- 病院経営の効率に貢献し、地域連携を実現する電子カルテシステム
神奈川県藤沢市の北部に位置し、地域の医療・保健・福祉を担う藤沢湘南台病院様。同病院では、業務改善を目的に、システムの導入を検討。富士通がおこなった現状業務の分析をもとに検討を重ねた結果、電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」の導入を決定。同システムは業務の効率化をもたらすとともに、医療の質や患者様へのサービス向上にも寄与しています。

藤沢湘南台病院様は1932年に設立されて以来78年、近隣市町村の 中心的病院として、地域の医療を担ってきました。1994年に老人保健施設「藤沢ケアセンター」、1996年に「藤沢訪問看護ステーション」、1999年に「居宅介護支援センター」、2000年に健康増進施設「ライフメディカルフィットネス」を開設。現在は、急性期病棟240床を主軸に合計303床を有しています。
同病院では、富士通のオーダリングシステムを利用していましたが、9年近くが経過し、パワー不足で、ディスク容量も限界に近づくなど、入れ替えが検討されていました。また同時に、外来患者様の数が年々増加。病院全体の業務改善が大きなテーマになっていました。
「病院長から業務改善と人材適正配置の担当に任命され、業務改善の施策を考えるなかで挙がってきたのがオーダリングシステムの入れ替えであり、電子カルテシステムの導入検討だったのです」と、今回のプロジェクトの責任者となった高橋副院長は語ります。
システムの導入検討にあたっては、各部門から選出された医師や看護師、職員などでワーキンググループを立ち上げるなど、病院内の体制を整えられました。
病院内の現状の問題分析にあたっては、ワンストップソリューションスペシャリストSEを有し、先進的にヘルスケアソリューションにも取り組んでいる株式会社富士通ビジネスシステムがサポートしました。システムの更新がお客様の業務改善となるのか。業務の現状課題を解決するために、お客様と一体となってシステムの検討を始めました。そのなかで現状業務を把握するために、看護師や薬剤師、栄養士など10部門以上の担当者からのヒアリングを実施。実際の業務にかかっている時間やコストを算出し、同病院で本当に必要な機能を洗い出し、電子カルテシステムを導入した場合の投資効果を実数値で提示しました。
「外来ではカルテの厚さが10cmを超える患者さんもいて、どこに何が書いてあるのかを探すのに苦労する状態でした。また、カルテは全診療科で共通のため、検査で患者さんが待っているのにカルテが来ていないなどカルテが取り合いのような状態になることもありました。さらに、検査結果などの電子データを紙に出力してカルテに貼る作業があったり、カルテに書いてある文字が読みにくかったりということもあります。何よりも、紙カルテの保管スペースが限界に達しているという問題がありました」(高橋氏)。
こうしたことから、同病院の業務改善を進めるためには電子カルテシステムの導入が不可欠と、2009年3月「HOPE/EGMAIN-GX」の導入を決定されました。
「HOPE/EGMAIN-GX」を導入された背景として、オーダーメイドでシステムを作るには病院自体の余力やコストなどの問題があり、パッケージでのノンカスタマイズでの導入が望まれていたことがあります。また、2009年7月のDPC(注)本請求開始や、10月の機能評価更新などへの対応をはじめ、現状の業務改善だけでなく、将来を見据えた施策が望まれていたことや、このシステムがユーザーの声を吸い上げ、定期的にレベルアップを実施し、成長させていくことができるシステムであったことがありました。
そして、2010年3月の本稼働に向けて、富士通のサポートのもとでの運用テストやリハーサルの実施、導入後 1週間程度は患者様の予約を減らすなどの入念な準備がおこなわれた結果、大きな混乱もなく順調に電子カルテシステムが導入されました。
「導入後のイメージができていなかった当初は不安もありましたが、リハーサルなどで実際にシステムを使い始めてからは意外と簡単に使えるということがわかり、予想よりもスムーズに医師への浸透をはかることができました。特に、若い研修医などは水を得た魚のようにシステムを使いこなし、こうすれば便利ですよと、逆に提案してくれました。院長は、賞品をつけて便利機能の発表会をやろうとまで言ってくれています」(高橋氏)。
2010年3月に電子カルテシステムが稼働。システムを導入したことで、カルテを運ぶといった手間がなくなり、医局にいてもすぐにカルテの内容を確認したり指示したりできるようになりました。また、同時に複数の医師でカルテを見ることもできるようになりました。外来患者様の予約一覧から担当する患者様のカルテを前日に検索し、予習をおこなうといったこともできます。システムが院内に定着すれば、業務の効率化とともに、会計待ち時間が軽減され、患者様に向けたサービスの質の向上が実現されるものと期待されています。
「今後は、メディカルクラークにシステムの書類作成を振り分けるなど、業務分担を考え、医師や看護師が本来の業務に時間とエネルギーを割けるよう、病院全体の仕組みを考えていきたいと思っています。そうすることで、これまで時間的に難しかった患者さんまで診ることができるようになり、患者様へのサービスの向上にもつながると考えています」(高橋氏)。
将来的には、地域の診療所などと共通のシステムによる連携ができれば、採血やレントゲンなどの検査の重複を避けることができ、日本全体の医療の効率化にもつながる。電子カルテシステムは、そういったことに寄与する可能性を持っていると、高い評価を寄せていただきました。
[2010年7月1日 公開]
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