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プレスリリース

2008年10月9日
富士通マイクロエレクトロニクス株式会社
株式会社イー・シャトル
D2S, Inc.


LSI試作におけるマスクレスLSI開発のための取り組みについて

~design for e-beamテクノロジの導入により、プロトタイプ、派生品チップ、 および高付加価値LSIの製造コストとリードタイムを大幅に削減 ~

富士通マイクロエレクトロニクス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 岡田晴基、以下、富士通マイクロエレクトロニクス)、株式会社イー・シャトル(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長 土川春穂、以下、イー・シャトル)、および電子ビーム直接描画(以下、直描)技術向け設計およびソフトウェアを提供するベンチャー企業D2S, Inc.(本社:カリフォルニア州サンノゼ市、Chairman兼CEO Aki Fujimura[藤村晶]、以下、D2S)は、本日、富士通マイクロエレクトロニクスおよびイー・シャトルが、電子ビーム直描技術向けデザインキットとして先進的なD2Sの「design for e-beam (以下、DFEB)テクノロジ(注)」を採用することで合意しました。この合意では、まず65ナノメートル(以下、nm)の低消費電力プロセスライブラリから始めて、さらに65nm、40nm、およびそれ以降の世代のプロセスを対象に調整した「DFEBテクノロジ」を、LSI製造に適用した場合の効果を実証するテスト用シリコンウェーハを製造します。富士通マイクロエレクトロニクスおよびイー・シャトルは、お客様がLSIの試作をはじめとし、追加機能などを加えた派生チップや高付加価値LSIを少量製造する際の製造コストとリードタイムを、従来の電子ビーム直描技術を利用した製造の場合に比べ、大幅に削減することを目指しています。

背景

先進テクノロジによるLSIを製造するためのコストは上昇傾向にあり、コスト削減のためには新しい製造手法の採用が必要です。とりわけウェーハの表面に回路のパターンを焼き付けるためのマスク費用は、プロセス技術が一つ進むごとに倍増しているため、少量製造のASIC(カスタムLSI)の適用範囲と市場は縮小傾向にあり、事業の将来性を脅かす要因にさえなっています。

合意概要とその狙いについて

イー・シャトルは、富士通マイクロエレクトロニクスと株式会社アドバンテスト(以下、アドバンテスト)による合弁で2006年11月に設立された、最先端LSI試作サービスの企業です。マスクを使わずLSIの少量生産を低コストで実現する電子ビーム直描技術を実用化しており、2008年3月より65nmプロセスで電子ビーム直描技術を活用したLSI試作サービスを提供しています。D2Sは、電子ビーム直描技術向け設計およびソフトウェアを提供するベンチャー企業です。
   今回の合意では、富士通マイクロエレクトロニクスの65nm、40nm、およびそれ以降の世代のプロセスを対象に調整したD2Sの「DFEBテクノロジ」をLSI製造に適用した場合の効果を実証する、テスト用シリコンウェーハを製造します。イー・シャトルは、テストチップの製造の際、電子ビーム直描技術を活用したマスクレス露光について、イー・シャトルですでに稼働を開始している、アドバンテストの電子ビーム露光装置「F3000」を活用して行ないます。これらの活動は、65nm低消費電力プロセスライブラリから適用することとしています。
   D2Sの「DFEBテクノロジ」は、電子ビーム直描技術向けの先進的な設計手法および関連ソフトウェアであり、露光工程におけるブレークスルーに頼ることなく、アドバンテストの「F3000」で使用されている電子ビーム直描技術の効果を最大限に引き出し、さらなる強化を行なっています。「DFEBテクノロジ」は、電子ビーム直描技術を活用した製造工程において、マスク費用をかけないだけでなく、設計から露光装置による回路パターンの作製までのフローを短縮することで製品の市場投入までのリードタイム削減に貢献します。
   合意による協業の成果として、将来的には、テスト用に早期の試作品完成を望むお客様や、コンピュータのような特定のアプリケーション分野向けにテストチップ、エンジニアリング・サンプル、追加機能などを加えた派生チップを小規模から中規模程度で製造する半導体メーカーのお客様は、より短期間にかつコスト効率にすぐれたLSIが生産できるようになります。

関係者コメント

富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 取締役 日野 陽司氏:
 「我々は、イー・シャトルとの協業により、DFEBの手法を活用してチップを製造することができるという他社にない立場により、業界をリードすることができます。我々は、この協業から生じる、コストとリードタイムの削減という強みが2009年以降本格的に発揮されるであろうと予想しています。このdesign-to-manufacturingに関する協業は、実質上、マスクレスLSIを実現するユニークな機能を実現し、今後はこの手法を採用した設計が増えていくことになるでしょう。特に派生品チップなど、ASIC設計の適用範囲拡大を実現することは、半導体業界全体にとって望ましいことです。」

株式会社イー・シャトル 代表取締役社長 土川 春穂氏:
「イー・シャトルは、電子ビーム直描技術を少量生産のアプリケーション向けに実現するという使命と共に設立され、2006年11月から活動を開始しています。今回の協業は、我々の製造ラインのスループットをさらに向上させるものです。我々は、設計ソフトウェア企業、設計製造企業、そして装置メーカー間でのこの種の協業は、今日の製造テクノロジの機能を最大限に活用するためにも、不可欠だと考えています。」

D2S, Inc. Chairman兼CEO Aki Fujimura[藤村 晶]氏:
   「半導体マスク費用の上昇は、少量生産のカスタムIC事業を困難にしていますが、事実上、これらの少量生産のカスタムICセグメントを合計すると、大量生産の半導体セグメントと同程度のシェアになるのです。このようなカスタムIC事業を拡張し、成功に導くことは、実質的にマスクレスなDFEBテクノロジの採用によって実現します。いかなる革新的なハードウェアの開発も必要としないこの設計とソフトウェアによるアプローチは、新しい製造パラダイム向けに、低リスクかつ低コストなパスを提供します。」

株式会社アドバンテスト 代表取締役 兼 執行役員社長 丸山 利雄氏:
  「アドバンテストでは、EB直描リソグラフィ・ソリューションのスループット改善に取り組んでいます。イー・シャトルの製造工程で使用されている弊社の電子ビーム露光装置F3000のスループットは、D2Sが提供する革新的なDFEBテクノロジを利用することによってさらに向上するでしょう。」

実用化に向けて

このたびの合意による協業の成果は、2009年からの事業開始を見込んでいます。



注釈

注)design for e-beam (DFEB) テクノロジ:設計とソフトウェアの手法により電子ビーム(EB)リソグラフィのスループットを向上する技術。DFEBではキャラクタ・プロジェクション(CP)EB技術を設計やソフトウェアの各種の新技術と組み合わせることによって、回路の描画に必要なショット数を最小化し、CP方式によるEB直接描画のスループットを削減します。

各社の概要

  • 富士通マイクロエレクトロニクス株式会社について
       富士通マイクロエレクトロニクス株式会社は、ASIC/COT、ASSPおよび電源IC、フラッシュマイコンなどのLSIを通じて、お客様の多様なニーズに対し高信頼かつ最適なソリューションを提供するLSI専業メーカーです。画像、無線、セキュリティ分野などを中心に幅広いアプリケーションで実績を誇る一方、低消費電力化を推し進め、環境課題にも重点的に取り組んでおります。 2008年3月21日に富士通株式会社の子会社として設立しました。 東京都新宿区に本社を置き、国内はもとより米州、欧州、アジア地域で開発および販売の拠点をもち、グローバルに活動しております。
    富士通マイクロエレクトロニクス
  • 株式会社イー・シャトルについて
       株式会社イー・シャトルは、富士通株式会社(後に出資社は富士通マイクロエレクトロニクス株式会社に変更)と株式会社アドバンテストの合弁企業として2006年11月1日に設立しました。90nm、65nm、45nmテクノロジにおける電子ビーム直接描画技術の開発と製品への適用、およびLSI試作用のシャトルサービスの「SiExpress™」の構築と提供を行なっています。神奈川県川崎市に本社をもち、三重県桑名市のEBショップからグローバルにサービスを提供しています。
    イー・シャトル
  • D2Sについて
       D2S Inc.は、65nm以降のプロセス世代の半導体の少量生産を、優れたコスト効率で実現することによって、エレクトロニクス業界における新しいビジネスチャンスを生み出すことを目指しています。その先進的なdesign for e-beam (DFEB)設計技術とソフトウェアにより、既存のEB装置の能力を最大限に活かし、マスク費用をなくし、設計からリソグラフィまでのフローを短縮することにより、製品の市場投入までのリードタイムを短縮します。D2S Inc.は米国San Jose市に2007年に設立した会社で、株式会社D2Sはその日本の子会社です。
    D2S


お客様お問い合わせ先

富士通マイクロエレクトロニクス、
イー・シャトルについて

富士通マイクロエレクトロニクス株式会社
ASIC/COT事業部
Tel:03-5322-3328
お問い合わせフォーム

D2Sについて
株式会社 D2S
吉田憲司
Tel: 045-479-8390
E-mail: kenji@direct2silicon.com

D2S Inc.
James Fong
Tel: +1-408-781-9017
E-mail: jfong@direct2silicon.com




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