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グローバル起点で取り組む富士通のグローバルビジネス支援

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成熟へ向かう日本市場とは対照的な海外の成長市場を見込み、日本企業の海外展開は増加の一途をたどる。しかし、国際的な分業体制や機能の集約化、各国間のリレーションをどう最適化させるかなど、グローバルビジネス体制にかかわる課題に悩む企業も少なくない。

富士通では、グローバルな成長戦略を加速するために2008年より海外ビジネスを一本化する組織を構築。ITインフラをワールドワイドでサポートする体制を強化し、データセンター、サービスデスクなどのサービス基盤をグローバルに展開している。全社的なグローバル体制強化のなか、現在、産業ビジネス本部で製薬企業向けのグローバルビジネスを担当する山崎隆芳と坂本千紘に話を聞いた。

グローバル化は地域軸から機能軸へシフトすること

国際化、グローバル化は現在の企業にとって不可避の課題だが、長く独自のビジネスモデルのなかで成長してきた日系企業にとっては困難も少なくない。しかし、山崎は20年にわたり海外ビジネスを担当した経験から、日本のやり方を意識しすぎる危険性を指摘する。

「グローバル化というテーマでビジネスを語るとき、日本をベースにグローバルを考える傾向がいまだに強いのではないかと感じます。実際は日本もイギリスもアメリカもそれぞれに違ったビジネススタイルを備える国。日本仕様をグローバルに展開するという図式ではなく、それぞれの国における多様な文化やローカルな特性を意識しながらビジネスに生かしていかなければなりません。そこにグローバル展開の本当の難しさがあると思います。」

日本がベースという考えから脱却し、グローバルベースで効果的なスクラムを組むことが最も大切だと山崎はいう。

「ローカルでのお客様との接点は極めて重要ですが、ローカルで閉じてしまったらグローバルでの成長は限られます。ローカルな特性をふまえながら、グローバルの視点で考えることでお客様のグローバル化に貢献できるのです。ですから日本本社の主導が過剰になっても、逆にローカルに任せきりになっても効果的な結果は望めないと思います。お客様のグローバルビジネスの方向性を、日本と各ローカル混成のグローバルアカウントチームで共有しながら、いかにグローバルで付加価値を生み出すビジネス戦略に展開できるかが重要です。」

富士通ではグローバル起点を加速するために、2008年より「Think Global Act Local」をキーワードに、拠点ごとの戦略実行型から海外ビジネスを一本化する組織体制に再編中と山崎は続ける。

「富士通自身がグローバル化を実現しなければ、お客様への価値提供が継続できません。Think Global Act Localは、いわば地域軸から機能軸への概念の転換といえます。いままでローカルで対応していたことを、グローバルの視点からとらえようとするものです。例えばローカルな課題だと思って対応したことが、実は別の地域にも関連した課題だったということもあります。ローカルでの効率化も、グローバル視点にすることで更にコスト効率を高めるといった経済効果を生むケースもあると思います。機能という切り口で世界に対して同じ距離感覚で物事をながめ、なおかつ各国のユーザーに望まれる価値提供を実行することができることこそ、グローバルビジネスといえるのだと思います。」

グローバルビジネスを支える営業体制となるように

現在ライフサイエンス統括営業部では、富士通の全社的なグローバル戦略に基づき、グローバル企業を支援する営業体制を強化している。坂本もグローバルビジネスの営業チームの一員として、製薬企業のお客様を担当している。

「私の担当するお客様では、日本以外の地域でもビジネスのご支援をさせていただいており、欧米の営業チームと連携してお客様に対する営業活動をおこなっています。その根幹となるのがグローバルのアカウントプランの作成です。グローバルビジネスにおいては、日米欧3極がまちまちなメッセージを発信しお客様を混乱させることのないよう、営業の意思統一が重要です。そこで、アカウントプランにてお客様に対する商談方針、スケジュール、アクションを3極で共有し、それに基づいて現地の営業がお客様と接するという体制をとっています。

この体制が本格化してから1年程たちますが、アカウントプラン作成はそれほど簡単ではないことを日々痛感しています。日本からの情報提供のためには資料の英語化が必要なので語学力が要求されますし、3極の電話会議は深夜に開催されるため、就業時間や勤務地などワークスタイルの自由化が欧米ほど進んでいない日本では、不便だと感じることがままあります。国ごとに違うビジネススタイルを乗り越えてプランを一本化するためにはメールや電話会議では議論しきれない事柄も多々あります。しかし、目標を共有化し、Face to Faceを含めたコミュニケーションを積み重ねることにより、各国でのお客様の事情や共通の課題を理解できるようになり、チーム間の結束が強まりました。現在はより掘り下げた議論も可能になり、同じお客様を担当する営業は、国籍を問わず大切な仲間となっています。今後もFace to Faceの機会を増やし、テクニカルなメンバーも含めたアカウント体制をより強化していきたいと思っています。」

グローバル化へのチャレンジ

グローバルビジネスの本格化には、組織編成とともに損益の評価制度や管理も変える必要があると山崎は続ける。

「営業の評価制度やアカウント損益は、いままでローカルで閉じていました。そのため、グローバルでお客様のアカウントプランを策定するとしても、ローカルでの評価制度に基づくとしたらグローバルでの活動が優先されることはないでしょう。グローバルでの活動も同様に評価されるという制度が確立されなければグローバルベースのサポートは難しいと思います。また、各拠点で損益が閉じていたら、日本では非常に大切なお客様であっても、地域でのビジネスで対応できないケースもあります。損益をグローバルベースで考え、配慮されるようになれば、より戦略的なアプローチでお客様の要望にお応えすることが可能になります。お客様のアカウントプランやグローバルでの利益拡大をご提案できる体制をより強固にし、いままでの自分の経験も生かしながら、グローバルな連携の強化につとめていきたいと思います。」

また、坂本は製薬企業様のITグローバル化を支援するための取り組みについて強調する。

「現在、欧州である製薬企業様向けにITインフラアウトソーシングをご提供しており、そのサービスモデルを日本、米国へも展開していこうと考えています。海外マーケットへの拡大を狙う製薬企業様においては、日々の業務も目に見えるかたちでグローバル化を進めています。海外との共同業務や海外出張が増えるなか、お客様がグローバル標準に向けたITサービスを構築していく上で、私たちがインフラ・運用面を支援することが、お客様のビジネスのグローバル展開に相乗効果をもたらし、顧客満足度の向上へつながります。富士通全社としても、プロダクトとサービスのグローバル標準化の動きが進んでおり、その動きと連携しながらお客様の特性に配慮しつつ、商談活動を進めていきたいです。」

そして、ライフサイエンス分野でのグローバルビジネスモデルを作ることが大きな目標だと山崎はしめくくる。

「日本企業として日本主導になりがちだったグローバルビジネスが、グローバルに統一された組織によるビジネスに変遷している今、価値観も様変わりしつつあります。そのようななかで、グローバルでの意識統一をはかるためにも、人材の活発な交流はかかせないことだと考えています。海外の現場を知ることで見えてくることもたくさんありますから、当統括部では北米や欧州への継続的な出向を実施しています。そうすることでビジネスの価値を共有し、現地スタッフと協力しながら、製薬企業様のグローバルビジネスを支援するという体制を万全なものにしたいと考えています。グローバル起点での組織体系を構築し製薬企業のお客様のグローバルベースでの利益拡大を支援するというモデルを確立し、更にそれを他業種のお客様へと広げていきたいと思います。」

ネットワーク技術の進化により、情報の伝達には距離や時差が存在しなくなったように思える。しかし、現実のグローバルビジネスにはさまざまな課題が山積する。IT活用のグローバルな標準化、オフショアサービスへのニーズ、そして環境ソリューション。それらにトータルに応えるグローバル組織を、富士通は着々と構築している。

[2010年2月1日 公開]

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