概要 | 製品ラインナップ |
指紋センサ
生体認証の中でもコストパフォーマンス、認識精度に優れた指紋認証は、今後広く普及すると考えられます。当社では、既に実績があるFRAM®(注1)を搭載した多機能ICカード用LSIをはじめとする、ブロードバンド、インターネット時代に要求される商品群を提供する中で, 指紋センサ(注2)を核とした信頼性の高いセキュリティソリューションの実現に積極的に取り組んでまいります。

指紋センサ普及の背景
インターネットの普及により、本人認証をネット上で行う必要が出てきました。本人認証の中で最も簡単なものはパスワードですが、高いセキュリティは実現できません。インターネットが発達している米国では、一人平均11個のパスワードを所有しているという統計があります。覚えやすいパスワードは個人の財産を脅かす危険があり、事実、ネット犯罪も増加しています。その共通認識がバイオメトリクス=個人生体認証技術を発達させてきました。生体認証とは、体の一部を使って認証を行うことで、指紋のほかにも声紋、虹彩、手相、顔相、静脈等があります。この中で、指紋による個人認証はコストパフォーマンス、認証精度共に優れていることが認知されています。指紋センサ市場では、安定動作、低消費電力、省スペースが実現できる半導体静電容量式指紋センサが従来の光学式センサを凌駕しています。
指紋探知の原理
静電容量式指紋センサは,硬い保護膜の下に、約7.7万個(MBF200)の電極が並んでおり,指表面と電極の距離に応じた電荷が溜まります。指紋センサは、各電極の電荷量をセンスし、8ビットのAD変換を行うことにより、指紋イメージ像を出力します。各電極のピッチは50µmであるため、 200µm以上の凹凸を高い精度(500dpi)でセンス可能です。
指紋読取原理図

指の凸凹に応じたコンデンサの電荷(C1、C2、C3)を測定
約7.7万画素(MBF200)の指紋情報を8ビット階調のデータに変換
半導体静電容量タイプの特長
- 非光学式で安定した動作のシリコン系半導体デバイス。
- 汎用シリコン系半導体であるため、各種制御回路、メモリ、インタフェース等の インテグレーションが容易。
また、低消費電力化も実績のある技術を適用。 - 用途に応じて多様なセンサ面積を実現。
- 高硬質保護膜により高耐久性を実現。
指紋認証ソフトウェア(注3)
指紋イメージ像をチップから読み込み、指紋データの抽出、照合および認証を指紋承認ソフトウェアが行います。指紋承認の方式には、パターンマッチング、特徴点抽出法等、様々な方法がありますが、ここでは特徴点抽出法について説明します。人間の指紋は、必ず固有の特徴を持っています。特に指紋のラインの分岐や行き止まり(端点)には大きな個人差があり、物理的な処置をしない限り不変です。指紋認証ソフトウェアではこの特徴を抽出したあと、指紋イメージ(約77Kバイト)は破棄します。そして、指紋イメージへ復元不可能な、データ量が小さい(数十バイト~数百バイト)特徴点位置情報のみを登録します。認証時にも同様に特徴点情報を抽出し登録データと照合します。
特徴点抽出法の原理図

- 指紋データから指紋像を復元できない方法を採用し、プライバシーを保護
- 指紋像の回転やずれなどを吸収し、高認証精度を実現
- 指紋一つ当たりのデータ量が数十~数百バイトと小さく、データの取扱いが容易
製品紹介
MBF200(面タイプ)
PC、周辺機器、ドアアクセス等に最適です。
指紋イメージをワンタッチで取得できます。

- パッケージ: TSOP80
- サイズ(mm): 24×24×1.4
- センサエリア(mm): 12.8×15.0
- センサアレイ: 256×300 pixel
- 解像度(ピッチ): 500dpi(50µm)
- 動作範囲: 3.3~5V
- A/Dコンバータ: 8bit
- インタフェース: 8bit CPUバス、SPI、USB
- 消費電力(最大): 70mW(5V 動作時)
MBF310(Sweepタイプ)
携帯電話機、PDA等に最適です。
小型でありながらSweep動作により、広い面積の指紋イメージの取得が可能です。

- パッケージ: FBGA43
- サイズ(mm): 16.1×6.5×1.19
- センサエリア(mm): 10.9×0.5
- センサアレイ: 218×8pixel
- 解像度(ピッチ): 500dpi(50µm)
- 動作範囲: 2.7~3.3 V
- A/Dコンバータ: 8bit
- インタフェース: 8bit CPU、SPI
- 消費電力(最大): 50mW(3.3V 動作時)
- その他: FIFO内蔵
用語説明
(注1) FRAM (Ferroelectric Random Access Memory)
強誘電体材料を利用した、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリです。低消費電力で、高速書き込み、高頻度書換えが可能です。
(注2) 指紋センサ
本人認証を行うために像を採取するデバイスです。指紋センサには、光学型、感熱型、静電容量型があります。静電容量型は、信頼性の認証機能を実現でき、高解像度で小型化が可能です。
(注3) 認証ソフトウェア
あらかじめ登録された指紋データと、採取した指紋データとを比較して本人認証を行うソフトウェアです。
