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新世代ERPで経営資源の情報を見える化し、変化するビジネス予測を的確にとらえる

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ビジネスのグローバル化、市場の変化のスピードに拍車がかかるなか、経営や業務に必要な情報を一括集中して把握し、素早い経営判断をすることが企業にとって不可欠となっている。
そこで、ヒト・モノ・カネという経営資源の情報を見える化し、それを最大限に活かすシステムとして注目されているのがERPである。

すべての業務情報を活用するIT基盤として、その有効性への認知は近年高まっており、富士通では、ERPをいまのビジネス環境に適したシステムに再構築する新世代ERPに力を入れている。

2000年以降、導入数が増え続け、新しいフェーズに入ったともいわれるERPシステムについて、富士通総研(FRI)の鈴木晶博(すずき あきひろ)と東大祐(ひがし だいすけ)に聞く。

変化する市場情勢に対して、どのようにERPを再構築するのか。そこには明確な目的化と徹底した情報収集が必要

いま企業の基幹系業務にとって何がネックとなっているのか、多くの基幹システム構築プロジェクトにたずさわりプロジェクトマネージャーを務めてきた鈴木晶博は次のようにいう。

「企業におけるさまざまな情報は、必要とされるものを必要なタイミングで、しかも正確に入手できてこそ、経営判断に役立てることができ、業務の円滑化を遂行することができるのです。ところが、製品ライフサイクルが短縮化し、生産や販売の拠点がグローバル化している昨今、従来型のシステムのままではほしい情報を得ることができなくなってきました。この点を解決し、いまお客様が必要とされる情報を“見える化”していこうというのが、私たちの提案する新世代ERPです。」

複数のシステム再構築プロジェクトで業務統括リーダを努めてきた東大祐は、「時代が進むにつれて情報の優先度もお客様の課題も変化していく」という。

「現在のERPの活用フェーズは世界的な活用フェーズです。日本国内では問題なくタイムリーに入手できていた情報も、海外の生産・販売拠点では思うように収集できなかったり、あるいはコーポレートガバナンスが重視されるなか、それぞれのローカルで個別に対処していた課題が本社で思うようにコントロールできないなど、市場がグローバル化してきたために、いままでのERPでは対応しきれないことが増えてきました。90年代後半~2000年初頭のERPが、分散していた情報を統合するためのERPだとしたら、新世代ERPは統合された情報を整理、活用し、未来のビジネス予測に先手を打つためのERPだといえます。」

すなわち、新世代ERPはより積極的な攻めの経営を支援するものである。では、情報活用を支援するシステム構築のためには何が必要となるのか。東はさらに語る。

「まずお客様がどういったデータをどのように必要とされているかを汲み取り具体化するためのリサーチを重点的におこないます。経営という視点からの大きな枠組みはもちろんですが、それぞれの現場でどのような課題を抱えているのかを詳細に情報収集し、分析をします。この地道な作業が、最適なシステムを作るための重要なベースとなります。」

鈴木もまたERP構築に対して「スマートなアウトプットの舞台裏」の重要性を指摘する。

「入念な調査や情報収集があるからこそ、生きた情報活用が可能となるのです。きれいごとではなく、本来の業務のあるがままの姿を直視することから、効果的なERPの構築がはじまるのです。」

ERPのテストケースとして富士通の社内実践を参照し、的確でスピーディーな構築を実現

最終的にどういった形で情報を活用するかという目的の明確化のために、お客様の情報を収集分析するのがERP構築の初期プロセス。これについて鈴木は次のように補足する。

「情報収集の際は、先入観を入れないようにして、お客様の現場目線で検証します。お客様ごとに業種も違えば、必要なポイントも違いますので、最初の段階で自分たちの経験をもとに憶測してしまうと、その後の構築プロセスに悪影響をおよぼすことがあるのです。」

情報収集が終わり、目的の明確化ができたところで、具体的な実践例を提示して課題解決のイメージをつかんでいただくのだ。さらに鈴木は語る。

「そこで、私たちの過去のプロジェクトや富士通の社内実践例からヒントになる部分を拾い上げてお客様にご提案します。富士通の社内実践例はお客様にとって一種のシミュレーションとなります。善いところ、悪いところが結果として詳らかになっていますので、お客様に説明する際に説得力のあるデータとなるのです。」

東は、多数の社内実践例がある事のメリットを日々感じている。

「実践例がふんだんにありますので、お客様の課題と重なるケースも多く、お客様にあわせた実践例を紹介することができます。この実践例の多さは富士通の財産であると同時に、お客様にとっても大きなメリットになると考えています。富士通の社内実践例を活用していただくことで、システム構築のスピード化が可能となるのです。」

そして鈴木も東もSEとして設計や開発を経験したことがシステム構築する際に大いに役立っているという。

さらに鈴木が語る。

「SEの経験からシステムの構成や中身を理解していますから、お客様に即答できる部分が多いと思います。たとえば、ERPの機能を活用するためには、今までの仕事の進め方を見直すとともに、会社組織の構造と役割も変えないと成立しないなど経験上お答えできることは、その都度お客様へお答えしています。そのことによって、お客様も安心し、信頼感をもって接してくださるようです。」

富士通の強みについて東はさらにいう。

「富士通の強みは、コンサルティングから設計・開発、システム構築までワンストップでサービスを提供できることです。お客様をお待たせすることなく、プロジェクトを進めることが可能なのです。」

ERPは決して魔法の杖ではない。情報を見える化するには、全社が同じ目標に合意形成することが必要

ERP構築は全社にわたる大きな流れだと東はいう。

「海外も含めた経営環境のなか、全社的なコンセンサスを得られなければ、ERP構築は決して成功しません。ほしい情報を必要なタイミングで参照するためには、それぞれの現場での情報入力が不可欠で、現場にERPが根付かなければ必要な情報そのものがきちんとインプットされません。ですから、システム構築の前には業務部門と現場が議論し、全社的な意識の共有化をはかっていくことが必要です。」

そういった共通の議論の場は、社内の活性化のチャンスでもあると鈴木はいう。

「日常の業務や経営の視点を相互理解し、お互いが気づきの機会をもつことになります。それは企業の成長にとって未来へ向けた大きなメリットでもあります。システム構築に向けた議論をきっかけとして社内の認識が高まり、円滑に意思疎通がはかれるという効果とともに、情報の見える化が促進されることもあります。」

そしてERPビジネスの今後について、東は次のように語る。

「1990年代に基幹システムをご導入いただいたお客様は、ちょうど見直しの時期であると思います。この機会に経営的視点で基幹システムを活用していただくためにも、ERPのご提供も含めた上流のコンサルティングをご検討いただけるよう、そのメリットを広く浸透させていきたいと思っています。さらには、これからの市場としてアジア圏を中心としたグローバルを視野に入れていきます。今後、ますます市場が成長し効率化のニーズが増えると予測されるアジアは、挑戦しがいのある市場だと思います。」

そして鈴木も、グローバル企業7カ国にわたるERP構築を成功させた自身の経験から、日本からグローバルへ向けた視点で考える。

「日本企業は、ますますグローバル市場へビジネスの比重を移しています。今後は、日本からグローバル展開する時のビジネスモデルをぜひ作っていきたい。日本発のシステムをグローバルで展開していきたいと考えています。」

そのうえで、究極のERPについて、鈴木は次のように語る。

「基幹システムは日本での集中化からグローバルでの集約化へとシフトしています。世界中の情報がリアルタイムに引き出せるのが『究極のERP』といえるのでしょう。それを目指して、私たちはお客様ごとの課題のポイントを見極め、ビジネスの未来予測に確実に役立てることができるようご提案して、システム構築を重ねていきたいと思います。」

予測が困難なビジネス環境のなか、経営資源を見える化し、経営の未来予測に役立つ新世代ERP構築を、企業全体の業務改革という切り口で富士通は展開する。地に足のついたソリューションで確実に企業の課題を解決するというねらいは着実に成果を上げている。

[2009年11月2日 公開]

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