- 改正省エネ法への対応を、企業強化のチャンスに変える。
環境経営の実現が、企業価値の向上に貢献する。
2010年4月に施行された「改正省エネ法」では、その適用範囲が大きく拡大。
これまで省エネ法の報告対象外だった多くの企業にも対応が求められるなど、喫緊の課題として浮上してきています。
“エネルギーマネジメント元年”ともいえるこうした状況の中で、同法への対応をきっかけに企業が環境経営を実現し、企業価値を向上させるための「3つのポイント」をご紹介します。
今日の企業にとって、地球温暖化防止に向けた省エネやCO2排出量削減のための取組みは、経営上の重要なテーマの一つとなっています。これに関し、2010年4月には、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」を改正した、いわゆる「改正省エネ法」が施行されました。
同改正法では、その適用対象を従来の工場や建物といった単位から、それら事業所を統括する事業者単位へと拡大しており、各事業者は本社や支店、営業所、店舗、工場などを含む企業全体で自社のエネルギー利用実態を把握し、原油換算で年間1,500キロリットル以上を使用している場合には、「エネルギー使用状況届出書」を国に提出しなければならないことが定められています。同届出を行った事業者は「特定事業者」または「特定連鎖化事業者」に指定され、中長期的観点で年平均1パーセント以上のエネルギー消費原単位の低減に向けた努力義務が生じるほか、「定期報告書」や「中長期計画書」を年度ごとに提出しなければなりません。加えて、事業者全体のエネルギー管理を行う責任者であるエネルギー管理統括者、およびそれを補佐するエネルギー管理企画推進者を選任することも求められています。
留意すべきは、一連の省エネに向けた取り組みが不十分であると判断された場合、国はその事業者に対して改善命令を出し、さらにその命令に従わない場合には、事業者名の公表や罰金といった罰則が課されるということです。仮にそのような事態に及ぶことになれば、企業の信用は大きく損なわれる結果となってしまいます。
またこの改正により、チェーン店を展開するようなスーパーやコンビニエンスストアなどの小売業、ホテルやファミリーレストランなどサービス業企業の多くが新たに省エネ法の適用を受けました。特にエネルギー管理に日が浅い企業には、初年度2010年11月の報告を終えて間もなく2012年度7月の報告を行うことは大変です。企業の環境管理者は速やか且つ正確にエネルギー利用状況の集計と中長期計画立案を行う必要があり、それには省エネノウハウとICTによる情報管理が有効だといえるでしょう。
改正省エネ法への対応にあたって企業では、たとえば本社ビルなどについては、ビル管理システム(BEMS:Building and Energy Management System)などを用いて利用したエネルギー量を把握。一方、その他の支店や営業所、店舗などに関しては、電気・ガス会社からの請求書をもとに算定し、それらの情報を本社のエネルギー管理部門でICTの活用によって収集・集計することで、「エネルギー使用状況届出書」や「定期報告書」などに関する報告・開示義務を果たすというのが一般的でしょう。
しかし、改正省エネ法への対応という観点では、企業には単に報告義務を果たすだけではなく、今後3~5年程度を見据えた中長期的視点で年平均1パーセント以上のエネルギー消費原単位を低減するという努力義務が課せられており、それに向けたエネルギー合理化を実現するための設備の更新や改修に関わる計画、およびその具体的な実施時期、エネルギー削減量などを「中長期計画書」において明らかにする必要があります。そのためには、単にエネルギーの利用状況を集計・管理するだけでなく、本社をはじめとする全事業所のエネルギー利用に関わる動向を詳細に“見える化”し、どこにムダが存在し、どのような改善が可能なのかを適切に分析・検討して省エネを図り、その結果を報告に反映していくという、“エネルギーマネジメント”の構築が求められることになります。

改正省エネ法におけるエネルギー消費原単位の低減に向けた要求に応えるためには、自社のエネルギー利用に関わる現状評価、課題抽出、改善というPDCAサイクルを確立することが重要です。富士通は、自らが環境負荷低減に徹底して取り組んできた実績をベースに、そこで培われた高度なノウハウや先進のテクノロジーを活かし、お客様の“エネルギーマネジメント”を強力に支援。お客様企業におけるエネルギー利用状況の“見える化” から診断、省エネに向けた改善計画立案およびその実践に至る、トータルなソリューションを提供しています。
たとえば、“見える化”の局面では、組織のエネルギー情報を各拠点から効率的に収集・分析し、非効率性の所在など経営上必要な分析結果を経営層や拠点の管理者がタイムリーに得られる仕組みを用意。各種報告書の作成なども正確かつスピーディーに行えます。また、そうした情報に基づいた最適な省エネ計画の策定はもちろん、それら情報を経営指標に取り込んで環境経営を実現していくといったニーズに応えています。
また、経営側での取り組みに加え、省エネ活動の推進には、現場での実践を担う従業員一人ひとりの意識醸成も欠かせません。PCの利用に関わる電力消費の削減など、各人の省エネ実践についての達成度合いを“見せる化”し、従業員のやる気を高めるというアプローチを採用したソリューションも提供しています。
改正省エネ法への対応は、単なる法規制対応だけの観点にとどまらず、広義のコンプライアンスや環境経営の実現を通して企業価値を向上し、ビジネス競争力を強化するための重要な契機と捉えることができます。省エネを推進することは、当然、エネルギーを効率的に使用することになり、コスト削減にも貢献します。さらにその結果、企業に対する社会の信用も高まり、ひいては経営力の向上というメリットにも直結するわけです。
重要なのは、今回の法規制対応を企業強化のチャンスに変えるという積極的な視点に立って、最適なソリューションを実践していくことだといえます。
[2010年12月3日 公開]
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