
FRAMは、高速書込み、低消費電力、高書換え耐性を特長とする不揮発性メモリです。富士通セミコンダクターでは、汎用単体メモリ、FRAMマイコン、RFID用LSIなどのFRAM製品をご用意しております。
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FRAM(Ferroelectric Random Access Memory)はFeRAMとも呼ばれ、強誘電体薄膜(Ferroelectric film)をデータ保持用のキャパシタに利用した不揮発性メモリです。
FRAMは、ROMとRAMの両方の性質を併せ持ち、高速書換え・高書換え耐性・低消費電力・耐タンパーといった多くの特長があります。
下図に強誘電体の典型であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の結晶構造を示しました。格子の中にZr/Tiイオンが置かれていますが、このイオンは二つの安定点を持ち、外部の電界によってその位置を変える性質(分極作用)があります。さらに、一度どちらの点に位置すると電界を取り去っても位置が変わることがありません。つまり、分極状態が記憶されます。上下に電極を設けてキャパシタを構成し、電極電圧と分極量をプロットすればヒステリシス(履歴)が得られ、“1”、“0”を記憶できることになります。分極による記憶状態は安定です。


既存のメモリと比較して、FRAMは以下のような特徴があります。
表1はFRAMと他メモリデバイスと比較したものです。
| FRAM | E2PROM | Flash | SRAM | |
|---|---|---|---|---|
| データ保持 | 不揮発性 | 不揮発性 | 不揮発性 | 揮発性 |
| セル方式*1 | 1T1C/2T2C | 2T | 1T | 6T |
| 書換え方法 | 重書き | 消去+書込み | セクター消去 +書込み |
重書き |
| ライトサイクルタイム | 150ns*2 | 5ms | 10µs | 55ns |
| 書換え回数 | 1012(1兆回*3)*2 | 106(100万回) | 105(10万回) | 無制限 |
| 書込み動作電流 | 5mA(Typ.)*2 15mA(Max.)*2 |
5mA(Max.) | 20mA(Max.) | 8mA(Typ.) |
| スタンバイ電流 | 5µA(Typ.)*2 50µA(Max.)*2 |
2µA(Max.) | 100µA(Max.) | 0.7µA(Typ.) 3µA(Max.) |
*1) T=トランジスタ。C=キャパシタ
*2) 256Kb FRAM汎用単体メモリのスペック
*3) 読出しと書込みの合計回数
富士通セミコンダクターでは、不揮発性・高速書換え・低消費電力・書換え回数が多い、といったFRAMの特長を活かした汎用単体メモリを商品化しています。携帯機器・事務機・デジタル家電・金融端末・その他多くの分野でお使い頂けます。

富士通セミコンダクターではRFID用LSIとして、これまで13.56MHzのHF帯、そして860~960MHzのUHF帯の製品を開発製造しております。その最大の特長は、強誘電体メモリFRAMを搭載しているということであり、高速書込み・高書換えという特性を活かし、大容量のデータキャリア型パッシブRFID用LSIとして国内外に幅広く展開しています。



富士通セミコンダクターでは、ICカードなどセキュリティ用途で実績のあるFRAMを用いた機器認証向けICをご用意しています。
MB94R330は、不揮発性メモリセルを形成する強誘電体プロセスとシリコンゲートCMOSプロセスとを用いた認証ICです。MB94R330は2線式シリアルインタフェース(I2Cバス)をベースとした独自の通信プロトコル、暗号ハードマクロおよび独自コアを搭載しています。
電子機器本体(例:プリンタ、複合機など)で使用する周辺機器(例:カートリッジ、トナーなど)の偽造品の検出に適したICです。電子機器本体と周辺機器との間で、チャレンジ&レスポンスによって認証を行い、純正品と偽造品の判別が行えます。
MB94R330ファクトシート
上記製品に限らず、お客様のご用途に合わせカスタムのご要求にも柔軟に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さい。


FRAMはCMOSプロセスとの混載が容易なため、CMOS性能を落とすことなくロジック回路やアナログ回路との1チップ化が可能です。
富士通セミコンダクターではこの特長を活かし、上記RFIDタグ用LSIやICカード用LSIなどの各種FRAM混載LSIを製品化しています。これら既存製品のカスタマナイズをはじめ、お客様の個別のご要望に応じて、当社ではRAMとROMの長所を兼ね備えたFRAMを搭載カスタムLSIをご提供いたします。
FRAMを内蔵することで、RAMとROMの区別が不要となり、開発負荷の軽減、利便性の向上が実現できます、また、当社ASICと同様の設計環境が利用できるためROM・RAM・暗号マクロ・MCUコアなどの各種IPを搭載することが可能です。

FRAM内蔵カスタムIC

FRAMマクロ活用用途
FRAM内蔵カスタムICは、FRAMの特長を生かし、セキュリティ機能の内蔵や識別情報・環境変数の格納など家電・事務機・携帯端末をはじめとする様々なアプリケーションでご利用頂けます。
シリアル/パラレルFRAMをラインアップし、幅広い用途に対応します。
| 型格 | 無線周波数帯 | インタフェース | 変調方式 | メモリ容量 |
|---|---|---|---|---|
| MB89R118C | 13.56MHz | ISO/IEC 15693, 18000-3 | ASK 10%, ASK 100% | 2Kバイト |
| MB89R119B | 13.56MHz | ISO/IEC 15693, 18000-3 | ASK 10%, ASK 100% | 256バイト |
| MB97R803/4 | 860-960MHz | ISO/IEC 18000-6C | DSB-ASK, SSB-ASK, PR-ASK | 4Kバイト |
FRAMは、強誘電体膜を利用したデバイスであるため、一般的な半導体デバイスに必要な信頼性に加え、強誘電体膜の信頼性にも配慮する必要があります。強誘電体膜の信頼性の問題として分極量低下があります。
リテンション(データ保持特性)やファティーグ(疲労特性)の影響により、分極量の低下が起こります。当社では上記のようなFRAMの信頼性に関し、TEG(Test Element Group)や製品により評価を行い、耐性確認しております。
詳細については「FRAMの品質・信頼性保証」をご覧ください。
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当社では、FRAMの研究・開発から量産まで一貫して行っています。1999年の量産開始以来、既に多数のFRAMを生産・出荷しております。FRAMの製造は、前・後工程とも、当社及び関連会社で行っており、高い品質のFRAM製品を安定的に供給することが可能です。
当社独自の強誘電体キャパシタ成膜技術、強誘電体キャパシタ加工技術、及び配線と層間膜形成に起因する強誘電体キャパシタの劣化抑制技術を開発することにより、高品質のFRAM製品の製造を可能としています。

1984年10月に操業を開始、先端ロジックLSIおよび基盤ロジックLSIの製造(前工程)を担う、富士通セミコンダクターの主力工場です。三重県桑名市に位置する307,000m3の敷地内には、200mmと300mmラインがあり、2005年4月に300mmウェーハ製造のための第1新棟、さらに2007年に300mm第2新棟を稼動しております。三重工場は、グリーンファクトリーのフラッグシップとして、ハイブリッド免震構造やNAS電池システムの導入、ゼロエミッションの実現など、環境対策のための様々な先進的な取り組みをしていることが特徴です。

1978年10月に操業を開始、基盤ロジック製品の量産工場であり、保有する最先端LSIパッケージ技術をベースに、サーバ、ネットワーク向けのハイエンド、パッケージからデジタルAV、携帯電話、車載関連向けの汎用、複合パッケージまで豊富なラインナップの組立、試験サービスを提供します。

1997年10月に設立された当社の中国における製造合弁企業です。主な事業内容としては、ロジックIC民生機器向けのマイクロコントローラやアナログ用のリニアICなの後工程(組立試験)を行います。