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省エネ対策とIT基盤の最適化、どう進めていくか? 密閉冷却型サーバラック「ファシリティキューブ」

目次

スペースを有効活用!どこでもサーバルーム「ファシリティキューブ」

最小の密閉空間を効率よく循環冷却

サーバルームで省エネをするという意識の高まり

省スペース化と省エネで大幅コストダウン!

お客様ニーズはどこにあるのか

デザイン性にも優れた超コンパクトタイプも誕生!

バックヤードや工場、倉庫など、期待が高まる様々な活用シーン

スペースを有効活用!どこでもサーバルーム「ファシリティキューブ」

[公開日 2012年5月10日]

村田:IT投資とは、IT機器の導入のみならず、機器を設置するためのスペースや空調・電源設備の確保等、維持・運用するためには多くのランニングコストを含みます。
ランニングコストを抑制するには、より小さなスペースで、効率よくシステムを運用し、ファシリティの最適化を実現することが重要な課題と言えます。
ここでは、スペースを有効活用し、IT機器の最適環境を実現する密閉冷却型サーバラック「ファシリティキューブ」をご紹介したいと思います。

富士通ネットワークソリューションズ株式会社(FNETS) ソリューション開発本部 プロジェクト統括部長 大内 俊の写真
大内 俊
富士通ネットワークソリューションズ株式会社(FNETS)
ソリューション開発本部 プロジェクト統括部長

大内:それでは、密閉冷却型サーバラック「ファシリティキューブ」のご紹介をさせていただきます。

従来サーバルームというのは、サーバの設置とともに空調パッケージとか、消火設備、監視機能といった付帯設備を別々に設置していたのですが、それらの機能をラックの中に一体化させることによって省スペース化と省電力を実現するというコンセプトのもとに開発したのが「ファシリティキューブ」です。大がかりな設備やスペースが不要ですので、オフィスの遊休スペースでも簡単にサーバの最適環境を実現することができます。

ファシリティキューブで簡単にサーバの最適環境を実現
ファシリティキューブで簡単にサーバの最適環境を実現

従来は部屋全体を冷やすというオープンエアの空調原理でしたが、ファシリティキューブではラックの中だけを冷やすクローズエアの空調原理を用いています。これによって高い省エネ性を実現しました。

空調方式による省エネの考え方
空調方式による省エネの考え方

空調ユニットには、機器の発する熱による庫温を無駄な除湿をせずに下げる高顕熱タイプを採用することで、一般空調と比較して冷却効率が非常に向上しています。また、ラック内のみで空気循環しますので、同時に高い防塵性と防音性も実現することができました。

最小の密閉空間を効率よく循環冷却

村田:空気循環による冷却のしくみをわかりやすく説明していただけますか。

大内:Sタイプ(1ラック構成で、空調ユニットを1機搭載)は、上部に設置した空調機から冷気を前面側の下方向に向かって落とします。搭載したサーバやスイッチの機器内を通って廃熱し、それが背面から上部に帰っていくというエアフローで冷却を行っています。

ファシリティキューブにおける冷却システムの原理
ファシリティキューブにおける冷却システムの原理

村田:前から冷気を下ろしてそれを循環させている。これはエアカーテンになるので扉を開けてIT機器を操作できるというメリットがありますね。ラックマウント製品の場合は特に空調機を入れてしまうと保守のときにどうするかという課題があるんですが、その辺はよくできていると思います。
電源を落とさずに保守ができますからね。
何より、ラック内に空調機を取り込めたことで、例えば事務所に設置しても、室温の影響を受けず、また事務所の空調にも影響を与えないため、事務所の作業環境を維持し、独立したサーバ設置環境を構築することもできますね。
また、ラック内で冷・暖気の循環効率を最大限まで上げられるので、ラック内の空調機の冷却効率もかなり良くなっていますね。

エンタプライズサーバ事業本部 実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート 村田 英己の写真
村田 英己
エンタプライズサーバ事業本部
実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート

大内:従来の電源パッケージですと、電源が落ちたら人がスイッチを入れないと立ち上がらないということがありましたが、ファシリティキューブは、万一、電源が落ちてしまっても、復電すれば自動的にシステムが復旧する自動復旧機能を持たせています。また、このファシリティキューブは24時間冷却していますので、これまでのように休日や夏場の夜間の空調温度等を気にすることなく安定してご利用いただけます。

村田:以前の話ですが、あるお客様は夜帰るときに空調を切って帰ってしまうんです。でもサーバは24時間入っているので、夏場の夜になると35℃くらいの環境でサーバが動いているということがありましたが、その様な環境でも故障を気にせず、安心して使っていただけるというところでは非常にいいですね。

大内:Mタイプでは、最大5ラックの連結が可能で、左右に空調ユニットを搭載したラックを設け、ここで冗長構成をとっています。ですから、どちらかの空調ユニットが故障しても冷却機能は継続されます。またSタイプでは、万一空調ユニットが故障した場合は、オプション機能ですが、前面の扉と裏面の扉を自動的に開放することができる機能もあります。

村田:その機能を使えば、室温が動作保証内の温度であれば、空調機の故障が発生しても、お客様はIT機器を継続してお使いいただけますね。

サーバルームで省エネをするという意識の高まり

マーケティング本部 ソリューション推進統括部 環境ソリューション推進部 マネージャー 及川 洋光の写真
及川 洋光
マーケティング本部 ソリューション推進統括部
環境ソリューション推進部 マネージャー

及川:展示会でも評判がいいですよね。中小企業のオフィスや店舗など限られたスペースでも、富士通のサーバを導入しやすくなりますし、お客様の節電にも貢献しやすくなりました。

サーバルームで省エネをするという意識が高まってきたのはここ1、2年です。それまでは、サーバルームはとにかく冷やすのが当たり前という認識でした。ここへ来て電力料金の値上がりや計画停電などにより、震災以降お客様の意識がかなり高まってきたことで、今まであまり向けられていなかったところに目を向けられるようになって、改善のツールを探されている中でファシリティキューブにたどり着いたというお客様が結構いらっしゃいます。

大内:「Interop Tokyo 2011」で“BEST of Show Award”の特別賞を受賞しています。また、高いCO2削減効果が評価され、川崎市による「低CO2川崎パイロットブランド」にも選定されました。

省スペース化と省エネで大幅コストダウン!

大内:効果としては、当社比ですが、サーバルームの設置と比較して、設置スペースは、Sタイプでは72%削減、Mタイプでは38%削減しています。環境負荷の低減率でみると、Sタイプは31%、Mタイプは26%という高い削減率を実現しています。これは当社の平米当たりの賃料を基準にコスト換算しますと、省スペース化によって年間約120万円、電力コストでいうとSタイプで約22万円の削減が可能となります。

お客様ニーズはどこにあるのか

村田:Sタイプ、Mタイプというラインナップを揃えたわけですが、実際、お客様からはどういうニーズがあげられているのでしょうか。

大内:お客様からニーズとしてお話をいただいているのは、クラウド化によって、従来サーバルームの中に5ラック立っていたものを撤去することが可能なわけです。ただし、顧客情報や開発用サーバなど、一部の機種は残しておきたいというご要望があります。その際に1ラックないし2ラック相当をサーバルームに残すと、スペース的に非常に無駄が出る。そこで、5ラック相当であればMタイプ、1ラック相当であればSタイプのファシリティキューブに載せ替えることによって、省スペース化・省電力化が図れると同時に、従来サーバルームとして使われていた場所を会議室等の別の用途に有効活用することができるわけです。

ファシリティキューブのラインナップ
ファシリティキューブのラインナップ

デザイン性にも優れた超コンパクトタイプも誕生!

富士通ネットワークソリューションズ株式会社(FNETS) ソリューション開発本部 販売推進統括部 戸田 悦未の写真
戸田 悦未
富士通ネットワークソリューションズ株式会社(FNETS)
ソリューション開発本部 販売推進統括部

戸田:さらに様々な空間でご利用いただけるよう、よりコンパクトなSSタイプも新たにラインナップしました。実はSタイプの販売を行っていく中で、事務所に設置するには大きいのでもう少し小さいものを、というお客様の声もあり開発した製品です。高さもSタイプの半分のサイズとなっておりコンパクトな仕上がりになっています。

村田:高さが低くなれば、事務所に置いても圧迫感が軽減しますね。どのくらいサーバを載せられるのでしょうか。

戸田:搭載サーバのスペースとしては12Uを搭載可能で、冷却能力としては4kW。また、従来のコンセプトである防塵・防音性能を継承した上で低コスト化を実現させるために、空調ユニット部分に富士通ゼネラル製の家庭用空調ユニットを利用し産業用に作り替えることで低コスト化・小型化を実現しています。

村田:IT機器の場合一番問題は設置環境なんですね。設置場所やスペースの費用が非常に高い。これなら事務所の隅に置けるし、特にサーバルームがなくても、部門サーバだったらそれで十分。もう少し規模が大きくても、ラック1本で入るような設備だったら事務所の隅に置いていただいてもいいですよね。

戸田:S・Mタイプでは、従来のサーバルームをファシリティキューブに置き替えるというコンセプトでしたが、このSSタイプにつきましては、事務所や学校の教室などにも設置できるようにデザイン性にも力を入れました。従来ラックというと黒一色というイメージがありますが、SSタイプについては木目調のものと、白地にレッドのラインとシルバーのライン、この3種類のデザインを用意しています。

各オフィス別に選べるファシリティキューブのデザイン
各オフィス別に選べるファシリティキューブのデザイン

及川:このデザインはいいですね。お客様の心をくすぐるというか、オフィスの片隅に置いても全然違和感がないですね。

村田:サーバなどは黒っぽい高級感のある色がいいんだというのが昔からの定説でしたが、事務所に置くにはいいですよね。

戸田:利用イメージを考えたときに、事務所や病院、文教分野でも使っていただけるようにするのであれば外観も考慮したほうがいいと、社内でもいろいろ検討を重ね、このタイプに落ち着きました。

各オフィスになじむファシリティキューブの設置イメージ
各オフィスになじむファシリティキューブの設置イメージ

大内:先ほどもお話ししましたが、ラック内で循環冷却させる構造ですので、事務所に置いても廃熱を外に出しませんから、事務所の空調をわざわざ強めにする必要もありません。

及川:ラックが閉じることで防塵・防音性にも効果があるようですね。事務所環境で使う上ではポイントになりますね。

戸田:静音性については、SSタイプ単体の騒音として約37dBくらいですね。耳を澄ますと音が聞こえるくらいです。

及川:図書館が40dBくらいですから、37dBなら、普通に昼間の時間だと全然気にならないレベルですね。

バックヤードや工場、倉庫など、期待が高まる様々な活用シーン

廣瀬:防塵・防水というのはどの程度なんでしょうか。

大内:IP4X相当ですので、極端に水を吹きかけるということでなく、水が多少かかっただけなら中のサーバまで水がかかることはないでしょう。
例えばスーパーのバックヤードなどに置くと、揚げ物もあるし、水もありますが、そのくらいは大丈夫です。但し、防水機能があるというわけではありません。

廣瀬:防塵という意味では、工場系にも非常にいいかなと思います。

戸田:そうですね。塵や埃といった、周囲の環境があまりよくないところでも置けます。

IAサーバ事業本部 IAサーバ事業部 システムエンジニアリング部 廣瀬 元義の写真
廣瀬 元義
IAサーバ事業本部 IAサーバ事業部
システムエンジニアリング部

廣瀬:ものづくりの現場、機械を使って作業をするところだと、油が飛んだりしますので、そういうところでも大丈夫となれば非常に信頼感が持てます。

ファシリティキューブ(SSタイプ)の活用シーン
ファシリティキューブ(SSタイプ)の活用シーン

村田:運送会社さんだと倉庫の隅に置かれるんです。そうすると下は土とかいろいろあるんですよ。そういうところでも置けそうですね。

及川:コンパクトでオールインワン。防音・防塵性も高いので様々な活用シーンが期待できますね。

廣瀬:お客様には、病院向けパッケージとか、図書館向けパッケージ、小さな店舗向けといったパッケージ製品と併せて導入いただけるといいですね。

この章でご紹介した製品・サービス等