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【第二回】波頭亮氏 / 「SOLVE」で紐解く経営手法とICT活用法(前編)

戦略を操る強いリーダーシップと持続可能な経営ビジョンの再構築

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高度成長期から「戦略の時代」「組織の時代」を経て、日本経済は成熟期を迎えている。右肩上がりの成長が見込めない状況で、企業経営に求められるのは何なのか。また、ICTはどのような役割を担えるのか。

企業を変革する“リーダーシップ”

著書『組織設計概論』では、80年代を「戦略の時代」、90年代を「組織の時代」と位置付けていますが、2000年代以降は“何の時代”とお考えですか。

顔写真:経営コンサルタント 波頭亮氏

80年代は、70年までの高度経済成長が一段落したために競争優位性が求められ、また多様化した市場に対応するためマーケティングが重視されるという、戦略の重要性が高まった時代でした。その後に続く90年代は、戦略の的確さだけでは大きな成果が上げられなくなります。何故ならば、各社が合理的な戦略策定のスキルを身につけてきたからです。その結果、変化への柔軟な対応力を持つ組織の必要性が強まりました。

2000年代以降を一言で表現するのは難しいですが、80年代から現在、そして将来を見据えた展望を含めて、私は「S・O・L・V・E(ソルブ)の時代」と整理しています。

SOLVEは、Strategy(戦略)、Organization(組織)、Leadership(リーダーシップ)、Vision(ビジョン)、Execution(執行力)、それぞれの頭文字を取った造語です。戦略と組織の時代を経て、2000年代以降はリーダーシップとビジョン、そして執行力が強く求められる時代だと言えるでしょう。

このキーワードを、提唱される理由についてお聞かせください。

時代の変遷を追うと、企業経営に求められる要件が時代ごとに変化することに気付いたからです。戦略と組織の時代については先ほど申し上げた通りですが、2000年前後には経営トップの意思決定と指導力で、会社ががらりと生まれ変わるケースをいくつも目のあたりにしました。

代表例が、カルロス・ゴーン氏による日産自動車の復活劇です。ルノーでの手腕を買われたゴーン氏は、主力の日産自動車村山工場など、生産拠点の閉鎖や子会社の統廃合、早期退職制度による大胆なリストラを次々と断行しました。

一方で、ブランドイメージの一新や新車種の投入など、将来を見据えた展開も忘れません。その結果、年間7,000~8,000億円あった赤字を、就任後数年で同額の黒字を計上するまでに“V字回復”させたのです。12%前後まで落ちた国内シェアも20%近くまで高まりました。

そのほかにも、多くの企業がトップのリーダーシップによって大きな飛躍を遂げたのがこの時代です。世界に先駆けてハイブリッド車「プリウス」を投入するなど“攻め”の経営で、名実ともに世界No.1自動車メーカーの座に着いたトヨタを率いた奥田碩社長(当時)や、いったんは社長の座を退くも2005年に再就任し、海外を含めた積極的な店舗展開で躍進を続けるユニクロの柳井正社長など、1990年代後半から2000年代にかけて、強いリーダーシップを持った経営トップの活躍が目立ちました。

企業経営には戦略も大事、組織も大事ですが、いかに優れた戦略や組織があっても、経営トップがそれをどう率いるかで結果は大きく変わります。それだけに、リーダーシップが極めて重要であることを改めて痛感させられた時期でもありました。

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