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品質信頼性の保証

「質はどこでもものを云う」

質はどこでもものをいう

故 岡田 完二郎 社長
『質はどこでもものを云う』

昭和41 年に富士通独自の運動として高信頼性運動が導入された。
その準備段階で、当時の岡田社長の考えは、『コストも納期も大切だが、品質が良くなくては何の役にも立たない。
品質こそすべてに優先する』というもので、それを言葉に集約されたもの。
富士通の品質に対する頑なまでの一徹さを示す言葉です。


品質信頼性の保証

高品質・高信頼性を実現する鍵は人材の育成から

人材育成

富士通では、高品質・高信頼性を実現する最大の力は、それらを動かしている「人」であると考えています。この考えのもと、各部門・各段階ごとにハイレベルな教育・訓練を行って、高信頼性製品を作り出す土壌を育んでいます。富士通では、新しいアイデアを考案し、創造して、最新の技術情報を製品製造に活用できる「人」の育成に努めています。

全体教育・訓練体系

全体教育・訓練体系

Qfinity 活動

「Qfinity 」とは「Quality 」と「Infinity 」を合せた造語で「無限のQuality 」を追求しようというものです。本活動は、FUJITSU グループ全社員がIT を徹底的に活用して、データに基づくプロセス変革を行い、製品の機能や信頼性だけでなく、顧客対応、納期、コスト低減を含めた製品・サービスのQuality を格段に改善することにより、FUJITSU ブランドの価値を高め、お客様との信頼関係をさらに深めようとするものです。

Qfinity 活動

QC 教育・訓練

富士通の従業員は、品質管理(QC )の教育・訓練を受けています。この研修では、品質改善の為の一貫性のある目標を設定する方法を学びます。これらの教育は、製品の品質改善に役立つばかりでなく、全従業員の意欲向上にも役立っています。また、製品の各段階における定期的なQC チェックの他、それぞれの従業員が教育・訓練の成果を適用し、品質・信頼性の作り込みと異常の早期リジェクトに努めています。

品質保証部門の新入社員教育例

教育体制 項目 主な教育内容
基礎教育 会社概要 組織、品質保証部門の位置付け
LSIの概要 LSIの働き、種類/LSIの製造工程/LSIの取扱い
品質管理 品質管理の考え方/品質と信頼性の説明/検査の説明
安全衛生の説明 薬品の取扱い/作業上の注意
Qfinity 活動 活動の概要
標準化の説明 標準化の必要性/標準化の体系
品質マネジメントシステム 社内品質システム/ISO9000 シリーズなど
環境管理 ISO14001シリーズ/社内環境活動
実習 検査の実習 基礎知識の修得/仕様書に基づいた検査の実習
検査以外の実習 データの纏め方/不良解析/SPC/出来上がり管理

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の一貫した製造管理のために

品質・信頼性保証組織

デバイスの開発、技術、製造はもちろん、製造技術、部材管理に至るまで、それぞれの担当部門が担当範囲の責任を果たすことで、トータルに高信頼性半導体デバイスを供給する体制をとっています。この体制を統括するのが品質保証統括部です。さらに各製造工場にも品質保証部門が設置されており、品質保証統括部は、これらの品質・信頼性保証の統括センターとして機能しています。

担当業務

各部門は、高信頼性を保つため、次のようなさまざまな業務を担当しています。

部門別担当業務

業務 担当部門
開発段階:
  信頼性設計
  プロセス開発
  設計審査
  量産認定試験
デバイス設計/技術/品質保証統括部門
デバイス設計/技術部門
デバイス設計/技術/品質保証統括部門
品質保証部門
製造段階:
  部品材料管理
  製造工程管理
  工程間監査検査
  最終試験
  出荷検査
  設備管理
製造/試験/品質保証部門
製造/試験部門
品質保証部門
試験部門
品質保証部門
設備管理部門
工程内異常処置
故障解析
信頼性情報収集活動
製造/試験/品質保証部門
信頼性保証部
全部門

品質保証部門の組織体系

品質保証部門の組織体系

品質保証体系図

品質保証体系図

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の品質・信頼性を確保するために

品質保証プログラム

富士通では、市場調査から企画、設計、開発試作、量産に至るまでの各段階で、品質保証プログラムに従って、半導体デバイスの評価・審査を行っています。
品質の作り込みはすでに半導体製品の企画段階から始まります。市場調査を通じて解析したお客様の要求は製品企画に取り込まれ、品質に反映されていきます。
このような品質への取り組みは、これに続く設計、開発試作、量産の段階すべてを通し続けられています。

品質保証プログラムのフローチャート

品質保証プログラムのフローチャート

デザインレビュー

市場調査、製品企画、および開発計画が終わると、量産が開始されるまでの間に、開発段階のステップごとにデザインレビューを行います。富士通の品質保証プログラムにおけるデザインレビューは、企画審査(DR0 )、技術審査(DR1 )、量産移行審査(DR2 )、量産開始審査(DR3 )、および 量産安定性審査(DR4 )の5ステップで構成されています。

審査 内容
企画審査
(DR0)
新製品に使用されるプロセス、回路、材料、および設備を検討するもので、同時にDR1~3のスケジュールが決められます。企画審査の結果によって、製品の特性および品質の基本設計が決められます。
技術審査
(DR1)
試作回路が評価され、基本設計が決定されます。技術審査は、この基本設計を検討して、開発技術が適切であるかどうかを確かめるものです。
量産移行審査
(DR2)
試作品の評価が終わると、量産移行審査が開始されます。この審査は、試作品評価で得られた結果を確認するものです。また、この審査によって、量産試作に必要な仕様が確認され、量産工場への移管が行われます。
量産開始審査
(DR3)
量産を開始する前に、量産試作品を使用して、製品の特性評価と量産認定試験が行われます。量産開始審査は、量産認定試験で得られた結果を確認し、さらに量産に必要な仕様と設備の確認が行われ、量産が決定されます。
量産安定性審査
(DR4)
初期量産品の初期流動管理結果、工程内の障害情報、お客様での障害状況などをもとに工程へのフィードバックを行います。また、次開発品のデザインレビューへのフィードフォワード内容を決定します。

製品企画の検証

新製品の企画と開発に先立って、詳細な市場調査を行います。この調査によって、製品の使用方法、必要な特性、および目標品質、目標信頼度などが決められます。このようなプロセスで決定された製品の企画と開発計画は、DR0 の段階で審査されます。

技術/基本設計の検証

新製品に使用される技術は、製品の基本設計および試作回路で評価されます。これらの基本設計および試作回路は、最終的にはDR1で審査されます。
審査で得られた結果に基づいて、技術および基本設計に関する技術フィードバックが行われます。

FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)

製品設計、工程にFMEA を取り入れ、起こりうる故障とその原因を影響度、発生度、検出度の3 項目を10 点法で評価し、それぞれを掛け合わせた数値をリスク指数(重要度)とし、数値の高い項目から対策を行います。
FMEA の実施は、予測した故障に対して対策処置が実施されていることの確認になり、是正、予防処置に役立っています。

FMEAシート

品質信頼性の保証

品質と信頼性の追求
半導体デバイス製品の品質・信頼性を確保するために

開発試作における評価(1)

基礎評価試験

新しいテクノロジの開発において、信頼性を確保できるように基本的な故障モードごとにTEG(注)を用いて信頼性評価を実施します。評価はトランジスタ関係と配線関係について実施しています。

(注)TEG (Test Element Group) :特定故障モードに着目した評価用単体素子の集まり。

価項目 設計要素 加速要素
エレクトロマイグレーション
[Electro migration]
配線材料、構造、電流密度 電流密度、温度
ストレスマイグレーション
[Stress migration]
配線材料、構造 温度、応力
ホットキャリアインジェクション
[Hot Carrier Injection]
トランジスタ構造、不純物濃度 電界
酸化膜強度
[Gate Oxide Integrity]
構造、酸化膜特性 電界、温度
 基礎評価試験装置
基礎評価試験装置

技術試験

試作の早い段階において、技術的な問題を早期にチェックし、量産前にフィードバックを行うため、実製品に近いTEG などを使用した信頼性評価を必要に応じて実施します

実装評価

一般的にプラスチック・パッケージ品は樹脂部が吸湿した状態で実装時の熱ストレスが加わると、パッケージクラックなどが発生することがあります。富士通では、表面実装型パッケージに対して、パッケージ構造および構成する部材の組み合わせごとに審査を行い、必要に応じて吸湿後における耐熱ストレス性の評価を行います。その結果より、パッケージごとに実装ランクを設定し、実装時の熱ストレスに対する推奨実装条件としてお客様に提示しています。

量産認定試験

富士通では、製品の信頼性に影響のある技術的項目に注目し、その項目の新規性、組み合わせなどを考慮して製品のグルーピングを行い、そのグループごとに代表できる製品や実製品に近いTEG を用いて、信頼性評価(量産認定試験)を実施しています。

代表製品の信頼性評価について

製品のグルーピングおよび代表製品を決める際は、製品に使用されている以下の内容について検討を行って決定しています。

  • プロセス技術
    • デザインルール
    • 使用材料
    • 構造
  • 組立パッケージ技術
    • デザインルール
    • 使用材料
    • 構造
  • 回路技術
    プロセス技術と組立パッケージ技術の組み合わせ

また、信頼性試験項目および試験個数については、技術の新規性や評価目的に応じて決定しています(下表参照)。

試験項目および試験個数(例)

新規プロセス技術立上げ 回路技術単位 プロセス技術と組立パッケージ技術の組合せ 組立パッケージ技術
高温連続動作(注)125℃ 77×3lot 77×1lot Option 31×1lot
高温高湿動作(注)85℃, 85%RH 46×3lot 46×1lot Option 18×1lot
温度サイクル(注)
-65℃~150℃
46×3lot 46×1lot 18×3lot 18×3lot
PCT(注)121℃, 100%RH 46×3lot 46×1lot 18×3lot 18×3lot
PCT-Bias 121℃, 100%RH 26×3lot 26×1lot Option 11×1lot
低温動作 -55℃ 26 (Option) 26 (Option) 11 (Option) 11 (Option)
高温放置 150℃ 26 (Option) 26 (Option) 11 (Option) 11 (Option)
熱衝撃 0℃~100℃ 26 (Option) 26 (Option) 11 (Option) 11×1lot
機械的環境 - - 11 (Option) 11 (Option)
静電破壊強度-1
(マシンモデル)
3 3 - -
静電破壊強度-2
(人体帯電モデル)
3 3 - -
ラッチアップ 3 3 - -
温度特性評価 2 2 - -

(注)表面実装型パッケージの場合は、試験前に実装を想定した熱ストレスを加えています。


品質信頼性の保証

品質と信頼性の追求
半導体デバイス製品の品質・信頼性を確保するために

開発試作における評価(2)

スクリーニング

一般的にLSI の故障率は、図1に示すように「バスタブ曲線」で表されます。製造工程中の各段階で品質の作り込みおよび種々の試験や検査により、内在する故障要因はほとんど除去されますが、それでも一部は残る可能性があります。
富士通の信頼性スクリーニングでは、製品を出荷する前にダメージを与えない程度のストレスを加える事により、潜在的な初期故障を除去しています。
設計ルールがサブミクロン化した現在、スクリーニングは、これらの初期故障を取り除く有効な手段として効果を発揮しています。

バーン・インについて

信頼性スクリーニングの実行手段としてバーン・インがあります。製品は、立ち上げ時期に初期故障が含まれている場合があり、これらの初期故障を市場に出さないためにバーン・インによるスクリーニングを実施し出荷しています。工場では、日々品質が作り込まれ、バーン・インでの故障率が低減し、初期故障がほとんど含まれなくなった時点で、バーン・インを省略していきます。省略後は製品の品質を確認するため、定期的に抜き取りバーン・インを実施しています

バーン・イン装置

信頼性モニタリング試験

量産に移行すると、量産品の品質と信頼性の安定性を定期的に確認するため、信頼性モニタリング試験を実施します。
この試験は、ウェーハプロセス工程と組立工程について、製造ラインごとに代表品種を選んで実施します。

信頼性モニタリング試験 試験項目および試験個数(例)

ウェーハ
プロセス
組立
(PLASTIC PKG)
高温連続動作 150℃ 46 -
高温高湿動作 85℃/85%RH or PCT-Bias 121℃, 100%RH 26 -
温度サイクル -65℃~150℃ 46 46
PCT 121℃, 100%RH or PCT 134℃, 85%RH 46 46

FIT Rate

JIS Z8115.F26 では、故障率を「ある時点までに動作してきたアイテムが、引き続く単位時間内に故障をおこす割合」と定義しており、製品故障の時間推移は、図1.のようなバスタブ曲線で表され、それぞれの時間推移によって、初期故障期、偶発故障期、磨耗故障期としています。

一般的にLSI の故障率は、偶発故障期間の故障率で表されます。当社では、量産認定試験、信頼性モニタリング試験等の加速試験の結果より図2 による算出式を用いて、実使用環境における予測故障率を算出しています。

 図1 バスタブ曲線
バスタブ曲線
 図2 故障率算出方法/酸化膜の経時破壊モード(例)
故障率算出方法/酸化膜の経時破壊モード(例)

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の品質を確保するために

品質プログラム

半導体デバイスの高品質を確保するために、各工程ごとに検査を実施しています。すべての製品が、設計時に意図した品質と信頼性を得られるように、製造工程において広範囲の工程管理と検査を行っています。
また、これらの結果は統計的手法を用い、工程にフィードバックを行っています。

品質管理フローチャート(例)

品質管理フローチャート

受入検査

品質保証部門は、部品材料を購入する時に受入検査を実施し、富士通の購買品の品質が確保されているかを確認します。

工程内検査

製造部門は、各製造工程ごとに管理基準を設定し、定期的に検査を実施しています。この検査結果の迅速なフィードバックによって、部門全体の品質意識の維持・向上に努めています。検査はロットごとに実施するものと、製造ラインごとに定期的に実施するものがあります。

工程内監査検査

品質保証部門は、主要な製造工程ごとに検査を行います。これにより次工程への品質の保証を行います。

統計的工程管理(SPC )

製造工程において特に重要になるパラメータについては、統計的工程管理(Statistical Process Control:SPC)を行っています。技術部門では製品の保証すべき品質を確保するための規格値を設定し、製造部門では製造装置の使用条件を考慮して管理値を設定します。量産に入ると管理図を用いて測定データをプロットし、製造の安定性および工程能力のチェックを行います。
重要なパラメータとしては、膜厚、モニタ特性、ボンディング強度、電気的特性、歩留りなどがあり、これらのデータは自動的にチェックされます。

検査装置

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の品質・信頼性を維持するために

品質と信頼性のためのサポート(1)

半導体デバイスの生産では、製品の検査と試験が極めて重要な部分を占めています。しかし、それだけでは高品質と高信頼性を保証することはできません。製造工程における環境や設備に対する管理も同じ位に重要です。

設備管理

製造設備の管理も、高品質を維持するための重要な項目の一つです。富士通では、製造設備を、厳しい管理規格に従って定期的に検査しています。また、各工場の設備技術部門は、試験や検査に用いられる計量計測器類を定期的に校正しています。校正結果は管理台帳に記録されるとともに、各機器に次回校正期限を記入したラベルを貼り、設備管理に万全を期しています。
これらの計測機器の校正は、熟練した専門スタッフによって行われ、校正に使用される標準器は、国家標準に対するトレーサビリティ体系に従って校正されています。

設備管理
計測標準トレーサビリティ体系

測定システム解析(MSA)

検査・試験装置の管理
半導体デバイスが要求事項に適合していることを実証するために、試験・検査で使用される計測器・試験機に対し、その導入時から日常管理、定期校正の実施を通して適正な状態を管理しています。

  • 日常点検と定期校正
    定期校正の周期は6 ヶ月から24 ヶ月の間で計測器ごとに定められています。
    これら計測器は国家標準にトレースしています。
    日常点検も装置ごとに周期を決め管理しています。
  • MSA(Measurement System Analysis)
    富士通では特に重要な計測器に対して、潜在する変動を解析するためにMSA(Measurement System Analysis)を実施しています。
    特にGage Repeatability & Reproducibility(反復性と再現性)とそれを工程能力と整合させ実施しています。

環境管理

製造環境は、LSI の品質と信頼性に大きな影響を及ぼします。富士通では、安定した品質を維持するために、製造の各工程に応じて、温湿度、塵埃、純水に厳しい規格を設定し、随時モニタしています。また、製品の保管についても温湿度の規格を設定して管理しています。

環境管理

静電気(ESD)管理

一般にLSI 製品は、構造上、静電気に対して極めて敏感です。そのため、できるだけESDに強い設計にしていますが、さらに、製造工程全体を通じて静電気を抑えるための様々な対策を講じています。

出荷管理(吸湿管理)

表面実装型パッケージは実装時において、パッケージ樹脂への吸湿による影響を受けやすいため、実装ランクに応じて防湿梱包を施しています。また、実装ランク情報をラベル表示にて提供できるように推進しています。

静電気 (ESD) 対策(例)

ウェーハプロセス工程 組立工程 試験工程
作業床 表面抵抗率1×105~1×1010Ωの静電気対策床材、または、静電気対策マットを接地して使用。
作業机 表面抵抗率1×105~1×1010Ωとなる作業面を、接地して使用する。
作業椅子 アースまでの抵抗値が1×105~1×108Ωの作業椅子を使用する。
台車
(静電気保護を実施していない製品を運搬する場合)
ウェーハの帯電電圧:±300V以下に管理された台車を使用する。 棚板に静電気対策マットを貼り、床にアース線を接触させて使用する。
アースまでの抵抗値1×105~1×1010Ω
収納棚 ウェーハ収納BOX に収納して保管する。
棚は接地するか帯電電圧が20kV以下にする。
表面抵抗率が1×105~1×1010Ωとなるように対策した棚板を接地して使用する。
作業着,防塵着 静電気対策の実施されている衣類を着用する。
表面抵抗率:1×105~1×1011Ω
以下の仕様の静電靴を使用する。
表面抵抗率:1×105~1 ×1010Ω
リストストラップ - 以下の仕様のものを使用する。
アースまでの抵抗値1×105~1×107Ω
指サック - 以下の仕様のものを使用する。
表面抵抗率1×105~1×1010Ω
手袋 帯電しにくい素材のものを使用する。
表面抵抗率:1×105~1×1011Ω
設備 電源を使用する設備は接地して使用する。

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の品質・信頼性を維持するために

品質と信頼性のためのサポート(2)

部品材料および取引先の管理

製品の品質の作り込みは、部品材料の段階から始まります。したがって、その選定にあたっても細心の注意を払っています。
部品材料の選定は、次の3 段階で行われます。

  1. 技術部門が物理・化学的特性を調査し、製品についての基本的な調査を行います。
  2. 品質保証部門が信頼性の評価を実施します。
  3. 部品メーカーの監査を行い、品質の良いメーカーを認定します。また、その後は定期的に監査を行い品質の維持・向上に努めています。

工程内異常の管理

製造工程において品質・信頼性に影響を及ぼす問題が生じた場合は品質保証部門が主導し、速やかにその原因を究明し、対策を講じます。また品質保証部門は、これらの対策が有効であるか確認をします。

工程内異常処理フロー

設計変更および工程変更

設計および工程の変更を行う場合、変更の起案元、品質保証部門および関係部門で審査会を開催し、変更内容の検討を行います。必要に応じて信頼性評価などを実施し、現状品と比較して品質・信頼性に差が無いことを厳密にチェックします。重要な変更については品質保証責任者が最終的に承認するシステムとしています。
また、すでに品質・信頼性に対して影響が無いことが判った変更内容については起案部門で判断できるようにし、合理的に変更できるようにしています。
お客様へは、品質・信頼性、電気的特性、外形寸法、外観、使い勝手に関わる内容について事前に変更通知を行います。

設計変更および工程変更フロー

トレーサビリティ

市場や工程内で品質問題が発生した場合に製造履歴を追跡できるよう、材料・部品の受入れから出荷までの全工程において識別を行い、製造上の履歴を取得し、記録・保管しています。
製造履歴はウェーハプロセス工程から組立・試験・出荷まで一貫してデータベース化し管理しています。
製品出荷時には「マーキング」を行い、製品と製造履歴の対応がわかるようにしています。

継続的改善の実施

品質、コスト、納期に対する継続的改善計画を設けて、当社の持てるテクノロジと創造力を発揮し、推進しています。品質・信頼性を高めることに総力を結集し、お客様のご要求に応えていくための総合的な品質改善運動を展開しています。

  1. 工程内データを用いた改善
  2. お客様からの意見

改善計画を実施する場合は、統計的手法、QC 手法などを活用し、実施しています。
また、お客様の満足度調査を定期的に実施し、今後の改善計画に盛り込むことにしています。
さらに、継続的改善計画に対し、事業目標を設定しこれらの達成に向けて展開を行っています。

マーキング(例)

品質信頼性の保証

半導体デバイス製品の品質・信頼性を維持するために

品質と信頼性のためのサポート(3)

内部品質マネジメントシステム監査

各工場ごとに、品質保証部門が中心となり、品質管理状況を定期的に監査します。
チェック項目の例として、次のようなものがあります。

  • 工程内検査(受入れ検査、出荷試験を含む)
  • 認定、品質確認システム
  • 教育、訓練
  • 記録管理

外部認証機関による認証取得

富士通はISO の審査登録制度に対し以下のように認証を取得しています。

ISO9001取得状況

工場名・事業所 認証機関 取得日 認証番号 対象品目
電子デバイス部門
あきる野
三重工場
会津若松工場
岩手工場
JQA 2003年12月5日 JQA-QMA10719 集積回路
富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ(株)
本社・会津工場
宮城工場
岐阜工場
九州工場
JQA 2004年11月26日 JJQA-QMA11777 集積回路
富士通ヴィエルエスアイ(株) JQA 1994年11月11日 JJQA-0662 集積回路
富士通デバイス(株) JQA 1995年5月12日 JQA-0873 集積回路

ISO/TS16949取得状況

場名・事業所 認証機関 取得日 認証番号 対象品目
岩手工場 JQA 2003年12月5日 JQA-AU0010 集積回路
富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ(株) JQA 2004年11月26日 JQA-AU0072 集積回路
 品質システム登録証
品質システム登録証

環境活動

「自然と共生する"ものづくり"」という考えのもと、環境問題を経営の最重要課題の一つとして位置付けています。この考えをより明確にコンセプト化し、策定した「すべてをグリーンに」をもとに、製品の研究・開発からリサイクル・廃棄に至る事業活動の各段階で持続可能な社会の実現を目指すため、以下の地球環境保全の取り組みを推進しています。

すべてをグリーンに
  • 各工場環境経営報告書(環境会計の導入)
  • グリーン製品の開発生分解性プラスチックの実用化、鉛フリー)
  • 廃棄物減量化対策(ゼロエミッション)(注)
  • グリーンプロセス(グリーンプロセスの導入)
  • 省エネルギー対策(NAS電池システム)
  • 化学物質対策(化学物質の排出削減)
  • グリーン調達(RoHS:欧州有害物質使用規制対応)

(注)ゼロエミッションの定義:すべての廃棄物を100%有効利用することにより、埋め立て廃棄物及び単純焼却廃棄物をゼロにすること。

外部認証機関による認証取得

富士通グループでは、国際規格ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、グループ一体となって持続的・継続的な環境改善活動を行っています。2004年3月には、富士通全社一括で認証を取得しました。

ISO14001所得状況

工場名・事業所 認証機関 取得日 認証番号
電子デバイス部門
あきる野
三重工場
会津若松工場
岩手工場
JACO 1995年9月12日 EC98J2005
電子デバイス部門
富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ(株)
本社・会津工場
宮城工場
岐阜工場
九州工場

品質信頼性の保証

多様なニーズに対応するために

用途に応じた製品の提供

現在、半導体デバイスは様々な分野で使われており、お客様からのご要望も多様化しています。富士通LSI 製品は、使用用途に応じた品質の製品提供をするため、品質グレードを設定しています。また、お客様の実装条件に応じた出荷形態など、多様なニーズに対応し、目的に合った製品を提供いたします。

品質グレード

富士通LSI製品は要求品質に応じた品質保証プログラムにより、3段階の品質グレードに分けています。富士通LSI製品を特殊用途向けに使用される場合は、営業部門へ御相談ください。

品質グレード

Foundry 受託

富士通では、1980 年代よりウェーハプロセスファウンドリ サービスを提供しており、数多くのお客様に富士通のLSI テクノロジを利用していただいております。

ウェーハプロセスファウンドリ サービス

ベアチップ品

ベアチップ品

通常のLSI 製品は、お客様で取り扱いしやすいようにパッケージングして出荷していますが、軽量化・実装面積の縮小などの目的のため、ご要求に応じてパッケージングせずにチップ状態で提供するのがベアチップ品です。
ベアチップ品は通常の製品と比べて、取り扱い方法によっては品質・信頼性を損なう恐れが高くなりますので、お取り扱いにはご注意願います。
また、お客様にて実装された後に故障を検出する試験やスクリーニングを実施されるなど、お客様の方でも品質・信頼性についてご留意願います。


品質信頼性の保証

お客様に満足していただくために

お客様サービスおよびサポート

富士通では、お客様に満足していただける製品を安定供給するために、きめ細かなサポートを行っています。
具体的にはお客様で発生した不具合を徹底して解析し、原因の究明・対策の横並び展開による不具合の再発防止を行い、状況ならびに対策についてご報告しています。
お客様での不具合品の解析情報は信頼性改善のための直接の指針となるため、常に大きな力を注いでいます。
また、品質・信頼性のデータサービスやお客様による監査への対応など、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。

 各種解析装置
各種解析装置

品質・信頼性データサービス

お客様における製品認定・品質/信頼性の確認をサポートするため、品質・信頼性データを迅速にご提供するための体制を構築しています。
ご提供しているデータは以下のようなものがあります。

  • 製品認定試験データ
  • 信頼性モニタリング試験データ(代表品種による定期的な信頼性データ)
  • 出荷検査データ
  • その他

お客様による監査(訪問)

お客様による工場監査は、お客様と富士通との友好的な信頼関係の構築に重要な役割を果たしていると信じています。富士通では工場を訪問されるお客様を積極的に受入れ、より緊密なコミュニケーションの中からご要望をお伺いし、製品の製造に取入れていくことが、お客様に満足していただける製品の提供に繋がると考えています。

不具合品の故障解析

お客様で発生した不具合を徹底して解析し、対策の横並び展開による不具合の再発防止と、より有効な解析情報のフィードバックを行います。このフィードバックは、信頼性改善の直接の方針となるため、常に大きな力を注いでいます。
お客様からのクレームは、まず当社の営業部門が扱います。次に、信頼性保証部が電気的、物理的に原因を解析します。この解析には、EMS やSEM 、FIB などを利用しています。これらの解析結果に基づき、技術部門、製造部門で対策が講じられます。
また、問題点を是正するために、問題点の発生した工場ばかりでなく、富士通の製造現場すべてに対して対策の横並びを行っています。

  1. 不具合品に関する情報提供
    不具合品の故障解析におきましては、不具合発生状況の情報量が多いほど故障解析の確度が上がります。このため、お客様には不具合に関する詳細な情報提供をお願いしています。
  2. 不具合品返却時の注意
    不具合品を返却していただく際には、輸送中のストレスによるリード変形等、外観上の不具合内容による状態変化を避け、できるだけ不具合発生時の状態を保った状態で返却していただきますよう、ご配慮願います。
  3. クレーム対応期間(標準)
    クレームが発生し、信頼性保証部が受付けてから、中間報告は2日間、最終報告は2 週間を目標に回答しています。

クレームの処理フロー