
FUJITSU Server PRIMERGY担当
IAサーバ事業本部
IAサーバ事業部
システムエンジニアリング部

高見:今は、24時間運転したくないので、電源を落として朝自動的に立ち上がるということを求められるお客様が多いですね。

伊藤:FUJITSU Server PRIMERGYの場合、スケジュール運転も絡めて、電源を自動で制御されているケースは多いですか?

高見:スケジュール運転は結構されていますね。FUJITSU Server PRIMERGYはスケジュール運転の機能を標準で搭載しているのに対して、他社の場合は、オプションのソフトウェアを使わないと出来なかったりします。FUJITSU Server PRIMERGYはハードウェアに添付の装置で全部できてしまいます。

伊藤:サーバのシリーズに関わらず、標準搭載されていますので、お客様は業務に合わせてお使いいただける。そこが富士通の優位性ですね。

パーティション単位で電源をON/OFF

伊藤:FUJITSU Server PRIMEQUESTでは予備システムボードをお使いのお客様がいらっしゃると思いますが、その電源は常に入っているんですか?

基幹IAサーバ FUJITSU Server PRIMEQUESTのReserved SB(予備システムボード)機能
基幹IAサーバ FUJITSU Server PRIMEQUESTのReserved SB(予備システムボード)機能

廣瀬:予備システムボード自体には、電源は入っていません。ボード単位というよりも、パーティション単位で電源ON/OFFが可能です。パーティション毎でもスケジュール運転はできますし、単体のサーバと同じことができるようになっています。

基幹IAサーバ FUJITSU Server PRIMEQUESTのフレキシブルI/Oとパーティショニング機能
基幹IAサーバ FUJITSU Server PRIMEQUESTのフレキシブルI/Oとパーティショニング機能

ムダな動きをさせない、MAID技術

伊藤:ストレージはどうですか?

山崎:FUJITSU Storage ETERNUSの特長として、ハードディスクを上手くスケジュールして使うといった機能があります。MAID技術を応用したエコモードという機能です。装置稼働中のハードディスクはアクセスに備え回転していますが、使われていないディスクを回転させるのは電力の無駄です。そこで、使っていないディスクの回転を止めることができます。例えばバックアップ用のディスクなどは、業務中は使わず、バックアップの時だけ使えばいい。このような機能をバックアップスケジュールに組み合わせて運用することで、消費電力を削減してくれるわけです。

ストレージ担当 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 マネージャー 山崎 彰の写真
山崎 彰
ストレージ担当
プラットフォーム技術本部
プロダクトソリューション技術統括部 マネージャー

ストレージシステム FUJITSU Storage ETERNUSの消費電力を削減するエコモード
ストレージシステム FUJITSU Storage ETERNUSの消費電力を削減するエコモード

山崎:装置自身でもRAIDグループ単位で稼働や停止時刻の設定ができます。さらに、FUJITSU Storage ETERNUS SFのAdvancedCopy Managerというソフトウェアを利用するとFUJITSU Storage ETERNUSの高速コピー機能と連動して、バックアップ時にディスクを回す、それ以外の時は止める、といった制御をしてくれます。

24時間365日稼動のネットワーク製品にもスケジュール運転

伊藤:ネットワークというのは常に電源が入っているというイメージですが。

ネットワーク担当 ネットワークサービス事業本部 プロダクト企画統括部 浪平 大輔の写真
浪平 大輔
ネットワーク担当
ネットワークサービス事業本部
プロダクト企画統括部

浪平:そうですね。ネットワーク製品は、24時間365日稼働することが前提となっているので、ネットワーク製品自体のスケジュール運転というのはピンと来ないかと思います。ただ、ネットワーク製品につながっている、サーバやPC、複写機など、機器側の電源は夜間電源OFFになるものも多く、そこにスケジュール運転による省エネの機会があります。
機器側の電源がOFFになれば、繋がっている先のネットワーク機器のポートも当然リンクダウンとなるわけですが、実はネットワークにデータを流す部分の電力がなくなるだけで、中のハードウェアは全て動いています。ここが無駄な電力になっていますので、オンラインのポートを、スケジュール運転でオフラインに調整することを今回SR-Sシリーズで可能にしました。ポートをオフラインにすることで、該当ポートに付随する内部ハードウェアの部分まで電力をカットできるようになっています。

もちろんポート単位なので微々たる消費電力なのですが、PC等の端末が繋がるフロアスイッチでは数が非常に多いため、積み重ねによる全体での省電力効果は大きくなりますので、そういうところからネットワーク製品は省エネへの取り組みを行っています。

セキュアスイッチ SR-Sシリーズの写真
セキュアスイッチ SR-Sシリーズ

この章でご紹介した製品・サービス等

サーバ間ファイル共用されたストレージでも電源連動が可能

伊藤:サーバの電源をオン/オフしても、ストレージ等の電源が入りっぱなしでは片手落ちになってしまいますが、その辺に対してはいかがですか。

村田:ストレージで特長的なのは、クラスタでファイル共有しているときに、複数台のサーバと共有していますよね。その時に例えばスケジュール運転などにしても、オーナー権というのがお互いのサーバ間で渡ります。それで、そのストレージのオーナーがいなくなったら電源が落ちるというところまで制御しています。だから単純に1対1の制御ではないということです。これは基本的に搭載しており、他社にはない機能ですね。

伊藤:UNIXサーバ SPARC M10では、Remote Cabinet Interface over LAN(RCIL)を標準で提供しており、本体装置の電源投入/切断に連動して、LANで接続された他のUNIXサーバ SPARC M10やFUJITSU Storage ETERNUSの電源を制御します。
本機能を使用すると、複数台の本体装置やI/O装置のシステム制御も可能です。

UNIXサーバ SPARC M10-1とFUJITSU Storage ETERNUS DX80 S2が接続された図
電源連動機能により、本体装置やI/O装置のシステム制御が可能

山崎:UNIXサーバ SPARC M10に接続した場合は、RCILによる電源連動機能で電源のオン/オフができます。
FUJITSU Server PRIMERGY/FUJITSU Server PRIMEQUESTについても、FUJITSU Storage ETERNUSの電源連動ユニットのセンサー機能とUPSを使って、電源のオン/オフが可能です。FUJITSU Server PRIMEQUESTは、Windows/Linuxといったオープン系のOSだけでなく、メインフレームOSであるXSPやオフコンOSのASPも稼働します。もちろん、FUJITSU Storage ETERNUSなど周辺機器との電源連動も可能です。

伊藤:電源のON/OFFということでいうと、電源を落とすということにすごく抵抗があるお客様もいらっしゃると思うのですが、その辺に対してはいかがですか。

村田:大昔は電源を落とすとトランジスタが壊れるという話しがありましたが、IC化が進んで以降は電源を落とすことで壊れることはないですね。たまにあるとしたら、使われていない部品の故障が次に立ち上げるときに診断機能で引っかかるケースです。基本的には影響はないです。富士通の場合は電源のON/OFFは意識してかなり強化した評価と試験を実施しており、確認を十分に行った上で製品を出荷していますから、フィールドでトラブルになることはないですね。

伊藤:安心してお使いくださいということですね。

ソフトウェアでシステム全体を制御する

伊藤:ソフトウェア側で電力管理というと…

朽木:システム全体で省電力な運用を行うために、ソフトウェア側でも「スケジュール運転」と「電源連動」両方の機能を提供しています。
例えば、FUJITSU Software Systemwalker Runbook Automation。これは、データセンターの運用フローに合わせた自動運転/電源制御による省電力を実現します。
また、お客様が一般的に業務を自動化するという際に、特にバッチを動かす時間を指定するというのがありますね。夜間のバッチ業務が終わったら電源をシャットダウンするというトラディショナルな使い方です。以前から、電源投入・サービスやスケジュールジョブの実行/制御、電源切断まで、システム全体の自動運転を実現するFUJITSU Software Systemwalker Operation Managerが対応しています。
そして、沼津ソフトウェア開発クラウドセンターでは、自社製品使用の実践を通じ、2008年から2010年度にかけて国内6拠点に分散していた開発環境のサーバを集約、クラウド化するとともに、サーバと連動したストレージ装置の電源制御、光ファイバー温度センシングを活用したサーバの吸気/排気温度の見える化による冷やし過ぎ/熱溜り解消での空調の効率化など、先進的な施策にも取り組んでいます。

沼津ソフトウェア開発クラウドセンター見学コース
沼津ソフトウェア開発クラウドセンター見学コース

村田:各々のプロダクトに標準装備されたスケジュール運転機能、また、それら全体を俯瞰してのソフトウェアによる制御など、富士通のDNAが息づく優れた機能を上手に活かして省エネ・節電効果を享受していただきたいと思います。