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FRAM 品質・信頼性
ファティーグ(疲労特性)
ファティーグ(疲労特性)とは、強誘電体の分極反転動作を繰り返すうちに、分極量の減少が発生する現象です。
この分極反転に伴うファティーグは、書き込みサイクル時に発生するのはもちろんですが、読み出しサイクル時でも発生します。なぜなら、FRAMのメモリセルの読み出しはDRAMと同様に破壊読出しであるため、読み出しとその後の再書き込みの一連の動作過程で分極反転が行われるからです。
したがって、FRAMの書き換え回数の保証は、読み出し/書き込みサイクルにかかわらず、個々のメモリセルにアクセスする回数の合計で規定します。
以下にファティーグの評価方法および劣化モードについて説明します。
(1)評価方法
ファティーグの評価は、基本的には書き込みまたは読み出し動作を所定の回数繰り返すことによるファティーグ・ストレスを加え、その後もFRAMが正常な動作をするかどうかをチェックすることによって行われます。
ここでファティーグ・ストレスに要する時間を、たとえば動作サイクル時間を250nsとし、8Kワード×8ビット構成を持つ64KビットのFRAMメモリセルの場合を試算してみます。この場合、1回のアクセスで8ビットが同時にストレスを受けるため、全メモリセルが1回の書き込みを行うのに、8kサイクル必要になります。したがって、所定の回数を実施するのに要する時間は下記のとおりになります。
| 108回 | : | 250ns ×8,192 ×108 | = | 約57時間 |
| 1010回 | : | 250ns ×8,192 ×1010 | = | 約237日 |
| 1012回 | : | 250ns ×8,192 ×1012 | = | 約65年 |
以上のように、ファティーグ評価はある回数以上は、現実的に実施するのが困難になってきます。
これに対して、以下のような方法で評価時間を短縮しています。
- 電圧、温度で加速する
- ストレスを加えるセル数を限定する(サンプリング試験)
- 複数のセルに一度にストレスを加える(同測試験)
(2)劣化モード
書き込みまたは読み出し動作を所定の回数繰り返すことにより、図5に示す様な残留分極量の低下が見られます。
リテンションの減極による劣化に酷似していますが、再書き込みによって元の分極量に戻ることはありません。

図5.ヒステリシス特性のファティーグによる劣化
