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環境省様

環境省 with 富士通 「エコチル調査」を支える富士通のICT

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官公庁・自治体

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今、ぜん息やアトピーなど子どもの疾患と生活環境との因果関係を究明する調査が世界中で行われている。日本では環境省が主体となり、2011年から「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」がスタートした。子どもが胎内にいる時から13歳になるまで追跡調査を行い、さらにその後データ解析を行うなど、長期間にわたる同プロジェクトを担うシステムには、セキュリティや柔軟性が高いレベルで求められる。こうした課題解決に貢献したソリューションが富士通のSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)」だ。約3ヵ月という短期間での構築を果たすとともに、全国から集まるお母さん、お父さん、子どもたちの膨大なデータを安全に保持、長期にわたるプロジェクトの円滑な進行を支えている。

課題と効果 1開始直前まで要件定義を検討 SaaS型システムにより短期構築を実現[確実なプロジェクト開始]  2全国から集まる膨大な調査データの管理 セキュアで可用性の高いデータベースを構築[調査データを安全に保持] 3子どもの成長段階に応じた調査方法への対応 柔軟性・拡張性の高いシステムの採用[調査内容の変化への対応]

導入の背景

子どもの健康と環境の因果関係を調査

環境省環境保健部環境リスク評価室長 戸田 英作氏の写真
環境省環境保健部
環境リスク評価室長
戸田英作

近年、生活環境の中にある物質が原因のひとつと推測される、ぜん息やアトピーのようなアレルギー疾患などの子どもの疾病が増えている。例えば日本では、公害が深刻であった時代に比べ、空気は格段にきれいになっているにもかかわらず、ぜん息の患者数は明らかに増えた。また、自閉症や小児肥満などの疾病も増加傾向にある。

環境省 環境保健部 環境リスク評価室長 戸田英作 氏は「いわゆる『キレやすい子どもが多くなった』などということも含め、子どもの健康に何か起こっているという意識が非常に高まっています。医療の進歩に伴い乳児死亡率などは激減する一方、統計で見る限り、前の世代より悪くなっている事象が次々と起きています。これは子どもの健康において、現代特有の、あるいは先進国に特有の課題があるのかもしれません。今まさに、子どもの健康と環境がどうつながっているか、その因果関係を解明していくことが求められているのです」と話す。

現在、それらの疾病の原因を探る調査が世界各国で活発に行われている。子どもの健康状態と環境の推移を長期間見守り、その結果を分析することで、因果関係を探り出すのが狙いだ。日本においても取り組みがすでに始まっている。それが環境省を主体に、厚生労働省と文部科学省の連携のもとで進められている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」だ。子どもとその両親10万組を調査対象に、子どもが母親の胎内にいる時から13歳になるまで、健康状態を追跡調査。そうして蓄積されたデータをその後数年にわたり解析し、子どもの健康と環境の因果関係の解明に役立てる国家プロジェクトである。

「分析結果をもとに、子どもの成長や健康に影響を与える物質の使用を規制するなど、有効な対策を講じることで、安心安全な子育て環境を実現し、子どもたち、そして次世代の人々の健康促進に貢献したい」(戸田氏)この調査に、平成24年9月28日時点で、既に約4万5千人の母親が参加を表明している。

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導入のポイント

短期構築と高セキュリティ、システムの柔軟性は必須

独立行政法人 国立環境研究所
環境健康研究センター センター長 新田 裕史氏の写真
独立行政法人 国立環境研究所
環境健康研究センター
センター長
新田裕史

具体的な調査手法は、半年に一度の子どもの成長や病気のり患、生活環境に関するアンケート、子どもや両親の血液や髪の毛、母親の臍帯(さいたい)血などの生体試料の収集が中心となる。生体試料そのものもデータとともに長期保管する徹底ぶりだ。

調査範囲は全国15エリア。各エリアでは「ユニットセンター」が軸となり、それにつながる地域医療機関から診療記録などを収集。最終的には国立環境研究所内にある「コアセンター」にすべてのデータが集約・管理され、逐次、各医療・研究機関と連携しつつ分析を行う。

このように、エコチル調査は大規模かつ長期間のプロジェクトであるがゆえに、その取り組みを支えるシステムにはさまざまな要件が求められた。システム構築の中心的なメンバーの一人である独立行政法人 国立環境研究所 環境健康研究センター センター長 新田裕史 氏はシステム要件で特に重視したポイントとして、「短期間での構築」、「セキュリティ性」、「システムの柔軟性」の3つを挙げた。

「参加者募集開始は2011年1月からと決まっていました。当時、システムの要件定義には2010年9月頃までかかる見込みでしたが、システム構築が間に合わないからといって、スタートを延期するわけにはいきません。約3ヵ月という短い期間で、求められるシステムを確実に構築できることが必須でした。

一つが、システムがフレキシブルであるということです。子どもの成長は“待ったなし”であり、半年で大きく状況が変わるものです。質問票は子どもの成長にあわせて質問項目が変化するため、最初から13年分作るのではなく、都度最適化しながら、半年ごとに作成していくことになっています。そのため、子どもの成長に伴う調査内容の変更に、システムが追随できなければなりません」(新田氏)

また、ここの調査で合わせて重要なのがセキュリティです。エコチル調査で扱う情報は、子どもや両親の健康状態をはじめ、極めて高い機密性が要求される個人情報ばかりです。そのため、システムは強固なセキュリティが大前提となります。

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導入から構築まで

CRMateで3ヵ月間の短期構築を実現

こうした課題を解決するために採用されたソリューションが、富士通のSaaS型アプリケーションサービス「CRMate」である。「CRMate」はさまざまな収集・統計作業を簡単にシステム化し、業務の効率化を支援するソリューションだ。新型インフルエンザや口蹄疫調査のためのシステムなど、官公庁における短期導入の実績も採用の後押しとなった。

実際の導入では、2010年9月の要件定義決定から約3ヵ月でのスピード構築を実現。「CRMate」はもともとカスタマイズが容易な製品であり、要件を詰めながら並行して構築を進められたことが功を奏したと言える。

また、調査データを長期間にわたり安全に保持するセキュリティにも配慮。情報漏えい対策については、現場の使い勝手やコストなども鑑みつつ、システムログインに生体認証(手のひら静脈認証)を導入するなど、さまざまな手法の適切な組み合わせで実現している。

調査内容などの変化に追随できるシステムの柔軟性・拡張性も確保。例えば、質問票の質問項目に追加・変更がある度に、システムの入れ替えや更改が必要となるのでは、プロジェクトが大幅に滞り、コストも要してしまう。CRMateはこうした質問票の変更要求にも素早く対応できた。

他にも今回のシステム構築にあたり、メニュー文言の変更などにより、利用者にとって使いやすい、直感的な操作性の向上を目的としたカスタマイズを実施。 収集した膨大な調査データを瞬時に検索することが可能となっている。

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導入の効果と今後の課題

ICTの有効活用で子どもたちの健康と未来を守る

システムは2011年1月のカットオーバー以降、安定稼働を続けている。

今後は調査・分析を計画通り進めると同時に、プロジェクトがより円滑に進められるための体制整備にも着手していく構えだ。新田氏は今後の展望について「質問票は現在、紙に記載する方式で回答していただいていますが、いずれはネットワーク経由で回答できる仕組みをできないか検討しています。また、参加者の方々とのコミュニケーション手段として、SNSのような仕組みを活用できないか議論しています。

そして13年間で蓄積したデータをどう分析するか、統計手法も含めてこれから検討していくことになります。これだけの大規模になると、分析で扱う変数も膨大で、ありとあらゆる組み合わせが考えられます。国の予算を使って行うプロジェクトですから、国民の健康や環境行政に反映させていく優先度を考えて進めて行きます。今は、その基礎となるデータの構造を、しっかり作っていく段階ですね」と話す。

これから蓄積されていく調査・分析成果は国民に還元し、日本から世界に発信すべく、今後もさらにプロジェクトを前進させていくという。環境省の戸田氏は「子どもの健康と環境の因果関係は、国民の皆様にとって大きな関心事であり、それに応えていくことは私たちの重要な使命です。今後もそのような想いのもと、認知度向上も図りつつ、プロジェクトにまい進していきます。そして、これだけの大規模・長期間プロジェクトだからこそ、国が主導する必要があると考えています。調査・分析は世界水準で進めますが、なかでも分析は日本の得意分野です。その強みを活かして、世界をリードしていきたいと考えています」と決意を語る。

エコチル調査は、まだ緒についたばかりだ。追跡調査の期間を経て、すべてのデータが統計・分析される。そして、さらに研究の期間に4~5年費やされる、未来へのプロジェクトだ。参加者募集の3年も加えれば、20年にもおよぶ“未来へのプロジェクト”だ。これはいわば、国が社会環境のコンプライアンスをしっかりと守り、子どもたちの未来への責任を果たしていくミッションでもある。

富士通のSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)」

「CRMate(シーアールメイト)」システム概念図

「CRMate(シーアールメイト)」システム概念図

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【環境省様 概要】
所在地 〒100-8975
東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館
環境大臣 長浜博行
事業概要 (1)廃棄物対策、公害規制、自然環境保全、野生動植物保護などを自ら一元的に実施するとともに、(2) 地球温暖化、オゾン層保護、リサイクル、化学物質、海洋汚染防止、森林・緑地・河川・湖沼の保全、環境影響評価、放射性物質の監視測定などの対策を他の府省と共同して行い、(3)環境基本計画などを通じ政府全体の環境政策を積極的にリードしています。
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[2012年10月16日公開]

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