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PLMで革新のチャンスをつかむ

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現在のPLMという概念が現れて20年以上が経過し、ものづくりの現場での活用も定着してきたが、極めて厳しく不透明な経営環境のなか、新たな飛躍に向けたビジネスプロセスの革新が求められる。現在PLMを使って、いかに有効なソリューションを導くかという期待度は一層の高まりを見せている。そのような状況下、8月28日(東京)、9月1日(大阪)の両日、『富士通PLM実践フォーラム』を開催する。富士通グループのなかで、もっともPLMに精通するデジタルプロセス株式会社の代表取締役社長 山田龍一に今回のフォーラムに対する意気込みを聞く。

今だからこそPLMで革新のチャンスをつかむ

様変わりする ものづくりを支えたPLM

日本の ものづくりは今世紀にはいって抜本的に変わってきた。そのツールとして活用されたものがPLM注1だ。

「CAD注2、CAM注3、CAE注4、そしてそれらを束ねて行くPDM注5といった形で、具体的なIT製品・ソリューションがPLMの構成要素として定着してきました。もちろんその背景には、開発や製造の現場で造りこまれてきた高い品質を更に向上させつつ、大幅な開発期間短縮や、徹底的なコスト削減を進めていかなければ熾烈な世界市場では戦えなくなってきたことがあります。」

目標が明確なそれらの課題に対しては相応の成果をあげてきた。しかし、いままた新しいハードルがあらわれているという。

「多様なニーズにタイムリーに応えるため、市場への素早い製品投入は必須となりました。そこで力を発揮したのがPLMです。開発・生産のリードタイムを短縮し、ユーザーニーズを迅速に製品へ反映させる、こうした明確な課題に対しては著しい成果をあげてきました。ところが、いま目の前では、かつてなかったような社会・経済情勢の変化が起きています。百年ぶりといわれる世界経済の悪化、そして逃れる事ができない資源・環境問題といった大きな課題に対してPLMをどう活用していくべきかを考える新たな局面にさしかかっているのです。」

もともとPLMとは、企業における製品の企画・開発からサービス・廃棄まで、ライフサイクルを通し収益を最大にしていく為の方策である。

「PLMを製造業の現場を中心としたミクロのライフサイクルでとらえるのではなく、社会インフラそのものにもかかわるマクロのライフサイクルととらえるのが肝要です。製品の開発・製造そしてサービス・廃却といったプロセスは、一企業内部や産業界のみで完結するわけではなく、原油価格や為替レートなどにも大いに影響を受けますし、資源枯渇や温室効果ガス削減などの全地球的な問題にも密接に関係しているからです。企業の収益に貢献することは当たり前ですが、それだけではなく、地球環境や社会情勢に適合した製品サイクルをつくること、それが私たち ものづくりの企業に課せられた使命だと思います。」

グローバル市場をターゲットにしたものづくり

地球規模での経済の低迷や環境問題を受け、ものづくりの現場も大きく変化せざるを得ない。先が見えない時代に突入しているといえる。しかしそれは『大変だけど、ある意味チャンス』なのだという。

「ライフスタイルや産業構造の変化など社会のベクトルが大きく変わりつつあるように見えます。自動車産業を例にとれば、最近電気自動車が話題になっていますが、普及に当たっては、自動車を造るだけではなく、街のいたるところに充電ステーションを設置することも考えなければならない。単に製品を作るだけでなく、同時に社会のインフラも整備して行かなくてはいけない。
このように、これからの ものづくりには、製造業の概念すら変えてしまうイノベーションが起こる可能性も充分にあります。こうした変化に対応するには ものづくりには従来以上にイノベイティブな発想が必要です。また、変化にうまく対処していける柔軟性ある事業体制を組めるか否かで製造業の成否が分かれるのではないでしょうか。そして変化があるということは、そこにビジネスチャンスも大いにありうるということです。変化により新たなビジネスモデルが誕生し、新たな活路が見出せるということもあるでしょう。」

グローバル市場を見据えた ものづくりには、段階的なソリューションが必要だ。

「正解はひとつではありません。そしてソリューションも段階的に考える必要があると思います。現場でのアプリケーション改変など短期的に結果が出るもの、世界的な開発・生産体制の見直しなど3年~5年の中期的に効果を見込みたいもの、そして全くの新技術開発など10年先を見越した長期目標、という具合です。もちろん、世界的な経済環境は今後も激しく変化し続けると思われますし、確実な長期予測も困難ですから、軌道修正しやすいような柔軟性を備えたPLMソリューションを展開していく必要があります。」

PLM実践フォーラムにむけて

PLMの実践に関しては、PLMを利用して何をするのか目的意識を明確にするのが大切だ。

「PLMはあくまで方法論であり、それを使って何の為に何を導きだしていくのかということが重要です。そして現在のように予測できない環境変化が続くなかにあって、PLMの適用を進めるには、私たちの今までの経験値にとどまることなく、お客様とともに模索しながら、必要とされる新しいソリューションを開発し確立していきたいと考えています。」

ハードやソフト、技術の側面だけではなく、人材面でのサポートも展開していきたいという。

「これからのPLMにおいては各企業の事業戦略に応じたコンセプトメーキングやプロセス改革の推進といった人的側面に依存した部分がますます重要になります。富士通グループは豊富な実務経験と方法論を身につけたフィールドイノベータを積極的に育成し、お客様のプロセス改革をサポートさせていただいています。こうしたニーズをお持ちであれば、ぜひご相談いただきたいと思います。」

経済環境の急激な変化にも対応できる即応力と柔軟性がこれからは必須になる。

「デジタル化すれば何でもOKという時代は終わりました。これからは、お客様企業で蓄えられた膨大なデジタル化資産をどう有効活用して事業経営に生かしていくかという時代であり、今回のフォーラムでは、そのヒントとなるようなご提案をさせていただきたいと思っています。そして、大変に厳しい状況ではありますが、“ともに考え”“ともに造る”新しい時代を拓いていきましょう、というメッセージをお客様にお伝えしたいと思っています。」

確固たる解が見えにくい時代だからこそ、手をこまぬくのではなく、新しいことに挑戦していく必要があるという。

「いままでの経験や実績だけでは対応しきれない状況が出てきていると思います。いまはいわば踊り場のような時代。これからどんどん変化が訪れるでしょう。そのために準備すること、先手を打ってチャレンジしていくこと。『富士通PLM実践フォーラム2009』ではお客様とともにそのことを考えていきたいです。」

今回のフォーラムは、厳しい時代の嵐が過ぎるのを待っているのではなく、やがて来る新しい飛躍のために積極的に備えて行く大切さを、PLMという側面から提言する。

注記

(注1)PLMとは :
Product Life cycle Managementの略。製品の設計・開発・保守・廃棄・リサイクルなど、製品のライフサイクル全体を通して、製品関連情報を一元管理すること。
(注2)CADとは :
Computer Aided Designの略。コンピュータを用いて設計すること。または、設計支援機能を組み込んだシステム。
(注3)CAMとは :
Computer Aided Manufacturingの略。コンピュータを用いて製品の製造・加工をおこなうこと。CADで形成された形状データを入力データとして、数値制御の工作機械を操作しておこなう。
(注4)CAEとは :
Computer Aided Engineeringの略。コンピュータを用いて、製品の設計・開発工程を支援すること。設計支援システムや解析システム、シミュレーションシステムなどがある。
(注5)PDMとは :
Product Data Managementの略。製品開発の企画段階から設計、生産、さらに出荷後のユーザサポートなどすべての過程において製品を包括的に管理し、PLMの実現を支援するもの。

[2009年8月1日 公開]

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