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省エネ対策とIT基盤の最適化、どう進めていくか? コンテナ型データセンター

場所を選ばず、短期構築、スモールスタート、抜群のエネルギー効率で
今後のデータセンター需要に応える「コンテナ型データセンター」

クラウドコンピューティングの普及、また、災害対策としてのバックアップサイトやリモートデータセンターの構築、企業内データセンターの拡張など、データセンター需要は今後ますます高まることでしょう。しかし、設置場所や建設工期、先行投資、ランニングコスト、消費電力、空調効率・性能、等々、課題も多く、必要だからすぐに作るというわけにもいきません。

そこで富士通が提案するのが、間接外気冷却方式を採用したコンテナ型データセンター「Modular Data Center」です。データセンターに必要なICT機器や空調設備、電源などの物理インフラと、データセンター運用に必要なソフトウェアをワンパッケージにした垂直統合の新しいカタチです。

[公開日 2013年1月16日]

販売終了のお知らせ

本製品は、2016年1月末をもって販売を終了いたしました。

目次

データセンターに求められる要素をコンテナというコンパクトな空間に凝縮!

間接外気冷却でPUE1.1!その環境性能とコストメリットは?

環境を選ばず 全国どこにでも設置可能という魅力

工場から直接データセンターをお届け!設置は実質1日!

小さくなっても能力3倍!もう、いままでのデータセンターでは満足できない!

保守性を捉えたアイデア空間。スペース効率に優れたスライド構造。

コンテナ内の動きや異変をしっかり監視!冷却を最適コントロールする敏腕ソフト

サーバを知り尽くしたICTメーカーがつくったコンテナ型データセンターはひと味違う

データセンターに求められる要素をコンテナというコンパクトな空間に凝縮!

-- まずは、コンテナ型データセンター「Modular Data Center」を開発した背景・経緯からお聞かせ下さい。

石垣:昨今、お客様ニーズとして多いのが、災害対策等の視点で「短期にデータセンターを構築(移動)したい」、あるいは企業内データセンターをお持ちのお客様で「サーバルームが手狭になってきたので拡張したい」「いままでより冷却効率を高めたい」といった声です。

津留:また、データセンター等のお客様のご要望をお聞きしますと、「トータルの電力を下げたい」、あるいは「中で作業される方たちの労力を軽減したい」という声も高まっています。これらの解決には、大きな建物ではなく、コンパクトな限られた空間を提供し、その中にICT機器を詰め込んでいくことで、エネルギー効率が良く、人の動きも最小限に抑えるようなソリューションが提供できるのではないかと考えました。そこで導き出されたのが「コンテナ型データセンター」の商品化だったわけです。

石垣:本体そのものと空調機4台、分電盤を含めても約5,000万円位でご提供できます。建物を建てるのに比べて安価にデータセンターを構築することができます。

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津留 清
IAサーバ事業本部
データセンタープロダクト事業部
データセンタープロダクト開発部
部長

従来型データセンターとコンテナ型データセンターの比較

津留:空調機は、1台から付けられますが、冗長構成を考えて、2台からのスタートをお勧めしています。その後、ICT機器の増加に合わせて空調機も増強していくというやり方でステップアップしていけます。

空調機を4基フル搭載したイメージ

間接外気冷却でPUE1.1!その環境性能とコストメリットは?

-- 電力会社の電気代単価が上がるという話もありますし、コストメリットも大いに期待したいところですが…。

エンタプライズサーバ事業本部 実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート 村田 英己の写真
村田 英己
エンタプライズサーバ事業本部
実装技術開発統括部
プリンシパルエキスパート

村田:重視すべきは、やはりランニングコストでしょう。ICT機器よりも、ソフトのライセンス費とファシリティも含めて維持するためのランニングコストというのが非常にかかってくる。それは台数が増えれば増えるほどファシリティも必要になる。そうすると建物を建てるのかどうかという話になる。そういうときに、このコンテナのような安価で提供できるようなものがあると非常にいいかなと思います。

-- ランニングコスト面からも環境面からも気になるのがPUE(エネルギー効率)の値。「Modular Data Center」はどうですか?

津留:データセンターのPUEは、2011年で1.84くらいでした。今回の「Modular Data Center」では、1.12くらいで年間通して運用できますので、コストメリットも大きいと言えます。

-- なぜ、それほど低く抑えられるのでしょうか?

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石垣 周一郎
IAサーバ事業本部
データセンタープロダクト事業部
データセンタープロダクト開発部
マネージャー

石垣:この「Modular Data Center」は、基本的に外気の低い温度の空気を使って冷やすという「間接外気利用型冷却方式」(以下、間接外気冷却)を採用しています。これが大きな特徴でもあります。例えばコールドアイルの温度設定を25℃に設定した場合、外気が25℃以下であれば基本的に熱交換だけで冷却を行います。内部の設定温度よりも外気が高い場合はエアコンモードで動作しますが、そのエアコンも熱交換と並行して動かしますので、実際にエアコンが稼働し続けるという状況にはなりません。

津留:東京の年間平均気温は25℃くらいですから、夏場の暑い時期ではエアコンが動いてPUEも1.4から1.5くらいまで上がりますが、秋から春季では基本的にエアコンを動かさないで熱交換だけで済ませられます。年間トータルで考えると圧倒的に外気が冷えていますので、これがトータルでPUEを1.12くらいに抑えられる大きな要因です。

熱交換(空気の流れ)

-- 具体的にはどれくらいメリットがあるのでしょうか?

津留:「Modular Data Center」の場合、中に50Uのラックが8台載るようになっていて、1ラック当たり12.5kWの能力があります。これをPUE1.84のデータセンターと、PUE1.12の「Modular Data Center」で比較すると、1ラック当たりの年間の電気代(kW当たり18円から20円くらいで換算)が、従来のデータセンター(PUE1.84)の場合約180万円くらい、「Modular Data Center」(PUE1.12)の場合約110万円くらいとなり、40%近い電力使用料の削減が可能になります。トータルするとかなりのコストメリットを発揮できると思います。

(注)大口ユーザーの場合

村田:電力使用量が減るとお客様の全体での電力使用量にもよりますが、電力会社との基本電力料金の見直しも可能になりますので、効果は更に大きくなります。

環境を選ばず 全国どこにでも設置可能という魅力

関:間接外気冷却というのは、余計な設備が要らないし、場所に依存しないという点でいいですね。外気が低いときにも効果的だし、気温が上がってもちゃんと役割を果たすというのは非常にいい方式だと思います。
磁気ディスクなどは非常に外気の環境に左右されるので、こうした環境の影響を受けずにどこにでも設置可能というのはメリットも大きいと思いますね。

津留:特に海岸とか塩害を受けるようなところ、それから温泉の近く、あと、街の中に置く場合でも、空気の汚れや臭い、粉塵や有害物質などを気にする必要もありません。

ストレージシステム事業本部 ストレージインテグレーション統括部 シニアエキスパート 関 和久の写真
関 和久
ストレージシステム事業本部
ストレージインテグレーション統括部 シニアエキスパート

関:外気のままだと湿度の制御が難しい。湿度が低すぎても静電気が起き、高すぎても悪影響がありますから。外気を使うものの、あくまで中で循環させるというこの間接外気冷却はとても安全な方法ですね。

村田:日本全国どこでも場所を気にせず設置でき、かつ、外気温をうまく使って空調効率を上げるというわけですね。

工場から直接データセンターをお届け!計画から導入までをわずか3ヵ月で!設置は実質1日!

関:設置にはどの程度の期間が必要でしょうか。

石垣:事前に基礎工事とか電源が引っ張ってあってネットワークもすぐそばにあるという状態であれば、設置そのものは実質1日あれば可能です。また、コンテナの中に既にICT機器を搭載して結線された状態でお客様のところへお届けするということを想定しています。これによりデータセンターの稼働までの日数を短縮することが可能です。

津留:従来はまず土地をならして建屋をつくってサーバを入れてというような工程でしたが、これはいわば工場からデータセンターを持っていくスタイルですので、期間は大きく短縮できます。計画から導入まで1年半くらいかかっていたものが3カ月から半年くらいで入れられる。その意味は大きいと思います。

関:工場でインストールをある程度して、それを設置できるというのは大きいですね。特にネットワークケーブルの接続など、現地でやるのは結構大変な作業ですから。

鈴木:現地での導入・運用を容易にするために、ハードウェアとソフトウェアを最適に組合せた垂直統合型製品が話題になっています。コンテナ型データセンターでは、空調などのファシリティも組合せた垂直統合ができそうです。その結果、導入・運用をさらに容易にできる可能性があります。

小さくなっても能力3倍!もう、いままでのデータセンターでは満足できない!

計画本部 開発企画統括部 プラットフォームインテグレーション企画部 鈴木 啓之の写真
鈴木 啓之
計画本部 開発企画統括部
プラットフォームインテグレーション企画部

鈴木:この「Modular Data Center」でフル実装すると相当な計算力があるのでは?ひと昔前のデータセンター1つ分くらいの能力があるんじゃないですか?

津留:そうですね。中のサーバ自身も高密度化してきて、地方の災害対策用に導入を検討されたお客様では、「このコンテナはフルにサーバを積む必要ないかもしれない」というような話もありました。かなりコンパクトで能力の高いものまで対応できるようになっています。

石垣:ひと昔前のデータセンターでは、ラック当たり3kWから4kWくらいしか電力供給できず、冷却能力もないという状態でした。「Modular Data Center」では、ラック当たり12.5kWを電力供給し、十分な冷却能力も備えています。フロア型のデータセンターよりもラック数を減らしながら集約させるということが可能です。

鈴木:今のサーバは結構電力を消費するので、実際にはラックの半分くらいしか搭載できないというデータセンターがかなり多い。だから12.5kWとなると、より高密度実装で効率がいいものになると期待できますね。

保守性を捉えたアイデア空間。スペース効率に優れたスライド構造。

八巻:コンパクトなだけに、保守作業スペースの確保も重要ですね。

石垣:保守性を向上するために用意したのがラックスライド方式です。コンテナ内に機器を搭載するときはラックを後方に、逆に後ろで作業をする場合はラックを前にスライドさせてスペースを確保することが可能です。保守作業が向上すると同時にダウン時間そのものも減り、何かあったときのお客様への影響を抑えられます。

八卷:スライドはあまり聞いたことないですね。こういう保守性を考えるというのは、やはりサーバや情報機器を扱うメーカーならではの発想だなと思いますね。

関:サービスエリアが少なく済むから、空調効率にもつながりますね。

津留:おっしゃる通りこのスライド構造が先ほどのPUE 1.84と1.12の差の一つの理由でもあるんです。

プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 八巻 孝夫の写真
八巻 孝夫
プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部

八巻:狭い空間の中なので、基本的にはホットアイルとクールアイルに分離がしやすい。それから風の流れも集中してダクト構造を組めるのでそれだけ効率は高くできるというメリットがあります。既存のデータセンターでは、いくら空調機器等をいろいろ工夫してもPUE 1.5を切るか切らないかが限界だと言われているので、それに対してコンテナで小さな空間をつくって制御するメリットというのは非常に大きいと思います。

コンテナ内の動きや異変をしっかり監視 冷却エネルギーを最適コントロールする敏腕ソフト

津留:この「Modular Data Center」用に開発された運用管理ソフトもポイントです。

石垣:「Modular Data Center」内のファシリティ及びハードウェアの監視を一通りできるようになっています。どこにどういうものが搭載されて、それがどういう状態で動いているのか、あるいは故障しているのか。それらが一目でわかるようになっています。

津留:また、「Modular Data Center」全体でどれだけ電力を使っているかを表示できます。リアルタイムにPUEの値も表示することができ、さらに、日・月・年間単位でどれくらいのところにピークがあるのかも情報としてお客様に提供することができます。

石垣:温度についても同様にログをとることで、どれくらい温度的に余裕があるのかといった情報を得ることができます。

津留:また、サーバのファンはなるべく動かさずに、ファシリティのファンを効率よく動かすことで、「Modular Data Center」全体の消費電力を抑える「省電力システム制御技術」を採り入れていきます。

運用管理ソフトウェア画面イメージ

村田:結局、空調機のファンの能力が足りないと中で熱ごもりして、温度がどんどん上がってしまう。それを温度を見ながらファンの風量をコントロールするわけですね。
つまり、ICT機器の発熱量に合わせて空調機の風量をコントロールすることで冷却エネルギーを最適化するということです。

サーバを知り尽くしたICTメーカーがつくったコンテナ型データセンターはひと味違う

村田:これまでのデータセンターの場合はICT機器が専門ではない設備メーカーが計画してつくっているわけですが、今回の「Modular Data Center」は、我々プロダクト屋がプロダクトに最適なデータセンターをつくったというところに特長があります。先ほどの保守性の話も含めて、少ないスペースでいかに効率よく運用するかということが考えられているわけです。

関:コンテナ型で、中に入る機器も富士通で、サーバ、ストレージ、ネットワークまですべてあって、それらの情報を全部集めて、最適化も非常にしやすくなっている。

村田:既存のデータセンターと違って、この「Modular Data Center」は、決まっている枠の中で、いろんな部署が知恵を出し合っていくことでノウハウをどんどん溜めていける。パラメーターが少ないので一般的なセンターに比べて、実験等のノウハウを注ぎ込んで結果がすぐわかる。さらにコンテナで得たノウハウというのを一般的なセンターに生かしていける…そういう意味でも非常に製品価値があると思いますね。

津留:そうですね。プロダクト屋として技術の粋を注ぎ込んで、コンテナを一つのICT機器と見なしてもいいくらいのところまで最終的には進化させてお客様に提供していきたいですね。