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日本語データ処理のパイオニア富士通が提供する、現場のSEの声を開発に活かした情報統合ソフトウェア

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ヒト・モノ・カネに続く第4の経営資源“情報”を統合しビジネスに活用することは現代企業にとって経営上の大きな課題。しかし、インフラや開発技術が異なるシステムをつなげ、活用できる情報に精製するのは容易なことではない。

そのなか、富士通では『まず集める、まずためる、使う時に自在に統合して活用する』という新しい情報統合のコンセプトに基づきInterstage(インターステージ)情報統合ソフトウェアを製品化した。

データ収集・統合ソフトウェアInterstage Information Integrator(インターステージ インフォメーション インテグレーター)、データ蓄積ソフトウェアInterstage Information Storage(インターステージ インフォメーション ストレージ)、データクレンジングソフトウェアInterstage Information Quality(インターステージ インフォメーション クオリティ)の3つのミドルウェアを中心に展開する情報統合ソリューションについて、吉川茂夫、鈴木久仁幸、本間晴人に話を聞く。

徹底したフィールドヒアリングで開発にのぞむ

情報統合を自動化するビジネスアプリケーション基盤は、長くSEに望まれていたものだ。入社以来オープン系のファイル転送やEAIソフトウェアなどの開発を担当し、2008年からInterstage Information Integratorの開発に携わる吉川茂夫はいう。

「各企業のSEの方々はそれぞれの現場で工夫しながら、自社に最適な情報統合をはかっています。しかし業務ごとにバラバラに開発されたシステムを統合するために、手組み、つまりカスタムメイドで対応しなければならず、膨大な時間とコストがかかっていたことも事実で、市場が刻々と変化していく現在、性能・品質・精度が高く、スピーディーに構築できる情報統合ソフトウェアの登場は必須となってきています。」

吉川は今回のInterstage Information Integrator開発にあたって、最も重要視したのは現場で働くSEたちの直接的な意見だという。

「プロダクトアウトの発想だけでは、真のユーザーニーズに合致した製品をつくることは難しい時代です。今回の開発では徹底したフィールドヒアリングをおこなうことにより、現場ニーズに深く踏み込んだ製品づくりを目指しました。開発の現場では普段知りえない、実際の商談や構築における切実な課題をSEの方から直接伺い、それを開発に活かし、途中段階でのプロトタイプ評価をフィードバックするという仕組みにより開発を進めました。およそ10社20部門にもおよぶSEの方に協力いただきました。」

もちろん、フィールドヒアリングはInterstageの開発コンセプトを考えたうえでおこなわれたと吉川はいう。

「ポイントはいくつかありました。まず情報を統合するために何から重点的につなげていくかという優先順位です。最初からすべての業務システムやデータ種に対応することは無理ですから、ニーズの多いもの、構築に時間・コストがかかっているものを優先しました。さらにユーザーインターフェース(UI)にはSEさんの工夫を取り入れました。彼らは、手組みで構築したデータ収集・統合システムをカスタマイズするUIに、Excelシートを活用して、システムインテグレーションの効率化をはかっていましたが、運用面での課題を抱えていました。そこで、Excelのデザインシートでデータ収集・統合システムの動作環境をカスタマイズできる機能を提供し、さらに複数人が同時に扱える制御機構も付加価値として開発しました。時代の動きは激しいですから、開発スピードを上げ、お客様のニーズに迅速に応えることは重要です。今回SEさんの現場での工夫をアイデアとして私たちのものづくりの参考にさせていただいたことは非常に有意義でした。」

“ゆれ”が大きい日本語環境で、高品質データを確保する

企業内に蓄積された膨大なデータを分析・加工し経営に活用しようというのがBI(ビジネスインテリジェンス)と呼ばれる手法だが、大手コンサルティング会社が2008年に実施したBIシステム導入および活用の実態調査によると、BI導入後のデータについて、約7割の企業がデータ品質に何らかの問題があると認識しているという結果が出ている。その結果について鈴木久仁幸は次のように説明する。

「BIが導入できても、もともとの業務システムに蓄積された顧客データに「間違いがある」「重複している」「住所表記が古くて使えない」というケースがよくあります。それがデータ品質に問題あり、という結果を招いていると思います。集めた情報の表記を統一してデータの不整合を解消することをデータクレンジングといいますが、情報を活用するためには、最初にデータクレンジングして“使えるデータ”にする必要があるのです。」

文字管理ソフトInterstage Charset Manager(インターステージ チャーセット マネージャー)、そして今回のデータクレンジングソフトウェアInterstage Information Qualityと、日本語データの品質を高めるソフトウェアの企画・開発に携わってきた鈴木は、時代の流れが高精度データを要求しているという。

「金融では、ペイオフ解禁、株券ペーパーレス化、割賦販売法改正と法制度の改正が続き、同一人物を特定するための“名寄せ”に対する要求が高まっています。自治体では市町村合併や市制などの影響により毎月数百地区の住所表記が変更されています。データ品質を確保しなければならない場面は近年ますます増えてきました。ただ、それを認識していても、データクレンジングは容易ではありません。住所表記ひとつとっても、日本語環境は複雑で統一性がないからです。いわゆる“ゆれ”が大きい言語環境なのです。」

富士通は1979年、日本語が扱えるコンピュータを世界ではじめて世に送り出してから、日本語処理にかけてはトップランナーとして業界を牽引してきた。鈴木はいう。

「文字管理ソフトInterstage Charset Managerは個人や企業の漢字名表記を正確に扱う業務分野でデファクトスタンダードといえる製品だと思います。人名や地名における外字など正確な文字を管理するシステムとして全国の自治体で広く導入されており、ある全国規模のシステムでは約70%の自治体に導入していただいた実績があります。」

日本人がつくる日本人のためのクレンジングソフトウェア

Interstage Information Qualityの開発に携わった本間晴人は、富士通が取り組む日本語処理について次のように語る。

「日本語の文字をコンピュータ上できちんと表記しようとすれば、コストがかかります。日本語で使用されている漢字は約10万文字、そのうち戸籍などで用いられているのは約6万文字、さらにコンピュータ上で扱える漢字となると多くて2万文字程度です。すべての漢字をまともにコンピュータ上で扱おうとすると、当然OSで実装されている標準以外の外字が必要ですし、人的にも時間的にもコストは多大にかかるのです。それを避けようと、標準でできる範囲で処理をおさめようとすれば、日本語のケアは弱くなり、正しい表記ができなくなってしまいます。そんななか、富士通は妥協をせずに日本語処理と真っ向から向き合ってきました。それこそが、日本のコンピュータ会社としての社会的責任でもあると考えていたからです。その結果がInterstage Charset Managerのデファクトスタンダード化につながっていると思います。」

本間は、入社以来、ワープロソフトOASYSをはじめとして、日本語処理に関係する技術開発を担当してきているが、近年は自らがユーザーの声を聞いて開発へ活かすようになったという。

「コンピュータで日本語を扱うのは、思いのほか難しいのです。文字列を比較するにも送り仮名が一様でないとか、パソコンとメインフレームではデータの扱い方が違うとか。そこで、SEさんから困っていることを聞いてニーズを吸い上げることこそ、製品開発の早道なのではと思い、SEさんとコミュニケーションをとりながら、プロトタイプをつくった時などに気軽に意見をいただくようにしました。」

SEからの意見は持ち帰って、皆で検討すると本間はいう。

「私たち開発の担当や幹部社員だけではなく、企画部門の方にも加わってもらってディスカッションします。上下や部門の隔てなく自由に意見を言い合える風土ができており、それが開発現場にも好影響をおよぼしていると思います。」

そういう本間も、今回のInterstage Information Qualityの開発では苦労した。

「性能を出しながら、精度を出すという点に苦心しました。時間をかければ、かなり高いクレンジングになりますが、大量のデータを高精度かつ高速に処理することが時代のニーズ。処理時間を短くするために知恵を絞り、高速なマッチング技術をもつ関係部署に協力をあおぎながら、技術を融合し完成させました。」

レガシーデータを活かしながら、何にでもつながるミドルウェアを

吉川は情報統合の今後の目標について次のように話す。

「Interstage Information Integratorで、データ収集・統合する基本的仕組みはできたので、今後はさまざまなパッケージやクラウドコンピューティングからデータを収集したり、動作環境のバリエーションを増やし、お客様の既存資産を最大限に活かせる製品へと成長させていく予定です。究極のデータ統合はアクセス可能なデータがすべて集められ、活用できることですから、業務改善のために「どこの・どういうデータ」を分析・活用すべきかがわからない、そういったお客様の課題に応えられる支援ができればと考えています。」

鈴木はInterstage Information Quality導入によって広がるデータ活用の可能性を次のようにまとめる。

「Interstage Information Qualityには優れた日本語辞書機能に加え、日本語ノウハウと検索技術を融合した高度な処理ロジックが実装されているため、活用をあきらめていた古い蓄積データをよみがえらせ、過去の資産と新しい資産を同じ土俵で分析することが可能となります。また、一般的なクレンジングソフトウェアはクレンジングを始める前の設定が煩雑なものが多いのですが、Interstage Information Qualityでは細かい条件設定は不要です。短期間ですべての条件設定が可能なので、SEさんの手間が減り、お客様もより早くクレンジングを開始することができるという点にも工夫を凝らしています。
データ品質の改善・維持、将来にわたる互換性の保証など、日本語に強い富士通がつくり上げた自信のあるクレンジングソフトウェアですから、Interstage Information Integrator、Interstage Information Storageとともに情報統合の分野で今後もシェアを拡大していきたいですね。将来的には、これらのノウハウをもってマスターデータの管理が容易にできるソフトウェアを提供したいと思っています。」

社内での文字に関するSE教育も手がける本間。Interstage Information Qualityのクレンジング成功率は日本一だと自信を見せる。

「コンピュータにおける日本語環境は、入力方法の多様化や、従来カタカナで入力していたような項目に漢字が使用できるようになることで、ますます“ゆれ”が大きくなりました。ゆれが大きいなか、精度を極限まで高めるのが目標です。Interstage Information Qualityが製品化されたことで、私たちに対する市場の要求もさらに高まっていくと思いますが、日本語処理にこだわってきた富士通の歴史を背景に、果敢に挑戦していきたいと思います。便利なはずのコンピュータで、不自由ともいえる定型入力を強いられているのが現状です。将来的には、自然に入力しても、不適確な部分を自動修整し、データクレンジングできるシステムをつくりたいと思っています。機械の都合に人があわせるのではなく、人の都合に機械があわせられるようにすることが理想です。」

一貫してユーザーの声を開発に活かし、クオリティの高いソフトウェアをつくり続ける開発部隊が次のステップとしてにらむのは、BIを中心とする活用シーンとの効果的な連動だろう。今後もあくなき品質への追求でデファクトスタンダード製品となっていくに違いない。

注記

(注)EAIとは :
Enterprise Application Integrationの略。企業で使用している複数のシステムを連携し、データおよびプロセスを統合する技術や仕組み。1対1の接続ではなく、複数システム間をつなぎ連携することで、拡張性のある柔軟なシステム基盤をつくりあげることが目的。

[2009年12月1日 公開]

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