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クラウド環境とグローバル展開を視野に M2M技術をお客様のビジネスに融合し、共に成長するプロジェクトに挑む

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グローバル クラウド ネットワーク活用

顔写真:写真左から 大澤 達蔵 担当部長、須賀 高明 センター長代理

国内市場が飽和成熟し、著しい成長が見込めない現在、企業は新たな収益を生む構造を模索し、海外への展開を視野に入れながら、ビジネスの活路を見出すことに懸命である。その中にあって、M2M(Machine to Machine)通信の市場が注目を集めている。人を介在せず、機械と機械を直接ネットワークでつなぎ自動制御することで、コスト削減と効率化に役立つM2Mだが、その対象となる機器は国内だけでも10億台あるといわれ、新たなビジネスを創出する巨大市場と見込まれている。

このような状況下、富士通ではお客様との共同実験などで得たM2M通信のノウハウを、自社のFENICSⅡネットワークサービスやクラウドサービスに取り入れ、2010年度下期より新たなサービスとして提供していく予定だ。またM2M通信のグローバル化に向け、国内外の通信事業者と提携を進め、国内企業では初めて国内外にわたる広域でM2M型サービスを提供する。世界規模でのビジネス展開に挑戦する富士通のネットワークサービス事業本部 ネットワークフロントセンター センター長代理の須賀高明、担当部長の大澤達蔵に話を聞いた。

低価格で導入期間を短縮したM2Mサービスが、情報の新たな価値を作る

顔写真:ネットワークサービス事業本部 ネットワークフロントセンター 須賀 高明 センター長代理

機械と機械がネットワークを介して相互に通信しあう技術は広く普及しているが、課題も抱えている、と須賀はいう。

「機器類が通信機能を備えることそのものは特に目新しい技術ではありません。その中でも手軽に構築できるワイヤレスネットワークの利用は、自動販売機を始めとしたコンシューマー向けの領域では大きな成果を生んでいます。ただし、まだまだ活用分野は限定的であり、さらにより多くの分野でこのM2Mを広げていくには大きな課題が二つあります。一つはワイヤレスネットワークのコスト。国内については低価格化が進みましたが、グローバル環境では依然としてハードルが高いのが現実です。二つめは多くの機器からデータを収集、蓄積するリソースの確保です。例えば変化のないデータの場合、不要な分までリソースを用意する必要があったり、逆に変化が激しい場合では大量のデータが発生し、その分のリソースを用意するといったように無駄が多く、リソースの見積もりが非常に難しいといった懸念がありました。」

このような課題を解決するために何が必要なのか。須賀は続ける。

「通信料金の低価格化とIPネットワークへ情報を集約化する仕組みが重要だと考えています。私たちは、まず通信事業者との提携による無線通信料金の低価格化を実現し、さらにクラウド環境でデータを集約化するシステムを用意し、コスト効率と安全性を確保した、より導入しやすいM2Mを目指しました。」

M2Mサービスが導入しやすくなることによって、情報の扱い方が変わる、と大澤はいう。

「富士通のM2Mサービスは、通信料金の低価格化やクラウド環境によるシステム導入期間の短縮化と初期投資費用の削減を実現しているため、情報利活用のアイデアを手軽に素早く実施することが可能です。また、一斉にシステム化をおこなわなくても、徐々にM2Mを導入することができますので、パイロット的なプロジェクトに応用することもできます。

M2Mは機器監視のような既存の用途以外でも、車載器と通信することにより車両の位置情報を得て最適なルート指示、エコドライブや配送品の管理、配車の管理など多様な活用が考えられます。海外では、盗難や機器偽造の防止といった面での応用もなされます。M2Mのニーズを掘り起こすことで、ビジネスの新たな展開が期待できるのです。コスト削減や効率化だけではなく、むしろ情報を利活用することによって新しい攻めのビジネスを展開できるところに、M2Mの大きな価値があり、それはお客様にとって確かなアドバンテージとなるはずです。」

M2Mは、流動する市場にあって常にお客様とともに作り上げるソリューション

ネットワークフロントセンターは、お客様との商談対応を専門におこなうために設置された部署だ。須賀はいう。

「ユーザーニーズが多様化し、市場の変化も激しい時代にあって、常にお客様と密接に対峙することが、私たちのビジネスを成立させる上で重要な要件になっています。そのため、商談対応の専門部署として、お客様の中に入り、ご提案や交流を活発強化していく目的でネットワークフロントセンターが作られました。」

そんな体制の中で始動したのが、金属加工機械の製造で60余年の歴史を持つ国内トップメーカー、株式会社アマダ様との保守サービス革新を目的としたM2M通信の共同実験だ。須賀は次のように説明する。

「アマダ様では、機械を納入するだけではなく、保守に力を入れていくことにより、ユーザー企業様との継続的なビジネス関係を築きたいという思いがありました。グローバル企業として、海外シェアでもトップを狙うため、保守サービスを核として競合する新興国企業との差別化戦略を打ち出そうとされていました。いわば、この共同実験はアマダ様の保守ビジネス全体の改革に等しく、今後の事業の根幹にかかわるものです。情報システムや製造部門を筆頭として、社内全体を巻き込んだプロジェクトとなりました。

2009年7月からFENICSⅡネットワークサービスや、携帯電話、無線などのモバイル技術をもとに、アマダ様の制御コンピュータに通信モジュールを搭載し、機械の位置情報や稼働状況を、モバイル・ネットワークを介して遠隔収集する仕組みを検討してきました。2009年11月より共同実験を開始し、2010年4月より、収集した稼働情報のデータベースや遠隔からの機械制御の環境をアマダ様の社内に常設し、効果測定を開始しています。」

この共同実験により、保守サービスのインフラとして利用できるめどが立ち、株式会社アマダ様では10月よりM2Mサービスの導入を予定している。
およそ1年をかけて実験へと至ったプロセスを大澤は述懐する。

「須賀も私もSE出身で、ネットワーク技術や知識に関しては相応のキャリアを積んでいますが、M2Mを利活用するプロジェクトでは、その専門知識だけでは到底対処しきれません。最適なソリューションを導くためには、お客様の業務を理解し、その先のお客様であるエンドユーザー様の状況も理解し、どういった情報を吸い上げたら良いか、また吸い上げた情報をどう活用すればお客様のビジネスにとって価値あるものになるのか、お客様のビジネスを把握することが不可欠です。お客様の業界や業務を把握するために、ワーキンググループを持ちながらお客様の中に入り、プロジェクトを進めました。お客様のビジネス現場の声を直に聞くことで大きな気づきを得たり、提案やヒアリングを繰り返す過程でアイデアが生まれたりしました。そうしたプロセスを経て実験までに1年かかりましたが、その成果は非常に大きなものだと実感しています。」

こうしたお客様と一体となって進めるM2Mサービスの実施によって、新たなニーズが顕在化する可能性を、須賀は指摘する。

「M2Mで現在提供できる技術を、お客様のビジネススキームと組み合わせることによって、新しいビジネスモデルが生まれる可能性があります。M2Mサービスが、気づきの視点を提供し、お客様の業務展開に役立つ新たな視座をサポートするのです。そして、M2Mによって得られた情報をどう利活用するかという発想とスキルが、新たなビジネスへの突破口のひとつになると考えています。」

大きな可能性を秘めたM2Mによって、ビジネスの活路をひらく

顔写真:ネットワークサービス事業本部 ネットワークフロントセンター 大澤 達蔵 担当部長

富士通が今回提供するM2Mサービスは、お客様の商品に組み込む通信装置などの機器類から、ネットワーク環境、クラウド・コンピューティングまで必要な一連のサービスをワンストップで提供できる点も大きな特徴だ。

「技術統合されたM2Mを提供するビジネスモデルは、まだ世界でも確立されていません。先駆けてチャレンジできることが私たちにとって大きなやりがいとなっています。技術そのものの進化はもちろんですが、分析した情報をどう利活用したらお客様のビジネスに役立てることができるか、そこまで含めて提案できるようにしていきたいと考えています。」
と大澤は語る。そしてM2Mのプロジェクトはお客様とともに作り上げていくものだ、と付け加える。

「M2Mは技術先行で進めるものではなく、考えながら実行し、修正しながらまた考えるという、いうなれば提案を成長させながら進めるプロジェクトだと思います。市場も変化するし、お客様も変化します。もちろん、私たちの技術にも変化があります。その中で、いま何を優先するのが良いのか、どういう情報を活かすことが利益につながるのか、ということについて、トライアンドエラーを繰り返しながら、最適解を求めていくのです。M2Mは新たな試みです。最初から正解を求めようとしても、何がビジネスに役立つか確実な答えは出ません。柔軟性あるスタンスで挑み続けることが重要だと思うのです。」

須賀は、お客様との信頼関係はもちろんだが、外部提携会社とのパートナーシップの重要性を指摘する。

「これからのビジネスでは、コラボレーションが大切なキーワードになると思います。M2Mプロジェクトはその典型的な例ではないでしょうか。市場がグローバル化して、大規模なシステムや多岐にわたる機器や機能が必要な場合、1社でできることには限りがあります。常に最適解を求めるためには、どれだけパートナーシップを組める仲間を増やせるか、また逆にその仲間に選んでもらえる存在になるか、そういったチームでのプロジェクト推進が重要な時代になると思います。」

M2Mはまだ走り出したばかりのサービスだと断りながら、須賀は今後の展望を次のようにいう。

「まず海外各国の事情を理解した上での海外拡販を、現地でのクラウド環境構築も含めて強化していくつもりです。また、新しいビジネスゆえに、導入の効果を数値化して見える化することも重要だと考えています。様々なお客様へ提案を進める中でリファレンスモデルを作り、業種ごとに特徴づけながらデータベース化することによって、今後のプロジェクトをより円滑に推進する手だてにしたいと思います。

M2Mがかかわる分野はこれからますます広範囲に及びます。その中で、私たちはM2Mを通しお客様自身のビジネスを強くする手段として提供していきたいと考えます。そしてお客様のビジネスが伸長することにより、私たちのビジネスの範囲もさらに広がる、というような継続したWin-Winの関係を確立することが、最終的な目標です。」

巨大市場と目されるM2Mで、先手を打ってサービス化を成し遂げた富士通。しかしそれはもちろん、ひとつの始まりであって、M2Mが持つ潜在的可能性に様々な角度から光を当てるプロジェクトは、続々と生まれていくのである。

[2010年10月1日 公開]


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