プレスリリース
2009-0004
2009年7月24日
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社
株式会社富士通研究所
世界最高性能!次世代ロボット向け画像処理モジュールの販売開始
~ロボットや組み込み機器に適した小型・低消費電力・高性能画像処理モジュール~
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社(注1)(以下、富士通九州ネットワークテクノロジーズ)と株式会社富士通研究所(注2)(以下、富士通研究所)は共同で、高性能かつ、小型、低消費電力な次世代ロボット(注3)向け画像処理モジュールを開発しました。
本モジュールは、ロボットの環境認識で必要となる3次元の形と動きの認識のための画像処理では世界最高性能の組み込みモジュールです。小型、低消費電力で、高度な画像認識性能を持つ次世代ロボットや映像監視装置などの組み込み機器を実現することができます。
本モジュールは富士通九州ネットワークテクノロジーズより、国内の大学の研究機関や画像処理を行う組み込み機器を開発する企業のお客様を中心に販売を開始します。

図1:新開発の画像処理モジュール
少子高齢化による労働力不足や要介護者の増加、犯罪や災害への不安の高まりなどの社会的背景を受け、人と共存して人を補助する次世代ロボットの実用化が進めれられており、2025年には352万人分の労働力(注4)になると予想されています。次世代ロボットが人の存在する生活空間で、自ら認識、判断して作業を遂行するためには、人間と同じように、実世界にある物体の形や動きをリアルタイムに3次元で認識する機能が不可欠です。また、セキュリティ、高度道路交通システムなどの分野においても、行動監視や安全運転支援のための画像認識へのニーズが急速に拡大しています。
このような画像認識には、次々と入力される画像に対して、局所的に明るさが大きく変化する特徴的な領域を多数抽出して、オプティカルフロー(注5)による動きベクトル検出やステレオビジョン(注6)による奥行き検出を行い、それらの情報を総合して複数の物体の動きと形を認識する必要があります。これらの処理は、多くの計算量が必要であり、従来の高性能なPCや画像処理装置では、リアルタイムで処理できる領域が数百ヶ所程度に限られるため、小さい物体や遠くにある物体の3次元位置と運動を認識できない点に課題がありました。また、次世代ロボットでは、小型ロボットへの搭載を考慮して、処理装置の面積が150平方センチメートル以下で消費電力が20ワット(以下、W)以下程度の小型化、低消費電力化が求められています。
この課題を解決するために、今回、富士通九州ネットワークテクノロジーズと富士通研究所は、画面内の2,000ヶ所以上の領域からの動きベクトルと奥行き情報をリアルタイム(33ミリ秒)で処理する性能を備え、なおかつ小型、低消費電力を実現した世界最高性能の組み込み画像処理モジュール(ステレオビジョンモジュール)を開発しました。本装置を用いることで、次世代ロボットや映像監視装置などの組み込み機器の画像認識性能が飛躍的に向上します。
なお、本装置は、富士通株式会社が独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)の『ロボット・新機械イノベーションプログラム』「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」(平成19 年~平成23年度)の受託業務として開発したプロトタイプをもとに、製品化されたものです。
本製品の特長
- 3次元の形と動きの認識で世界最高性能

- 本装置には3次元計測、動き計測、パターン認識(注7)などの視覚認識機能に共通する基本画像処理を専用ハードウェア化した当社独自アーキテクチャの画像処理LSIを搭載しております。このLSIにより、2,400ヶ所の領域からの特徴点抽出と動きベクトル検出と奥行き検出を31ミリ秒で高速に処理(注8)する組み込み画像処理モジュールとしては世界最高性能を実現しております。また、2つのパターンの一致度の計算では当社従来機種比5倍以上のパターンマッチング性能(注9)を実現しております。
画像処理の高速性を実現したことでステレオビジョンによる物体の3次元位置と動きの計測を高速に処理することが出来るようになりました。
- 本装置には3次元計測、動き計測、パターン認識(注7)などの視覚認識機能に共通する基本画像処理を専用ハードウェア化した当社独自アーキテクチャの画像処理LSIを搭載しております。このLSIにより、2,400ヶ所の領域からの特徴点抽出と動きベクトル検出と奥行き検出を31ミリ秒で高速に処理(注8)する組み込み画像処理モジュールとしては世界最高性能を実現しております。また、2つのパターンの一致度の計算では当社従来機種比5倍以上のパターンマッチング性能(注9)を実現しております。
- 小型化、低消費電力化で小型ロボットへの搭載が可能

- モジュールの外形寸法は120×100×40ミリメートルと従来にない小型化を実現し、小型ロボットへも組み込み可能となります。また、消費電力は13Wと低消費電力ですのでバッテリーで動作するロボットへの組み込みも容易です。
- 容易なアプリケーション開発

- 本装置では画像処理ライブラリ、マニュアル、サンプルプログラムを提供致しますので、画像処理アプリケーションを自由にプログラミングすることができます。画像処理機能を最適に実行するための画像処理ライブラリを用いることで、高い画像処理性能を持つアプリケーションを容易に実現することができます。
また、Linuxを採用しておりますので、Linux向けに開発された豊富なオープンソースソフトウェア(開発環境、ロボット用ミドルウェア、画像処理ライブラリなど)を活用したアプリケーション開発が可能です。
- 本装置では画像処理ライブラリ、マニュアル、サンプルプログラムを提供致しますので、画像処理アプリケーションを自由にプログラミングすることができます。画像処理機能を最適に実行するための画像処理ライブラリを用いることで、高い画像処理性能を持つアプリケーションを容易に実現することができます。
- 高速ネットワークインタフェース

- 本装置はギガビット・イーサネット対応のLANポートを1ポート搭載しており、本装置の処理結果をLANポートのインタフェース経由で高速に取得することができます。本装置を複数配置してネットワーク接続することにより、広域画像監視システムを構築することもできます。
主な仕様
| 画像処理LSI | MB87Q0530PBG-GE1 動作周波数 200 MHz |
| CPU | PowerPC440 EPx 動作周波数 666 MHz |
| OS | Linux (kernel 2.6.27) |
| 画像入力 | NXV1-NTSC:NTSCコンポジット信号×2 NXV1-1394:IEEE1394 IIDC 1.30準拠×2 |
| 画像出力 | NTSCコンポジット信号×1 |
| 外部IF | LANポート(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T) ×1 RS-232Cポート×1、USBポート(miniABコネクタ) ×1 |
| 外形寸法 | 120×100×40ミリメートル |
| 重量 | 180グラム |
| 消費電力 | 約13W |
| 電源 | 直流5ボルト |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
- 注1 富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社:
- 代表取締役社長 日比野 達
本社 福岡県福岡市 - 注2 株式会社富士通研究所:
- 代表取締役社長 村野 和雄
本社 神奈川県川崎市 - 注3 次世代ロボット:
- 工場で製品の組み立てなどに使われる産業用ロボットと異なり、案内、搬送、巡回監視、清掃、福祉、生活支援、アミューズメントなどのさまざまな場面で、人間の代わりとして、または、人間と協調して働くことのできるロボット。
- 注4 2025年には352万人分の労働力:
- 財団法人 機械産業記念事業財団(TEPIA)による試算。
- 注5 オプティカルフロー:
- 動画像から各点の動きを求める手法の一つで、画像の濃淡の空間的変化と時間的変化を調べ、各点が移動する方向や速度を求める手法。
- 注6 ステレオビジョン:
- 立体物の形状や3次元位置の計測を画像から行う「3次元画像計測」の手法のひとつで、カメラなどを左右に2台並べて三角測量の原理で計測を行う手法。まず、画面の中で明るさの変化の大きい領域などの特徴のある領域(特徴点)を抽出し、次に、左右2つのカメラの画面の間で、これらの特徴点の対応関係を求めることで、3次元の情報を計算する。画面の中から特徴点を抽出する処理、左右の画面間で特徴点の対応を求める処理には多くの処理量が必要とされる。
- 注7 パターン認識:
- 入力された画像パターンをカテゴリに分類する処理。
- 注8 2,400ヶ所の領域からの特徴点抽出と動きベクトル検出と奥行き検出を31ミリ秒で高速に処理:
- 2,400ヶ所の領域からのコーナー抽出とステレオ処理による奥行き計測(領域サイズ8×8画素、視差範囲64画素の条件)、動きベクトル抽出(8×8画素、探索範囲16×16画素の条件)での当社実測値。
- 注9 当社従来機種比5倍以上のパターンマッチング性能:
- 正規化相関マッチング処理時間は10.2マイクロ秒(テンプレート画像サイズ:8×8画素、探索範囲:32×32画素の条件での当社実測値)。
- 注10 NTSCカメラ:
- 米国 National Television System Committeeが策定したアナログテレビジョン放送標準方式に対応したカメラ。
- 注11 IEEE1394カメラ:
- AV機器やコンピュータを接続する高速シリアルバス規格IEEE1394に対応したカメラ。
![]() 右目画像(上)、左目画像(下) |
![]() 人の3次元位置と3次元の動き |
図2:人の3次元位置と3次元の動きの認識
以上
販売に関するお問い合わせ先
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社
電話: 092-852-3152(直通)
E-mail:qnet-nxvsale@cs.jp.fujitsu.com
技術に関するお問い合わせ先
株式会社富士通研究所
ヒューマンセントリックコンピューティング研究所 自律システム研究部
電話: 046-250-8840(直通)
E-mail:robotvis@ml.labs.fujitsu.com
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。


