- 日本企業の海外進出支援プロジェクト
「入郷随俗」。
それが、アジア進出を成功させるキーワード。
今や、世界経済を牽引する存在となった中国、そしてアジア地域。もはや製造業の生産拠点にとどまらず、巨大マーケットを有する消費大国として欧米各国からも注目を集めている。
日本の隣国ではあるものの、ビジネス体制や商習慣においては隔たりも大きな中国。そんな地で、日本企業が成功するためには、何が必要なのか。日本の1,300社の中国進出を構想段階から支援してきた富士通(中国)信息系統有限公司 ソリューションサービス営業統括部 統括部長の薛 衛(せつ えい)は語る・・・

私は日本企業のアジア進出・展開にあたって、さまざまなお手伝いの窓口となる「JOC(Japan Originated Company)アジアビジネス本部」に所属しています。日本語、中国語、さらに英語が話せる約200名のスタッフとともに、お客様それぞれのニーズに応えるITソリューションやコンサルティングを提供しています。私たちが目指すのは、ICTパートナーという枠にとどまらない「ビジネスパートナー」です。日本とは気質も文化も異なるアジア地域。日本のビジネスでは当然の不文律が通用しない世界では、私たちのような存在が必要となるシーンも多いのです。
ひとつ例をお話しましょう。たとえば、中国のこんな実情をご存じでしょうか。日本では普通の日曜日であっても祝日であっても休日出勤手当に差がつくということはありませんね。ところが、中国では、国が特定した祝日に出勤を命じれば法律で300%の割増賃金がかかります。また人材の移動も激しく、中国の正月にあたる「春節」明けに、突然、社員がごっそりと辞めてしまうことも珍しくありません。中国でビジネスをするというのは、こうした法制度や従業員気質を織り込んだうえで、マネジメントしていかなければならないということなのです。システム一つにしても、日本の製品やパッケージをそのまま持ってきても使えるものではないのです。
日本とはまったく違う市場環境と特有の商習慣。そのギャップに対応しきれないままに、中国を去っていく日本企業も数多くあります。私は、お客様にそんな思いをしてほしくありません。だからこそ、ICTの提案だけでなく、時には中国における経営ライセンスの取得や工場用地確保、人材募集まで、お手伝いしています。中国人である私個人の経験と知識、さらに、富士通の中国における36年間におよぶビジネスノウハウは、きっとお客様のお役に立てると確信しています。

「世界の工場」から「世界の市場」へ。13億人のマーケットを抱える中国は、日本企業にとってビジネスチャンスに満ちた地域です。こうした理由から、最近は製造業に加えて、流通業の中国・アジア進出が活発になってきました。中国でモノを売る。その時にも、日本企業のお客様はいろいろと戸惑うことが多いようです。たとえば、「誰に売るか」についてはこんな話があります。
日本では農機(刈入れ機)を買ってくれるお客様は農家ですよね。ところが、中国で農家に刈入れ機をセールスしても一台も売れないでしょう。というのも、中国の農家は収穫を専門の業者(刈入れ屋)に外注してしまうから。つまり、刈入れ機を買ってくれるのは、こうした業者ということになります。 “刈入れ屋”は、広い国土のさまざまな地方をわたり歩いて仕事を請け負うため、保守サポートも広いエリアをカバーしなければなりません。販路の拡大、サポート体制の広域化には、販売代理店とのネットワークを強固にしていくことが必要なのですが、ここでもまた中国特有の商習慣、たとえば販売代理店との間の複雑な報奨金や手数料計算がネックになります。
こうしたギャップを埋めるのが、まさに私たちの役割なのです。私たちは、ハードウェア、ソフトウェア、ソリューション、さらにアウトソーシングや保守サービスまですべてワンストップで提供し、お客様の中国ビジネスを支えます。しかも、人事や給与、会計など中国の商習慣を反映しなければ回らないシステムについては、信頼できる現地パートナー企業のシステム製品も提案。常に最適なソリューションでお客様のビジネスにお応えします。
中国には「入郷随俗」という熟語があります。日本語でいえば、「郷に入りては、郷に従え」という意味になるでしょうか。しかし、現実には、これから中国へ進出しようとする日本企業が現地企業と直接コミュニケーションをとり、一緒にビジネスを行っていくのは難しいと言わざるを得ません。そこで、両国の文化を熟知している私たちを、ICT分野のみならず、良きパートナーとしていろいろなビジネスの場面で「橋渡し役」としてご活用いただければと思います。こうした橋渡し役がいてこそ、現地のマネジメントは成功します。真の「入郷随俗」もスピーディーに果たしていけるのではないでしょうか。
薛 衛(XUE WEI せつ えい)
富士通(中国)信息系統有限公司
ソリューションサービス営業本部 ソリューションサービス営業統括部
統括部長
一女の父。休日の日課は、娘を塾に送迎すること。趣味のゴルフの回数を減らし、一緒に過ごす時間を大切にしている。
[2010年11月19日 公開]
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