更新日2006年3月9日
| ステガノグラフィってなんだろう | |
| どうやって使うんだろう | |
| 応用 | |
| 原理-1 | |
| 原理-2 | |
| 特長と効果と課題 | |
| 小話 | |
| 関連ページへのリンク |

ステガノグラフィとは、カラー静止画像に目に見えないデータを埋め込む技術です。
昔でいうと紙を火に近づけて絵を浮かび上がらせる「あぶりだし」のようなことを、現代では携帯やスキャナを使って画像を読み込み電子情報にアクセスします。
つまり、電子機器を使って情報を得る「電子あぶりだし」のようなものです。

ステガノグラフィは、画像そのものではなく、画像に埋め込まれたデータが重要です。

一方、電子透かしは、画像そのものが重要です。そのため、著作権者などの情報(データ)を埋め込み、偽造やコピーから著作権の保護をしています。電子透かしには、お札のように透かしがわかる「可視透かし」と、画像や音楽などのデジタルコンテンツのように実際には目に見えない「不可視透かし」があります。

「Steganography(ステガノグラフィ)」という言葉には「伝言を隠すことで秘密に通信する」という意味があります。
ちなみに、ギリシャ語では「stego=隠す」「graphy=書く」です。
1) 画像データを用意します。
2) 加えたい情報をコード化し、画像に埋め込みます。
3) 業務用もしくは家庭用プリンタで印刷します。



4) 携帯電話カメラ、PC接続USBカメラ、スキャナなどで画像を読み取り、コード化されたデータを取り出します。
5) そのデータをもとにインターネットにアクセスしたり音楽をダウンロードしたり、デジタルコンテンツを受信することができます。


一日に何枚もの名刺交換をする方々に朗報です。ステガノグラフィ技術で顔写真の部分に情報を入れて渡しましょう。 交換相手に携帯電話やパソコンのwebカメラで読み込んで、アクセスしてもらいましょう。 「WEB検定1級を持っています。お任せ下さい。」というように、自己紹介内容を入れれば、新しい仕事をゲットできるかもしれません。
また、サーバ側の情報を新しくするだけで、同じ名刺を通して常に最新の情報をお客様に伝えられます。

未来の音楽情報誌や音楽情報WEBページでは、CDジャケットの画像にステガノグラフィが埋め込まれていて、音楽情報をその画像から得られるでしょう。 例えば、携帯電話で音楽をダウンロードする場合、媒体が紙だけではなく、ディスプレイの中にあっても写真を撮るだけで簡単に音楽を楽しめます。
ディスプレイに携帯電話をかざす姿ってとっても未来的ですね。
紙の節約にもなって、環境にもやさしいステガノグラフィ技術です。

人間の目の特性とカメラやスキャナなどの画像を読込む装置の色識別(階調数)や解像力の違いを利用しています。
人間の目は、黄色の明るさの変化に鈍感ですが、画像を読み込む装置は人間の目より黄色の変化を認識します。そこで黄色の階調変化を意図的に操作し、データを埋め込み、装置に読み取らせます。
(1)画像データを用意します。

(2)ブロックに分け、そのブロックごとに黄色の平均階調データを割り出します。

(3)ブロックを2つ一組に分け、隣り合うブロックの階調レベルの高低で0と1に定義します。
左が濃ければ「0」、右が濃ければ「1」と定義します。

(4)埋め込みたい情報を用意します。
例えば、お店の電話番号「012-345-6789」
このデータを0,1に変換します。「010011011・・・」
(5)画像の0,1のデータと埋め込みたい0,1のデータを照らし合わせます。

(6)二つのデータを比べ、異なっている画像データのブロックの黄色の階調レベルを調節し、0,1を埋め込みデータに合わせて変更します。

(7)全てのブロックに適用して、データを埋め込んだ画像が完成します。

(8)プリンタで紙に印刷します。
埋め込みデータの情報量は、カメラ付き携帯電話での利用を想定して、1ブロックを0.8mm四方以下に設定し、縦30mm、横40mmの画像で、10進数を12桁記録します。
このブロックのサイズは、人間の目にとってデータが埋め込まれていることが見えにくいサイズです。従って、画質を損ないません。
印刷物の色は、プリンタ毎に微妙に違い、印刷物の上と下でもムラがあり、更には印刷後には色も褪せていきます。しかし、隣り合ったブロックの相対的な関係を0,1で定義しているので、その関係が崩れることは非常に少なく、印刷しても埋め込んだデータを確実に取り出すことが可能です。

階調レベルの変更は、ブロックの中央部分のみに対しておこないます。ブロック全体の階調レベルを変更すると、ブロック境界で段さが生じ四角いブロック形状が目立ちやすくなります。これを避けるため、各ブロックの中央部分のみの階調レベルを変更することにより、隣接ブロック間のレベル差の確保と画質低下の防止を両立させています。

エッジ部分は隣同士のブロックの階調の差が大きいので、階調レベルを変更してしまうと凹凸が発生し、画質が大きく低下します。そこで、エッジ部分に対しては、埋め込み操作をスキップすることにより、画質低下を防止しています。

画像の左上から右下までブロックわけしていますが、埋め込みたいデータを4回繰り返します。万が一、1回目で読み取れなかったデータがあった場合、2回目で補います。

原画と印刷画像を比べた時、見た目の差(劣化)が殆どありません。
また、生産管理などの用途では、実写真を印刷して使うことができるので、画像と現物が一致している事を、事前に間違えることなく確認できます。


特殊なインクを使っていないので、一般的な家庭用のプリンタでも印刷が可能で、手軽に利用できます。インクジェットプリンタ、レーザープリンタなど、利用する際に特別なものを用意する必要はありません。
また、150dpi以上の解像度(1インチを150個の点の集まりで表現する)を認識できる入力装置(カメラ付携帯電話、USBカメラ、イメージスキャナなど)ならデータを取り出すことができます。

埋め込んだデータの取り出しは、隣接するブロックの階調レベルの差で検出するため、携帯機器の内部処理だけで「1秒以下」の高速な読み取りが可能です。(詳細は原理-1で説明)

現在は、データ埋め込み画像の四隅に十字マークがついています。
これは、画像を認識する際に位置合わせのために使われていますが、デザイン的な面などから、このマークを無くす必要がでてきました。
いろいろな使用場面に対応するために、現在の課題として研究を進めています。
みなさんは、顔は見たことがあるのに、名前がでてこなくて困ったことがありませんか?
または、顔と名前はかろうじてわかるけれど、どこでどんな内容で知り合った人だったか忘れてしまい、そんな人から声をかけられて会話中に必死になって、過去の記憶から情報を思い出そうとあせったりしませんか?(誠に失礼ながら筆者はよくあります。トホホ)
ステガノグラフィ技術の研究グループのNリーダーは、仕事上たくさんの人に会うけれど、顔を忘れてしまったり、どんな仕事で関わりあった人なのか忘れてしまうので、顔写真電話帳があったらいいのにな、と思って研究をはじめたそうです。
手軽に情報を入れることができて、しかも読み出しも簡単、さらに印象強くなるようアピール効果のある方法を考えた結果、今回ご紹介した技術になりました。

「研究員のNです。カラー画像に目に見えないデータを埋め込む技術を開発しています。商品化のご用命は090-123-XXXXへご連絡ください。お待ちしています」