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  5. 特集 今夏以降の節電対応、どう捉える?【前編】

富士通からの環境メッセージ その先の環境アプローチが、企業の未来を拓く。特集記事 2人の環境キーパーソンが熱く語る! 今夏以降の節電対応、どう捉える? 富士通株式会社 エンタプライズサーバ事業本部 実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート(グリーンIT担当) 村田 英己 富士通株式会社 環境本部 環境技術統括部 統括部長 藤井 正隆 前編「企業を取り巻く現状と、富士通の環境への取り組み」 後編「製品の機能を知ることが、節電へのヒントや近道に」

節電は、いまや企業にとって重要なキーワード。今夏だけの問題ではなく、引き続き対応が求められます。また、電気料金を含めたエネルギーコストの上昇、環境への影響等も懸念され、企業活動にも様々な影響を及ぼしかねません。一方で、こうした節電対応や省エネ推進は、コスト削減や経営の改善につながる可能性も秘めています。
エネルギーをいかに効率的に使いこなしていくかが、今後の企業の成長のカギになるとも言えるでしょう。
これまでICTは「コスト削減」「業務効率化」を主眼に導入が進められてきましたが、これからは「節電力」「環境力」としてのICTが、企業のバリューとなります。

では、富士通のICTは、企業の節電対策・環境対応をどうサポートしていけるのか。
富士通における環境活動を技術面・政策面から支えてきた2人のキーパーソンに話を伺いました。

[公開日 2011年8月19日]

[更新日 2014年8月27日]

前編目次

エネルギーをどう使うかが、企業の成長を左右するカギ

富士通の環境への取り組みとは

ライフサイクル全体で環境活動を推進

エネルギーをどう使うかが、企業の成長を左右するカギ

-- 現在の企業を取り巻く状況はどのようになっているのでしょうか。

藤井:今やエネルギー供給が担保された時代から、エネルギーを安定確保しつつ、エネルギーが効率よく使える人が仕事ができるといった時代になりつつあります。ショートレンジでやれることはすぐにでも取りかからなければいけませんし、ロングレンジでしっかりやるものについては、そこに急にICTは投入できませんから、例えば、ものづくりであれば、プロセス全体を俯瞰し、どの工程にどれだけエネルギーが使われ、生産エネルギー効率を分析可視化するなどしながら、中長期的な視点に立ってしっかり見極めて行動に移すことが大切です。

環境本部 環境技術統括部 統括部長 藤井 正隆の写真
藤井 正隆
富士通株式会社
環境本部 環境技術統括部
統括部長

震災以降、富士通では、例えば、容易に取り組める節電として、事務所の蛍光灯を間引いたり、その他、さまざまな対策を展開し、3割程度減らすことができました。しかし、今後は電力/エネルギーの供給状況を見極めながら、いかに確保し的確に使いこなし、サービス・製品の継続的かつ確実な提供につなげていけるかが、企業の成長を左右するカギとなるでしょう。

村田:特に工場では、多くの設備を使いますが、その電源管理が煩雑になったり、運用ミスによる業務の遅延等が発生する可能性があり、そのミスを出さないために、始業時に全設備の電源を入れたり、終日電源を入れっぱなしで運用してしまうこともあると思います。

要するに使う予定のない設備の電源まで入れてしまう。特に国内企業は効率を追求し、ミスを減らすために電力をムダに使ってきているというのも事実なんです。だから新しい設備導入を考える前に、現行設備の運用改善で減らせるところがたくさんあると思います。

藤井:そうですね。だからそこにどれだけ気がついて、どれだけ要らないもの(電力)を、切れるかということです。そこにICTを活かしたい。いま富士通では、スマートコンセントというものを設置して、システムとして、各社員の席から自身の電力使用量が見えるようにしています。グループウェアのスケジュール管理と合わせて、15%節電になってますね。そうやって数値で見せた上で、次のステップを目指す。そうすると、本当の意味でムダなものが見えてきて、上手く使ってムダをなくしていこうというマインドが働く。ポジティブに節電を進めています。やはり、見えていないものは改善できませんからね。

エンタプライズサーバ事業本部 実装技術開発統括部 プリンシパルエキスパート(グリーンIT担当) 村田 英己の写真
村田 英己
富士通株式会社
エンタプライズサーバ事業本部
実装技術開発統括部
プリンシパルエキスパート(グリーンIT担当)

村田:基本は電力の見える化なんですね。それは工場も同じで、工場で電力計画を立てる際に設備などの定格電力が使用されているケースが多々ありますが、実際は設備の定格に満たない構成での使用が大半で、定格の半分も消費していなかったケースが多く見られます。それは見える化すれば、すぐわかるんですよ。見える化した結果から変動要素をマージンとして加えても、例えば空調機のチラーを3台動かすところを2台でまかなえるとか、それくらいムダがあるんです。

スマートコンセントの写真
スマートコンセント FX-5204PSとゲートウェイ FX-5250GW

-- まずは、見える化でムダをなくすことですね。

藤井:富士通が得意とするのは、測って見せて、それをどう改善につなげるかという、ICTのソリューション力による省エネ推進であり、社内実践の結果をベースに説得力を持ってお客様に展開する…そういうカタチでお客様の節電を支援できればと考えています。
現在、当社では、電力監視のための電力ダッシュボードシステムを開発し、国内73事業所の1時間ごとの電力消費量の可視化、並びに、その日の電力使用量の予測まで行えるようになり、政府からの節電要請のためのピーク電力対策に活用できるようになりました。

我々も部分ではなく製品のライフサイクルで見たときに、自分たちがやっていることの価値、お客様に提供している製品の価値、ソリューションの価値、そういうのをしっかり押さえていくというのが大切。最近私が言っているのは“エッセンシャルユース”。本当に必要なのはどこなんですか、ということ。エッセンシャルユースをちゃんと見ていかないと、闇雲にこれからは電気は使えない…

-- エネルギーと環境。これからの企業活動の重要なテーマですね。

富士通の環境への取り組みとは

藤井:そもそも富士通は、創業当初から「社会・環境」を経営の最重要項目の一つとして捉えてきた歴史があります。また、3年毎に環境行動計画を立て全社・グローバルで展開しています。現在は第6期目で、「グローバルICT企業として、「自社の事業活動」と「お客様・社会」の環境負荷の低減に挑戦する」ということを目指しています。また、中期環境ビジョンとして定めた「Green Policy 2020」では、「ICTにより削減貢献」「生物多様性の保全」「エネルギー利用効率の向上」を2020年までに達成することを目指しています。中でも、2007年には発表したグリーンICTによる環境負荷低減プロジェクト「Green Policy Innovation」は特徴的といえます。

村田:実は2007年度というのは、各社、グリーンに関して省電力を中心とした考え方を発表しています。富士通は、「By ICT」と「Of ICT」、それから製品ライフサイクル全体で環境負荷を下げていくというポリシーを打ち出したんです。各社が省エネ中心の中で、「ICT活用」というところが全然違う。お客様先での環境負荷低減に加え、提供メーカーとしての責務として、製品開発から、調達、製造、輸送、お客様が使い終わった製品のリサイクルまで、全て富士通が貢献していくという考え方を示したわけですね。そのあたりが一番特徴的なところだと思います。

-- 「Green Policy Innovation」について、もう少し教えてください。

藤井:「Green Policy Innovation」は、富士通グループが培ってきた環境保全に関するテクノロジーやノウハウを活かしたソリューションやICTインフラをお客様に提供することで、お客様や社会全体の環境負荷低減を目指すものです。この中で、「By ICT」と「Of ICT」という2つのアプローチがあります。

-- 「By ICT」と「Of ICT」とはどういうことでしょうか。

藤井:「By ICT」とは、ICTを活用することによって環境負荷低減をするということ。いままで利用されていたソリューションから新たなソリューションを導入していただくことでどれだけCO2削減効果があるかを算定するロジックをもってまして、これについて評価し、お客様にご提案することができます。「Of ICT」は、ICT機器そのものやデータセンターにおける環境負荷を低減するということで、お客様がお持ちの製品を新しいものに入れ替えたときにどれだけCO2を削減することができるかということを、仕組みをもってご説明しています。富士通の場合、特にこの「By ICT」については世界標準を目指しています。国際会議で「By ICT」を議論し、算定ルールづくりを進めています。

-- 世界標準でというところに富士通の環境に対する姿勢が感じられますね。

藤井:富士通研究所が開発した環境負荷評価手法というものがありまして、7つの要因から環境影響度合いを数値で表すというものです。アバウトな環境負荷評価ではなく、ちゃんと数値化して、それに基づいてお客様に説明をして、ご納得いただけるものを私どもとしては使っていただきたい。結果として、お客様もCO2/電力を下げることができれば、企業としては利益がでますし、繁栄できると…。

ライフサイクル全体で環境活動を推進

-- 製品のライフサイクル全体での環境活動推進という部分を簡単にご説明いただけますか?

村田:基本的にまず設計の段階から、とにかく環境配慮型の製品を開発していくということ。植物性プラスチックの採用や環境アセスメント等をしっかりやっていく。また、開発のための設備やツールについても最新のものに変えて効率を上げています。それからグリーン調達も徹底しています。製造面では、もちろんエネルギーに関しては、電気だけではなく、ガスや重油等、全てのエネルギー削減にも取り組んでいます。当然、化学物質の削減、廃棄物についても削減、あるいは有機化してリサイクルを進めるということでゼロエミッションも達成しています。製品輸送ではモーダルシフトですね。これは国土交通省のエコレールの認定を全社で受けています。また、輸送効率を上げるためにトラックの積載率を50%以上にしたり、納品用の包装材の3R化や梱包材のリサイクル性向上などを行っています。さらに、主要製品はもちろんのこと、ファシリティも含めて、お客様先での電力削減支援を進めています。トータルのランニングコストを下げるという面からお客様支援をしていくという取り組みです。また、北海道から沖縄まで国内8箇所のリサイクルセンターを運営し、業界ではトップクラスの90%以上のリサイクル率を誇っています。

製品のライフサイクル全体において環境活動を推進の図

後編 製品の機能を知ることが、節電へのヒントや近道に

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。