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LINとは

概要

LINとは、Local Interconnect Networkの略称のことで、車載LANの通信プロトコルの一種です。近年、車載LAN化のニーズが高まり、各アプリケーションに最適なネットワーク(Bus)が使われます。LINは、マスタ、スレーブ構成で使用され、マスタは通常CANに接続されることが多いです。また、LINプロトコルには、SYNC-FIELDがあり、これによりマスタのボーレートがスレーブに送信され、このボーレートでスレーブがデータ受信するしくみをもっています。LINはその特性を生かし、主にボディ系への普及が見込まれるプロトコルです。

 車載LANの種類と用途
車載LANの種類と用途

車載ネットワークのコストダウンを図ることを目的に、欧州を中心に次の自動車メーカー等7社が提唱しているシリアル通信プロトコルです。

  • AUDI
  • BMW
  • Daimler Chrysler
  • Volvo Car Corporation
  • Volkswagen
  • Motorola Inc
  • Volcano Communications Technologies

LINとは

アプリケーションモデル

LINのアプリケーションモデルをご紹介いたします。

 車載LANの種類と用途
LINのアプリケーションモデル

LINとは

特長・仕様

LINの特長

CANプロトコルと比較して、大幅なコスト削減ができます。

  1. 部品コストの削減
    • ワイヤが2本から1本へ -> 省線化による重量減少にもつながる
    • スレーブノード側の発振子をセラミック発振子からCR発振子へ
  2. アセンブリコストの削減
  3. 通信ソフト開発負荷の削減
通信ソフト開発負荷の削減

注意点としては、Oscillator Toleranceがあります。LINの仕様のSYNC機能を使用した場合に限り、Master:1.58%、Slave:Masterに対して15%、Short Time:2%となります。(Ver1.2では、Master:±0.5%、Slave:±2~15%となります。)
そのため、Masterマイコンは、セラミックor水晶振動子を使用し、Slaveには15%以内の発振を使用することが可能となります。
なお、外付けCR発振や、既存マイコンの内蔵発振で対応する場合は、15%の精度を満足できないことが多いので、ご使用前に十分に精度の検討を行う必要があります。


LINの仕様

  1. ネットワークの構成
    • シングルマスタ方式(アービトレーションなし)
    • 最大16ノード(マスタ:1ノード、スレーブ:最大15ノード)
    • プリプログラムドアドレス方式(各ノードはID固定)
  2. 伝送路(ISO9141準拠)
    • 廉価なシングルワイヤ方式
    • 最長40m
  3. 通信方式
    • UART(半2重方式、転送データ長8ビット、1ストップビット)
  4. 発振子精度
    • マスターノードは最大許容誤差1.58%以内(Ver.1.2では、±0.5%)
    • スレーブノード最大許容誤差15%以内(クロック使用時±2%)
  5. 伝送ボーレート
    • 最大~20Kbpsまで
伝送ボーレート

推奨ボーレート

低速 中速 高速
2400 bit/sec 9600 bit/sec 19200 bit/sec

データ長について

LINのデータ長は基本的に2バイト、4バイト、8バイトの転送が可能となっています。このバイト数はIDフィールドのLENGTH_CONTROLとして送信されます。


LINとは

レイヤー

LINプロトコルでは下記の3つのレイヤーに対応しております。

LINプロトコルのレイヤー

LINとは

バスレベル(ISO9141準拠)

LINではCANと同様に、データのレベルをドミナントとレセッシブといった形で表現します。
LINバスのレベルはバッテリ電圧です。

論理値 ビット値 バス電圧レベル
Dominant 0 GROUND
Recessive 1 BATTERY
ドライバ・レベル レシーバ・スレッショルド
Hign: min 80% VBAT Hign: max 60% VBAT
Low: max 20% VBAT Low: min 40% VBAT
ドライバ・レベル/レシーバ・スレッショルド

LINとは

メッセージ構成

LINはシングルマスタ方式で構成されます。
そのため、マスタがスレーブにデータの要求をすることにより、スレーブはレスポンスします。LINのメッセージフレームを下記に示します。

 LIN MESSAGE FRAME
LINのメッセージフレーム

メッセージフレームは、ヘッダーとレスポンスで構成されます。
ヘッダーはマスタタスクとしてレスポンスはスレーブタスクとして動作します。

MASTER

 LIN MESSAGE FRAME(HEDER FRAME)
LINのメッセージフレーム(ヘッドフレーム)

LINメッセージフレームのヘッダーフレームは、SYNCH BREAK FIELD、SYNCH FIELD、IDENTIFIER FIELDがあります。


LINとは

チェックサム

チェックサム

@DATA送信NODE:DATAのSUM値のINVERTEDデータ

@DATA受信NODE:Checksum+Check byte =0xFFチェック


LINとは

ボーレート

スレーブノードは下図のように、受信したSYNCH_FIELDのスタートビットの立下りエッジから4回分の立下りエッジを計測し、8で割って1BitTimeの正確な値を算出してUARTのボーレートを補正します。

 ボーレートの自動調整(スレーブノード)
チェックサム

時間を測定し、8で割って1Bit Time の正確な値を算出UARTのボーレートを補正する。


LINとは

LINのエラー種類

LINでは次表に示すエラー:6種類があります。

エラーの種類 検出ノード エラーの内容
Bit-Error マスターノード
スレーブノード
送信するユニットはバスをモニターしていて、送信したレベルとバスのレベルが異なるときに検出するエラー
CheckSum-Error マスターノード
スレーブノード
受信したデータと、受信したチェックサムを加えた結果が≠0xFFならば検出するエラー
Identifier-Parity-Error マスターノード
スレーブノード
スレーブが受信したID-FieldのParity0とParity1が、IDとDLから算出した値と異なる場合に検出するエラー
Slave-Not-Responding-Error マスターノード マスタがヘッダーフレームを送信し、最大TFRAME_MAX時間内に指定したスレーブからレスポンスが返ってこなかった場合に検出するエラー
Inconsistent-Synch-Field-Error スレーブノード SYNCH_FIELD中のボーレートの誤差が許容範囲外だった場合に検出するエラー
No-Bus-Activity スレーブノード スレーブが最後に有効なメッセージフレームを受信してからTTIMEOUT以上(25000ビットタイム)有効なSYNCH BREAKかBYTE FIELDを受信しない場合に検出するエラー

LINとは

トランシーバ

LINはISO9141に準拠するトランシーバを使用します。

代表的LINトランシーバ

Motorola MC33199、MC33290
Infineon TLE6258、TLE6259
ST L9637
代表的LINトランシーバ

LINとは

フレーム長の規格

LINの規格では、各FIELDごとボーレートのみの時間管理だけではなく、メッセージ全体の時間管理も必要になります。
そのため、UART以外に全体の時間管理用のタイマも考慮する必要があります。

LINの規格では、Header LengthとMessage Frame Lengthが決められています。

 Length of Message Frame Time
LINフレーム長の規格