- PLMで革新のチャンスをつかむ
8月28日(東京)、9月1日(大阪)の両日開催する『富士通PLM実践フォーラム』の基調講演は野尻寛氏。PLM構築に関する豊富な実績をもち、青山学院大学では他研究者とともに『事業創造戦略のPLM』研究を進め、実情に即したPLM実践論を展開している。

現代の製造業の課題とPLMについて野尻氏は次のように解説する。
「多品種少量生産が進み、さらにグローバルでみると地域ごとにさまざまなニーズがあります。単体製品のPLMではなく、製品ラインナップ展開を含めたPLMソリューションを展開する必要性があるのです。」
製品戦略からPLMを展開するのが事業創造戦略のPLMだ。そしてそれは現代日本の製造業が抱える課題を解決する方法のひとつであるという。
「日本は先進的な技術開発に関しては世界を牽引してきましたが、一方で製品がコモディティ化されてしまうきらいがあります。機能を高度化してものづくりを進めるのは得意なのですが、標準化機能をどう定義し提供し利用するかという点に関してはいささか弱いのです。」
「日本企業の多くは『擦り合わせ型』の製造プロセスを得意とし、部品を互いに調整しながら組み合わせることで高品質な製品を作り上げてきました。ところが標準化された部品を外部調達し組み合わせる『組み合わせ型』と比較すると、スピードやコストの面ではとても太刀打ちできない。『擦り合わせ型』の長所を保ちつつ世界市場で戦っていくためには、別の発想が必要なのです。」
それがプラットフォーム戦略であるという。
「プラットフォームは企業のコア(競争優位)技術を含みます。自社のコア技術を核にブラックボックス化して他社がまねできないモジュールとして確立するのです。自社の強み・コア技術を知り、そこから製品戦略展開することが望ましい。そして、コア技術を強化するためにPLMを利用していくのです。」
野尻氏は、グローバルマーケットを視野に入れた製品展開で大切なことは、当然ではあるが、まず自社の強み、弱みをつかむことだという。
「製品(機能)構成で何を固定とし、何を変動とするか、という分析が重要です。どちらかというと今まで日本企業が不得意としてきた徹底した分析力は、グローバル展開していくためには欠かせないものです。もちろん企業の多くは市場の状況認識はできていますが、慣れていない手法へ転換するのが苦手なのです。しかし、こういう経済状況の時期だからこそ変わらなくてはいけない、『本当にものづくりを生かす道』を考えなければならないと思うのです。」
市場セグメンテーションをどのように考えるか、トップダウンでの設計プロセスをどう実現するかなど、製造現場以外の課題も浮かび上がる。
「設計・製造がグローバル化し競争が激化、加えて環境問題やコンプライアンスへの対応などのためにPLMを導入する企業が増えていますが、部分最適にとどまっているケースが多いようです。これを企業全体の全体最適へと展開させ、経営者が望むような効果を出せるようにと考えたのが戦略BOMからのPLM展開なのです。」
企業のコア技術を明確化することによって、プラットフォーム戦略を実行でき、戦略BOMからのPLM展開が可能になるという。
「講演では、詳しい戦略BOMからの展開について説明をします。製造業の現場に関わる人にぜひ講演を聴いていただきたいと思っています。開発・設計者が、ものづくりそのものだけに邁進するのではなく、会社の目標を実現するために自分がどのような役割を果たし、マーケティングや商品企画など他部署の仲間とどのように協同するのか、それを導き出すうえでも、プラットフォームや製品戦略を開発・設計者自身が考えるべきです。それは必ず企業業績に反映され、日本発の ものづくりとして良い結果が出せるようになるのだと確信しています。」
日本の製造業の未来を熱くサポートしようとする野尻氏の見解は、新たなPLM展開の方向性を示している。
| 野尻 寛(のじり ひろし)氏 プロフィール |
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アプライドブリッジ代表。青山学院大学総合研究所 客員研究員。情報機器・通信機器メーカーでPLM化を指揮、そのPLM構築経験をもとにPLMビジネスのディレクター、システムインテグレーターやコンサルティング会社のPLMビジネスを企画・推進。2007年PLM分野のコンサル会社アプライドブリッジ設立。コンサルタントビジネスのほか、セミナーや講演も務める。 |
本フォーラムは終了しました。多数のご来場、誠にありがとうございました。

| 開催日時 | 2009年8月28日(金曜日)13時~17時40分 [受付開始12時30分~] |
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| 開催場所 | 目黒雅叙園(東京都目黒区) |
| 開催日時 | 2009年9月1日(火曜日)13時~17時40分 [受付開始12時30分~] |
|---|---|
| 開催場所 | ホテル阪神(大阪市福島区福島) |
本フォーラムではお客様における最先端のPLMソリューション実践事例をご紹介します。成功企業の「生の声」が聞けるチャンスです。さらに基調講演には青山学院大学総合研究所 客員研究員もつとめるアプライドブリッジ代表の野尻 寛 氏をお招きし、「グローバル化時代のPLM 戦略BOMからのPLM展開」と題してご講演いただきます。ご期待ください。
[2009年8月1日 公開]
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