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FlexRayとは

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PDF 印刷用「FlexRayとは」(416KB)

デモシステム



背景

現在、自動車のさまざまな制御を行う車載ネットワークはCAN およびLINが世界標準規格として普及しており、ボディ制御、温度調整制御、ダッシュボード制御、ナビゲーション、各種センサー制御、モーター制御、シャシー制御などに用いられています。しかし次世代の自動車として、より安全性、快適性が追求されるようになり、車内の制御システムはデータ量の増加、複雑化が進み、より高速でかつ信頼性の高いネットワークが求められています。そこで今、次世代車載向け通信プロトコルFlexRayが世界中で注目されております。

これからの自動車に求められているもの

次世代の自動車に求められるものとして、エコロジー化による燃費の向上。省スペース化を図ることで外観よりも広い車内、というような快適性の向上による運転支援。そして、安全性の向上を実現する為に複数ECUによる複合制御が求められています。これらは、きめ細かい制御へと進化する必要があり、車内のさらなる電子制御化、つまりX-by-Wire(注1)化へと進んでいきます。

automotive_needs

(注1) 油圧などの機械的な制御機能を、電子制御によって実現する技術。

新しい通信プロトコルはなぜ必要か?

  • CANネットワークの限界
    CANでの性能が限界。より高速なプロトコル要求が発生。CANは最大1Mbpsが限界です。
  • リアルタイム通信
    高い信頼性・データレートが求められています。
  • 油圧制御に替わる電気制御
    パワートレインやセーフティ系にX-by-Wireの適応が考えられています。

富士通は、2004年11月にボッシュ社よりFlexRayのライセンスを取得しました。
FlexRay IPを用いたFlexRayスターターキット(MB2005-01)の市場提供を開始し、2005年9月には、FlexRay IPを搭載したASSPを提供いたしました。
更に2006年には、当社32ビットのFRコアにFlexRay IPを搭載したマイクロコントローラーの出荷を予定しています。

また、富士通は、標準化団体であるFlexRayコンソーシアムのAssociate memberとして、更にAUTOSARやJasParにおける正規会員として標準化活動を実施しています。

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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概要

FlexRay™とは、次世代の車載ネットワーク・プロトコルの一種。高信頼でより高度な制御に対応するもので(最大通信速度毎秒10メガビット)、機械制御を電子制御に置き換えるX-by-Wire向け次世代の高度な車載ネットワークであり、Daimler Chrysler AGの登録商標です。
FlexRayは、次世代の車載向け通信プロトコルとしてFlexRayコンソーシアムにて標準化が進められています。

富士通では、このFlexRay IPを組み込んだ次世代マイコンの開発で車載電子制御の発展に貢献していきます。

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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特徴

FlexRayには大きく3つの特徴があります。

  1. X-by-Wire向けの車載LAN通信( -> CANの限界)
    • Time Trigger Protocolとして周期的転送されるData転送方式を持ちます。
    • 最大伝送レート10Mbpsの通信が可能です。
  2. 高信頼性を意識した通信プロトコル。X-by-Wireアプリケーションへの対応
    • 冗長通信。完全に二重化したネットワークの構築が可能です。
    • ハードによるスケジュール監視が可能です。
  3. 柔軟なトポロジーをサポート
    • FlexRayのトポロジーは、バス型、スター型、混在型といった多種類のトポロジーをサポートする事が可能です。
    • FlexRayのセグメント構成は、Fixed Time Trigger方式でメッセージを送受信する固定長のStatic SegmentとFlexible Time Triggerでメッセージを送受信するDynamic Segmentの組み合わせによって構成されます。
 トポロジーの構成例(混在型)
トポロジーの構成例(Hybrid)

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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車載用通信プロトコル

車載通信プロトコルの種類として情報系、制御系と大別する事ができます。

  • 情報系: 数10M~数100Mbps
  • 制御系: 数10k~数10Mbps

以下に各通信プロトコルのビットレート比較を示します。

 通信プロトコルのビットレート比較
車載用通信プロトコルにおけるFlexRayの位置付け

更に制御系は、転送レートにより、複数の用途に分別されて使用されます。

  • セーフティ系 : 数100kbps~10Mbps程度程度
  • ボディー系 : 数10kbps~1Mbps程度

上の図からわかりますように、通信速度からなるクラス分けをする事が可能であり、それによる用途も明確化する事が可能となります。
その中でもFlexRayは、CANの通信速度の限界を補い、信頼性において最も優れた通信プロトコルです。

 通信速度による用途分類
通信速度による用途分類

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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ターゲットアプリケーション

車載LANとしてFlexRayがターゲットとするアプリケーションについて紹介します。
X-by-Wireへの応用という点でカーメーカー、サプライヤーが注目する技術革新分野です。

FlexRayのターゲットアプリケーション
凡例

  1. EPS : Electronic Power Steering
    従来のパワーステアリングを電子制御化するアプリケーションをターゲットにします。
    Steer-by-Wireへの応用という点で注目する分野です。
    例えば、モーター回転によりステアリング角度制御の実施などが考えられます。
  2. ABS、VSC、VSA
    ABS : Anti-Lock Brake System
    VSC : Vehicle Stability Control (車両安定制御システム)
    VSA : Vehicle Stability Assist (車両挙動安定化制御システム)

    上記のようなBrake Systemへの電子制御応用をターゲットとして、Brake-by-WireまたはSafe-by-Wireへの応用という点で注目される分野です。
    例えば、電力制御によりブレーキパッド制御の実施などが考えられます。
  3. Steering Sensor
    ステアリングの反応と安全性を向上させる事を目的としたアプリケーションをターゲットとします。これもSteer- by-Wireという点で注目される分野です。
  4. AT : Automatic Transmission
    駆動系パワー制御として、ATは現在も電子制御燃料噴射装置、電子制御可変吸気システム、電子制御アイドリングコントロールシステムなど既存のシステムと連動してきましたが、更にアクセルとスロットルのメカニズムを電気的に置き換える事で、電子スロットル制御。つまりDrive-by- Wireという点で注目される分野です。
  5. Gateway
    FlexRayネットワークとCANネットワークの異なる信号を交換制御します。

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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Data転送方式

イベントトリガにて動作していたCANに対して、FlexRayではタイムトリガプロトコルを採用しています。
予め決められたスケジューリングにてデータを確実に転送する事が可能となります。

 FlexRayのタイムトリガプロトコル イメージ例
周期的に転送されるData転送方式

FlexRayのデータ転送はSlot内で実施されます。
例として各役割(EPS、AT..etc)毎のSlotへの対応イメードを下図に示します。

 スロットの役割りイメージ例
スロット説明

これにより、「予め決められたスケジューリングにてデータを確実に転送」する事が可能となります。

ご注意

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CANとの相違

FlexRayとCANの主要仕様における比較状況を下表に示します。

FlexRayとCANの比較

No. 比較項目 CAN FlexRay
1 ボーレート 1Mbps 10Mbps
2 1Nodeのチャネル数 1ch 2ch/1ch(オプション(1)
3 ネットワーク
トポロジー
バス型 バス型、スター型、混在
4 接続ノード(max) バスの遅延に依存 バス型(Max22Nodes)、パッシブスター型 (Max22Nodes)アクティブ・スター型、混在型(Max64Nodes)
5 物理層 メタル メタル/PoF
6 通信 イベントトリガ タイムトリガ+イベントトリガ
7 ID 11bits/29bits 11bits
8 DLC 8bytes 254bytes
9 フレーム DataFrame,
Remote Frame,
Error Frame,
Over Rode Frame
Data Frame
10 バスラインのロック Dominant lock(2)の可能性あり Badling Idiot(3)(BG(4)で対応)
11 エラー状態 ERROR ACTIVE;
正常動作
NORMAL ACTIVE;
正常動作
ERROR PASSIVE;
送受信可能、
エラーフレーム送信不可
NORMAL PASSIVE;
正常動作
BUS OFF;
送受信不可
HALT;
送受信不可
12 状態遷移管理 エラーカウンタによる管理
状態遷移する条件のカウンタ値は固定です。
送信用及び受信用のエラーカウンタを有し、それぞれ正常/異常検出によりUp/Downカウントします。
エラーカウンタによる管理
状態遷移する条件のカウンタ値はシステム設計時に決められます。
エラー状態検出用と、エラー状態復帰用のエラーカウンターを個別で制御します。
13 エラーカウンタ 状態遷移カウンタ値固定 状態遷移カウンタ値任意
14 エラーの種類 Bit Error,
Staffing Error,
CRC Error,
Framing Error,
ACK Error
クロック同期エラー
レート補正及びオフセット補正が失敗。
15 バスへのエラー通知 有り
エラーフレームを送信します。
無し
16 発振子 セラミック振動子、
水晶振動子
水晶振動子
(BGはCC(5)のクロックと分離)
17 バス監視 ソフト ハード(BD(6)、BGで行う)
18 ネットワークの同期化 sync_seg のみで同期 レート補正、オフセット補正あり
19 バス長 40m at 1Mbps Max 22m
(ノード_ノード間、Active-Star_ノード間 Active-Star_Active-Star間)

解説

オプション:
設定値による切り替えです。
Dominant lock:
Busが'0'にスタックすることです。
Badling Idiot:
不正なスロットに間違って送信し破壊することです。
BG:
Bus Guardianのことです。
CC:
Communication Controllerのことです。
BD:
Bus Driverのことです。

ご注意

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1Nodeの内部構成

FlexRayの1つのNodeは、ハード的にコントローラ部とドライバ部から構成されます。
また、ドライバ部は、「Bus Guardian」を搭載する場合としない場合で構成が異なります。
下記の図は、「Bus Guardian」を搭載している構成図です。

 FlexRayの1Node構成図(Bus Guardian搭載)
1Nodeの内部構成

コントローラ側には、ユニット全体を制御するHost、通信をコントロールするCC(Communication Controller)が存在します。
このコントローラ部から冗長構成されたドライバ側に接続されます。
ドライバ側には送信検出異常と通信遮断を実施するBus GuardianとFlexRayバスとCC間で物理的信号⇔論理的信号変換を行うBus Driverが存在します。
これらはAとBといったように2つ存在し、完全二重化したネットワークを構築する事が可能です。

ご注意

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バスドライバの動作モード

バスドライバ(BD)は、FlexRayノード・モジュールとチャネル(バス)との間の物理インターフェースを制御します。BDは、バスに差動信号の送信・受信機能を提供し、ノード・モジュールの双方向時分割多重化バイナリ・データ転送を可能にしています。

送受信機能以外に、BDは低電力管理、供給電圧の監視(電圧降下の検知)、およびバス故障の検知の手段を提供しています。更に、バス・ケーブルとECUの間のESD保護バリアにもなっています。

以下にBDの状態を説明します。

動作モードについて

BDの動作モードは、BD_Normal, BD_Standbyのモードがあり、更に製品によって、2つのオプションモードがサポートされます。

BD_Normalモード
BDは、バス上のデータ・ストリームを送受信することができます。BD INH1出力にNot Sleep信号が送られます。

BD_Standbyモード
BD_Standbyモードは低電力モードです。
BDは、バスとデータ・ストリームを送受信することができません。但しウェイクアップ・イベントを検出することができます。
BD INH1出力にNot Sleep信号が送られます。

BD_Sleepモード(オプション)
BD_Sleepモードも低電力モードです。
BDは、バスとデータ・ストリームを送受信することができません。但し、BDのウェイクアップ監視機能は動作中の状態です。
BD INH1出力にSleep信号が送られます。

BD_Receive_onlyモード(オプション)
BDは、バスのデータ・ストリームを受信することはできますが、送信する事はできません。
BD INH1出力にNot Sleep信号が送られます。

動作モードの状態遷移

動作モードの遷移は、バスドライバ‐ホスト間のインターフェースからのコマンド、ウェークアップ・イベントの検出、あるいは電圧降下状態によって発生します。
ホスト・コマンドの優先度は最も低く、電圧降下による強制遷移の方が最優先となります。

遷移 状態
1 ウェイクアップ・イベントの検出
2 ウェイクアップ・イペントまたは電圧降下状態の検出
3 電圧降下状態の検出
4-11 ホスト・コマンド
12 ホスト・コマンドまたはVBATまたはVIO電圧降下の検出
13 電源投入ウェイクアップ

ご注意

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バスドライバの電圧監視

BDは診断情報を取得する為に、電圧監視を行なっています。但し、ECU全体の安全な動作を確保する手段ではありません。
電圧降下状態の検出は遅くとも1秒以内です。

VCC供給電圧の監視

BDは、VCC入力が実装されている場合、VCC供給電圧を監視するための手段を提供する必要があります。
VCC供給電圧閾値を下回った場合に、BDは自動的に低電力モードに切り換え、BD-ホスト間のインターフェースにエラー信号を報知させます。

VBAT供給電圧の監視

BDがVBAT端子をもつ場合、この端子の電圧を監視する必要があります。
VBAT供給電圧が閾値を下回った場合に、BDは自動的に低電力モードに切り換え、BD-ホスト間のインターフェースにエラー信号を報知させます。

VIO電圧監視

デジタルIOの基準電圧としてVIO電圧が実装されている場合、BDはVIO電圧を監視するための手段を提供する必要があります。
VIO供給電圧が閾値を下回った場合に、BDは自動的に低電力モードに切り換え、BD-ホスト間のインターフェースにエラー信号を報知させます。

注意) 閾値は、製品固有に設定されます。

以下にバスドライバの監視項目を示します。

監視項目 BDインターフェースでの動作概要
BDに電圧が供給されていない。 BDは、ホストにエラー信号を報知。(*1)
すべての供給電圧で電圧降下。 BDは、ホストにエラー信号を報知。(*1)
VBAT の電圧降下。
(uVCC は利用可能)
BDは、ホストにエラー信号を報知。(*1)
BDがチャネルへの接続を解放。
(BPとBMは遮断)
製品固有。
BP回線がGNDに短絡。 製品固有。
BP回線が供給電圧に短絡。 製品固有。
BM回線がGNDに短絡。 製品固有。
BM回線が供給電圧に短絡。 製品固有。
BP回線がBM回線に短絡。 製品固有。
エラー信号回線が遮断。 BDでは検出されない。BDは、ホストがこのエラー状態を検出できる手段を提供。
エラー信号回線がGNDに短絡。 BDでは検出されない。BDは、ホストがこのエラー状態を検出できる手段を提供。
エラー信号回線がVIOまたはVCC電圧に短絡。 BDでは検出されない。BDは、ホストがこのエラー状態を検出できる手段を提供。
TxD回線が遮断。 -
TxEN回線が遮断。 -
TxEN信号が常時アサートされる。 タイムアウトに到達後、BDはホストにエラー信号を報知。
BDが過熱状態を検知。 BDは、ホストにエラー信号を報知。
2つのチャネル終端ユニットの1つがチャネルから切り離された。 -
バス負荷が高過ぎる。 -
BDが、ホストが要求するモードになっていない。 BDは、要求モードになっていないことをホストに報知。
VIOの電圧降下。 BDは、ホストにエラー信号を報知する。
接地のロス。 製品固有。

*1) エラー信号はLowでアサートされるため、電圧供給がなくても要求信号を送信可能。

*2) BDは、バス故障を検知するための手段をホスト間インターフェースにて提供しなければならない。

ご注意

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電気信号

バスは、Idle_LP、Idle、Data_1、Data_0 の 4つの状態が定義されています。
バスは、差動信号BP、BMで通信されます。各差動信号上の電圧はuBP、uBMで表されます。
FlexRayの電気信号を以下に示します。

 FlexRayの電気信号
FlexRayの電圧レヘル
  • Idle_LP状態とは、LOWパワー状態です。
  • Idle状態とは、アイドル(無通信)状態です。
  • Data_1状態とは、論理的HIGHです。
  • Data_0状態とは、論理的LOWです。
    (Data_1とData_0の衝突は許容されません)

以下は、実際のFlexRay通信信号をモニターリングしたものです。
波形データの赤い信号がBP側、緑の信号がBM側になります。

 通常のアクセス信号
通常アクセス電気信号

100MS/s 500ns/div

 Idle_LPからIdle、通信開始の信号
Idle_LPからIdleのち通信開始の電気信号

10MS/s 100ms/div

回線のハーネス、コネクタ、コモンモードのチョーク上における電圧降下、更に誘導降下マージン、及び終端で発生する不整合は信号インティグリティ上考慮すべき要素です。
そこでFlexRayでは送信側から受信側のネットワークの2つ場所において、テスト・プレーンを実施する事を最低限の条件として定めています。

  • テスト・プレーン1 : 送信ノードのバスドライバBP、BM端子。
  • テスト・プレーン2 : ネットワーク入力側のBP、BMコネクター端子。
  • テスト・プレーン3 : ネットワーク出力側のBP、BMコネクター端子。
  • テスト・プレーン4 : 受信ノードのバスドライバBP、BM端子。

個々のテスト・プレーンには、信号アイ・ダイアグラムが定義されており、テスト・プレーン差動電圧の最小アパーチャを示しています。
電圧は[mV]単位、時間はgdBitの百分率です。

 FlexRayのテスト・プレーンと信号アイ・ダイアグラム(TP1、TP4)
FlexRayの信号テスト・プレーン

ご注意

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Bus Guardian

FlexRayにおけるBus Guardian(BG)は、Communication Controller(CC)と独立してスケジュール管理を行い、データ管理を行っております。

バス・ガーディアン(BD)が通信コントローラとBDのスケジュールの間に不一致を検出した場合、BDは、ホストに対してエラー状態を送信し、以降の全ての送信動作を禁止します。

 FlexRayの1Node構成図
Bus Guardian
 FlexRayのセグメント構成とBus Guardian(BG)の有効範囲
segument

上の図は一般的なFlexRayのセグメント構成を表していますが、Bus Guardian(BG)の有効範囲はStaticSegmentのみとなります。これは、StaticSegmentではスロット長、送信タイミングが決まっておりBus Guardian(BG)で保護可能である一方、DynamicSegmentはイベントトリガー(フレキシブルなタイム・トリガ)なためにBus Guardian(BG)でタイミングを監視する事ができない事からです。
セグメント構成の詳細は「セグメント構成」をご覧下さい。

セントラル・バス・ガーディアン

セントラル・バス・ガーディアン(CBG)について説明します。

CBGは、CBGを中心にスター接続などしているFlexRayシステムにおいて、チャネル上でデータ転送を可能にします。

また、CBGはスタートアップやコミュニケーションを維持するためのフレームを維持するためのフレームを保護しますが、コミュニケーション・スケジュールを完全に保護するものではありません。

以下に、冗長化されたFlexRayネットワークにおける独立した2つのCBGのネットワーク構成例を示します。

ご注意

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トポロジー

トポロジーの型式として、バス型、スター型が存在し、それぞれにシングル・チャネル、デュアル・チャネルがあります。

  • バス型の特性
    CANと同様であり受動媒体、経験が多い、コスト効率が高いといった特徴があります。
  • スター型の特性
    Point to Point接続となる為に高速データレート向けであり、またBus短絡などの障害を抑制することが容易である特徴を持ちます。
 FlexRayのトポロジー形式と特徴
Topology概要
  • シングル・チャネルの特性
    バス型と同様にCANと同じであり、ワイヤー・ハーネスが少ない、経験が多い、またシングルで接続するためコスト効率が高いといった特徴を持ちます。
  • デュアル・チャネルの特徴
    冗長性を持たせフォルトトレラントを持てる特徴があります。

FlexRayのトポロジーとして、バス型、スター型及び、これらを複合した混在型のトポロジーをサポートしております。
最小機構ノード数は、2ノード。最小フォルトトレラントは、3ノードです。
同期ノード数は、最小ノード構成は2ノードであるがフォルトトレラントを考慮すると3ノードとなります。

Point to Point Connection

最も標準なネットワークトポロジー。
より複雑なトポロジーの構成に対する基本構成。

Linear Passive Bus

同一 Bus上に3つのノードを接続するとリニア・パッシブ・バスとなる。

Passive Star

リニア・パッシブ・バスの全ノードが単一の結合点に接続して構成する。

Active Star

アクティブ・スターによるノード間接続。

Cascade Active Star

アクティブ・スターはカスケードすることが可能。
相互にpoint-to-point結合で接続することができる。

Hybrid

それぞれの接続。楕円の組み合わせが可能。

Topologyの凡例

例として以下のようなECU(Node)の場合における終端値例を示します。

ECU(Node)抵抗値例

終端の抵抗値

コモンモード・チョーク

コモンモード・チョークとは、2つの信号線に同じ強さで反対方向の電流を強制的に流すことです。

コモンモード・チョークはBDと分割終端の間に配置され、エミッションおよびイミュニティの性能向上を実現するために使用されます。
これにより、コモンモード信号に対して高いインピーダンスを示す事ができます。
また、バス上の発振を低減させるために、寄生浮遊インダクタンスを低く設定する必要があります。

コモンモード・チョークと分割終端が存在する場合例を以下に示します。

分割終端とコモンモード・チョークを持つECU

FlexRayシステムで使用するコモンモード・チョークは以下の制約を満たす必要があります。

コモンモード・チョーク パラメータ

FlexRayネットワークのコモンモード・チョーク推奨特性

ご注意

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セグメント構成

FlexRayのセグメント構成は、Fixed Time Trigger方式のStatic SegmentとFlexible Time Trigger方式のDynamic Segmentとの組み合わせで構成されます。
また、Bus Guardianの動作を試験するセグメントとしてSymbol Window、クロック補正の為に使用されるセグメントとしてNetwork Idle Timeといったセグメントも存在します。各セグメントの特徴は以下です。

FlexRayのセグメント特徴

特徴 Slot 長/DATA長 優先順位 Bus Guardian
Static Segment タイムトリガーでメッセージを送受信 固定長 Fixed TDMAで固定 送信タイミングが固定されているためBGにより保護される
Dynamic Segment イベントトリガでメッセージを送受信 可変長 IDの小さいものが優先された順番に送信 送信タイミングが不確定なため BGにより保護されない
Symbol
Window
BGの正常性を確認 固定長 - BGにより送信がディセーブルされる
Network
Idle Time
グローバル同期処理期間 可変長 - -

Symbol Windowは、Bus Guardianが未使用の時には使われません。

FlexRayのセグメント構成はシステム仕様にあわせて以下のようなパターンで設計する事が可能です。

セグメント構成

StaticSegmentとNTのセグメントは必須構成です。

通信サイクルとセグメント/スロットの構成

冗長性を可能とするData転送が可能なため、高い信頼性を要求されるData転送も可能です。

0~63を周期とするサイクルがあります。この一つのサイクルは、

StaticSegment, DynamicSegment, SymbolWindow, Network Idle Time

の4つのセグメントで構成されます。

StaticSegment内は、固定長であるStatic Slotの整数倍で構成され、そのStatic Slot内にStatic Frameの送受信を行います。
DynamicSegment内は、固定長であるミニスロットの集合で構成され、Dynamic Slotはミニスロットの数を変更する事により可変長にする事ができます。

 セグメントとスロットの構成
通信サイクルとSegument/Slotの構成について

スロットはIdle時間とデータの送信、受信を行うFrameから構成されています。

ご注意

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プロトコル

フレームフォーマット

FlexRayのフレームは以下の特徴を持ちます。

  • ヘッダ・セグメントのHeaderCRCは、ホストによって演算し設定します。
  • トレイラ・セグメントのCRCは、ハードにより演算されます。
  • CRCはまた接続するチャネルにおいて初期値を変更し誤接続を防止します。
 FlexRayのフレームフォーマット
プロトコル:フレームフォーマット

ヘッダ・セグメント

  • Reserved bit
    将来拡張の為の予備ビットです。
  • Payload preamble indicator
    フレームのペイロード・セグメント内にベクタ情報の有無を表示します。
    Static Frame時は、NMVector指示、Dynamic Frame時は、Message ID指示します。
  • Null frame indicator
    ペイロード・セグメント内データフレームがNullか否かを示すビットです。
  • Sync frame indicator
    同期フレームの有無を表示するビットです。
  • Startup frame indicator
    フレームがスタートアップフレームかどうかを示すビットです。コールドスタートノードのみがスタートアップフレームを送信することができます。
  • Frame ID
    フレームが送信されるべきスロットを定義します。(有効範囲1~2047)
  • Length
    ペイロードセグメント部のデータ長を1/2のバイト数で指定します。
  • Header CRC
    ホストによって演算されたSync Frame Indicator,Startup Frame Indicator, Frame ID, LengthのCRC計算値が設定されます。
  • Cycle
    サイクルカウンタ。フレーム転送時間における、転送しているノードのサイクル・カウンタを表示します。

ペイロード・セグメント

ペイロードセグメントは0 から254 バイトの(0 から127 の2 バイトワードの) データを持ちます。
ペイロード長は2 バイトワードの数を持つため、ペイロードセグメントは偶数のバイトを持ちます。

  • Message ID
    オプション。ペイロード・セグメントの最初の2バイトで定義し、受信側でフィルタ可能なデータとして使用します。
  • NMVector
    オプション。ネットワーク・マネジメント・ベクタ長は、0~12バイト間で全ノード共通である必要があります。

トレイラ・セグメント

そのフレームにおいてハードにより演算されたCRC値を3バイトで設定されます。
また、接続するチャネルでシード値を変更し誤接続を防止します。

プロトコルを構成するタイミング

FlexRayのコミュニケーション・サイクルは4つのタイミング・レベルから構成されています。

 FlexRayのタイミング・レベル
プロトコル・タイミング

タイミング・レベルと機能

タイミング・レベル 機能
コミュニケーション・サイクル・レベル フレームのスケジューリング
アビトレーション・グリット 調停されたスロット(時分割多重制御)
マクロティック・レベル 同期サービス
マイクロティック・レベル 同期サービスの為に細分割したクロック

マクロティック・レベルとマイクロティック・レベルは各セグメントを構成する基準となるクロックとしての役割を担います。
このクロック単位で同期化処理などが行われます。

  • マクロティック
    クラスタ全体にわたって同期します。クラスタ内で同期しているすべてのノードの間で、マクロティックの長さは許容限度内で同じです。
  • マイクロティック
    コントローラに固有の単位です。ノード内部のローカル時間の最小単位です。
    通信コントローラの(外部)発振器のクロック単位から直接導かれる時間単位です。
    (オプションでプリスケーラを使用することもあります。)

FlexRay CCシステムタイミンング

システムタイミングの設定例を以下に示します。
それぞれのタイミングは、FlexRay CCへの単一クロック入力により供給されます。

FlexRay CCシステムタイミング
FlexRay CCシステムタイミング

FlexRayコミュニケーションタイミング


FlexRayコミュニケーションタイミング

FlexRayコミュニケーションタイミング設計における、システムパラメータの設定例です。

FlexRayコミュニケーションタイミング

25ns (Microtic) x 40MT(gdMicroPerMacroNum) = 1000ns = 1us (Macrotic)
1us (Macrotic) x 50MT(gdStatcSlot) = 50us (Static Slot)
1us (Macrotic) x 10MT(gdMiniSlot) = 10us(Mini Slot)
1us (Macrotic) x 5000uT(pMacroPerCycle) = 5000us = 5ms (Cycle Length)
25ns (Microtic) x 2000uT(pMicroPerCycle) = 5000us = 5ms (Cycle Length)

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


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状態遷移

FlexRayの初期設定からNormal通信状態までの状態遷移を以下に示します。

 FlexRayの状態遷移
FlexRay状態遷移
  1. Configuration状態(Default config / config)
    通信サイクルやボーレートなどの各種初期設定を実施します。
  2. Ready状態
    内部の通信設定を行います。
  3. Wakeup状態
    通信していないクラスタを起こすために、WUP信号を送信し他ノードをWakeupさせます。
    WUP信号を受信したノードは、WakeupしCC、BD、BGを動作可能とします。
  4. Startup状態
    クロック同期を開始し通信準備を行います。
    Wakeup後の通信が行われていない際に、ある一つのノード(リーディング・スタートアップノード)を基準にクロック同期を行います。
    また、通信が行われているクラスタには、参加するノードのクロック同期を行います。
  5. Normal状態
    通信可能状態を指します。
  6. Halt状態
    通信が停止している状態を指します。

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。


FlexRayとは

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エラー制御

FlexRayでは、3つのエラー処理レベルが存在します。

FlexRayのエラーと処理レベル

項目 ノーマル・アクティブ ノーマル・バッシブ フォルト
状態 完全なオペレーション 縮小オペレーション 停止オペレーション
フレーム処理 フレーム送受信可 フレーム送信停止
フレーム受信可
フレーム送受信停止
クロック同期 同期 同期を維持 同期外れ
アクション 完全同期維持 受信フレームを処理しクロック同期した場合は自律でノーマル・アクティブに復旧 オペレーション再開のために、リセットもしくはホストからReady状態遷移を命令

エラー状態遷移は、エラーカウンタにより管理されます。
クロック同期エラーや、クロック補正値異常などのエラーカウンタ値は、アプリケーションに依存しており、システム設計時に決めます。

 エラー状態の遷移
エラー制御

エラーカウンタによる管理は、クロック同期エラー監視動作をエラー状態検出用とエラー状態復帰用のエラーカウンタを個別で制御します。

クロック同期エラー監視動作(エラー検出)

  • クロック同期エラー検出は、クロック同期処理(レート補正&オフセット補正)に失敗した連続回数で監視します。
  • フォルト/ノーマル・パッシブ遷移条件は、ホストから設定可能です。
  • フォルト遷移への有無をホストから設定可能です。
 エラーカウンタのカウントアップと状態遷移条件
エラー検出時のエラーカウンタ

クロック同期エラー監視動作(正常検出)

  • クロック同期正常検出は、クロック補正(レート補正&オフセット補正)が成立した連続回数で監視します。
  • ノーマル・アクティブ復帰遷移条件は、ホストから設定可能です。
  • この復帰遷移条件を0にする事により、ノーマル・アクティブへの復帰を許可しない事も可能です。
 エラーカウンタのカウントダウンと状態遷移条件
正常検出時のエラーカウンタ

FlexRayとCANのエラー比較

FlexRayとCANのエラー処理比較については、「FlexRayとCANの比較」をご覧ください。

ご注意

理解しやすい様に、実際のFlexRay規格の概略のみを紹介している個所もあります。