富士通研究所

サイトマップ

Japan

ホーム | English

印刷用

元のページへ戻る

  1. ホーム >
  2. 技術情報 >
  3. やさしい技術講座 >
  4. 講座一覧 >
  5. ロボット >

更新日2008年3月4日


ロボット

家庭やオフィスで人間をサポートするロボットを研究しています。人間のような歩行や動作ができるロボットや博物館などでお客様の案内・誘導などができるロボットを開発しました。人間と自然なコミュニケーションをして、人間に役立つロボットを目指しています。

目次

HOAP(ホープ)-3
  • どんなロボットなのかな
  • どんな場所で活躍するのかな
  • 特長
  • 技術ポイント

enon(エノン)
  • どんなロボットなのかな
  • どんな場所で活躍するのかな
  • 特長
  • 技術ポイント

将来
富士通研究所のロボットの歴史
関連ページへのリンク

どんなロボットなのかな

HOAP(ホープ)-3の紹介

僕の名前は、ホープスリー。人間の赤ちゃん位の大きさのロボットだけど、僕はひとりで歩けるんだ。(身長60センチメートル、体重8.8キログラム)けっこう人気ものなんだよ。理由は次のページで紹介するね。
背中にモーター電源スイッチと外部電源入力ポートがあります。

頭部にマイク1個、顔に左右にカメラ2個、胸上部にスピーカー1個、胴体部にバッテリー内蔵



  • その他に各所にセンサーとモニターが内蔵されています。
    ジャイロセンサー(3軸)、加速度センサー(3軸)、足底センサー(片足4個)、握力センサー(片手1個)、距離センサー(1個)、モーター28個
  • 「HOAP(ホープ)-3」は、Humanoid Open Architecture Platform(ヒューマノイド オープン アーキテクチャー プラットホーム)の略です。
  • 「HOAP(ホープ)-3」は、「今年のロボット」大賞2007の優秀賞を受賞しました。

どんな場所で活躍するのかな

ロボットを研究しようとすると、ロボットの製造やメンテナンスが必要になり、多くの時間と費用がかかります。
そこで、運動生成ソフトウェア(補足-1)も含めた研究用の素材としてHOAP-3(ホープスリー)は、研究機関や大学で活用されています。

(補足-1)運動生成ソフトウェア
ロボットに指令を与え繰り返し動作させることで、ロボットが自ら学習を行い、スムーズな動きが可能となるソフトウェア

研究機関・大学


特長

HOAP(ホープ)-3には、4つの特長があります。
(小さくて軽い、スムーズな動作が可能、コミュニケーションもとれる、ユーザが自由にプログラムを組んだり、改造ができる)

小さくて軽い

身長60cm、重さ約9kgと手で抱えられるサイズになりました。

スムーズな動作が可能

28関節もあるため複雑な動作が可能です。

コミュニケーションもとれる

音声認識・音声合成機能、画像認識を標準搭載しており、音声や視覚等の人間とのコミュニケーション研究にも利用が可能です。

ユーザが自由にプログラムを組んだり、改造ができる

ソフトウェア面では、OSにLinux(リナックス:補足-1)を採用していますので、誰もが自由にプログラムすることが可能です。
ハードウェア面では、ロボット内にUSBインターフェースを採用している為、新たなモーターやセンサーの追加が容易です。

(補足-1)Linux(リナックス)
フリーのコンピュータ用のオペレーティングシステムで、コピーや再配布など自由に使えます。


技術ポイント

運動性能を上げるためのポイントが2つあります。(独自のモーターを開発、体内の計算処理を開発したモーターとセンサーで分散処理)
また、利用しやすくするためのポイントも2つあります。(シミュレーターを標準で添付、運動学習用ソフトウェアを独自に開発)

運動性能を上げるために

1.強くて軽く出力の高い、しかも安い関節用モーターを独自に開発

モーターの歯車部分に特殊な樹脂を採用しました。軽いけれど強さのある歯車ができたので、高出力を実現できました。

モーターとCPU(制御回路)を一体化して、小型化しました。

大きさ3.5センチメートルかける5.7センチメートル、重さ160グラム、出力6ワット

2.動くための計算処理を体内のモーターとセンサーで分散して行っているため動作が速い

1秒間に1000回の指令を出すことができます。

パソコンから無線LANによりUSBを使って体内の分散CPUへ指令を伝えます。(1秒間に1000回)体内の制御ネットワーク、モーターCPU28個とセンサーCPU12個で計算を分散処理し、動作します。

利用しやすくするために

1.シミュレーターを標準添付

実機で行う前にシミュレーションで動作を確認することができます。

2.運動学習用ソフトウェアを独自に開発(NueROMAニューロマ)

従来は、物理方程式による複雑な計算やプログラムが必要でしたが、独自に開発したプログラムRNN (リカレントニューラルネットワーク:補足-1)を使ったソフトウェアなので、簡単な操作のみで ロボットを動かすことができます。

(補足-1)RNN(リカレントニューラルネットワーク)
動物の神経をモデルにした回路を使い、複雑な動作を簡単な関数で表現し、少ない入力情報で動作させることができるプログラムです。

次のページから、enon(エノン)ロボットの紹介です。



どんなロボットなのかな

enon(エノン)の紹介

私の名前はエノンといいます。人間のお手伝いをするのが大好きです。小学校高学年くらいの大きさで、10キログラムの荷物も運べます。みんながゆっくり歩くスピードで動くことができます。(身長130センチメートル、体重50キログラム、時速3キロメートル)
充電するために充電ステーションがあります。

頭頂部にWebカメラ1個、顔の左右にカメラ6個、喉にマイク4個、胸にタッチパネルディスプレイ(TFT液晶10.4インチ)、液晶下にスピーカー2個、胴体下部に走行機構(車輪2個)



  • その他にセンサー(距離センサー11個、バンパーセンサー1個)がついています。
  • 「enon(エノン)」とは「an exciting nova on network(ネットワークの躍動的な新星)」の頭文字をとったものです。ネットワークと連携し、お客様の作業を支援できる自律的なロボットを意味します。

どんな場所で活躍するのかな

enon(エノン)はお客様と接する施設(スーパーやデパート、空港や駅、図書館やミュージアム)での活躍が期待されています。

スーパーやデパート

店内施設や商品情報の紹介を、モニターに表示してお客様に伝えます。タイムセールの時は、enon(エノン)が声を出して教えてくれるかもしれません。

空港や駅

今のところ4ヶ国語でお話しができる、国際的なenon(エノン)です。

図書館やミュージアム

館内を歩きながらenon(エノン)のモニタを使って本の検索や案内をしてくれます。10キログラムまでならお腹に本や展示物を載せてお手伝いをします。


特長

enon(エノン)は5つの大きな特長があります。
(自律走行、荷物の搬送、コミュニケーション、ネットワーク連携、安全性)

自律走行

・活動エリアの地図情報を入力しておくと頭のカメラを使って、壁などの位置から現在位置を認識します。指定された場所へ障害物をよけながら移動することができます。

・坂道なども車椅子用スロープ程度の角度を登れます。

・バッテリーの残量が少なくなると自ら判断し、充電ステーションへ移動し充電します。

充電中でも音声やモニターでの対応はできます。

荷物の搬送

・荷物をenon(エノン)胴体部に最大10キログラムの荷物を乗せて運ぶことができます。

背中にトレイを取り付けて物を乗せて運ぶこともできます。頭部が180度反転し、胴体後部を前にして走行できます。

コミュニケーション

・音声合成、音声認識機能や、胸部のタッチパネル付モニターなどを使って、人とコミュニケーションをとることができます。
日本語以外にも英語、中国語、韓国語を話せます。

ネットワーク連携機能

・無線LANを使用して、外部のサーバからコミュニケーションに必要な情報を送受信したり、遠隔操作するなど、ネットワーク連携できます。

外部のサーバから送られた情報をモニタに表示、もしくは、音声で回答します。

安全性

・人と接するために安全を第一に考えた設計になっています。
第三者機関(NPO安全工学研究所様)の安全鑑定を受けています。


技術ポイント

人の目の機能に近づけるために、独自に開発したLSIで視覚処理をしています。
また、人の中でロボットが働くために、安全性を重視しています。

人の目の機能に近づけるために

人間は物を見る時、右目と左目から得た、左右のズレのある情報を脳の中で一つにすることで正確な位置を認識し、物を立体的に捕らえることができます。
例えば、片目だけで物を見てつかもうとすると上手くつかめなかったりしますね。

視覚処理

1.目になるカメラが顔に6個ついています。正面、左右を見る時にそれぞれ二つ一組で動いています。

2.左右のカメラから撮った映像の特徴点を照合します。照合方法は、三角測量を用いて、特徴点とenon(エノン)までの距離などの位置を割り出します。

三角測量で、左目と右目それぞれで見ている画像の特徴点が、交わった所が目標物の位置になります。その目標物と左目と右目の中間点から結んだ距離が、エノンと特徴点のとの距離になります。

3.enon(エノン)に内蔵されている地図と位置を照合し、現在位置を特定します。

4.1秒間に一回のこの処理を行います。

5.これらの処理を独自に開発したLSIで計算処理をしています。ここでの処理が速ければ速いほど、障害物の検出や次の動作が速くなります。

人の中でロボットが働くために

人間の生活空間の中でロボットが動き回っても危険でないように様々な安全機能をもうけました。

安全性

・人の中で動くロボットなので、圧迫感が少ないように130センチメートルの身長になっています。

・重心を低くし、転倒しにくくしています。

・20度まで傾いても自動復帰できます。

・子供が腕にぶら下がったりなど、過度に腕に重さがかかった場合、脱力して腕やモーターが破損しないようにしています。

・腕の隙間などに手が挟まって怪我をすることのないようにモーターのパワーを80ワット以下に制御しています。このパワーは、人の近くでロボットが活動しても安全な出力です。(産業用のロボットなどは、ハイパワーなので人が近寄ると危険なので、柵で囲われています。)

・可動部分以外の隙間に手が入ったりしないように塞いであります。

・形のとがった部分を減らし、まるくしています。


将来

人間とロボットが仲良く暮らしている「こんなロボットがあったらいいな」を絵にしてみました。
(空飛ぶ空気ろ過ロボット、自律移動ロボット、お手伝いロボット)

空飛ぶ空気ろ過ロボット

将来の空を飛び回るピンク色のかわいらしい「くも型ロボット」です。地球に良くない汚い空気を口から吸い込んで、キレイな空気を吐き出してくれます。

自律移動ロボット

スケジュールに合わせて自動移動してくれる「いす型ロボット」です。今日の予定(時間と場所)をあらかじめ教えておくことで、予定の時刻になると知らせてくれて次の場所まで連れて行ってくれます。

お手伝いロボット

街中にあふれている「お手伝いロボット」です。空気を読んで、困っている人に声をかけて助けてくれます。善し悪しの判断プログラムは組み込まれているので、法を無視する行為は丁重にお断りします。


富士通研究所のロボットの歴史

富士通では、様々なロボットを研究してきました。

1980年~ 1990年~ 2000年~
極限作業ロボット ヒューマンフレンドリロボット 実用ロボット

原子力発電所用ロボット(1983年~1991年)

福祉施設用食事搬送ロボット(1998年)

小型ヒューマノイド(2000年)
小型ヒューマノイド

HOAP-1(2001年)

HOAP-2(2003年)

HOAP-3(2005年)
宇宙ロボット

ETS-VII搭載高機能ハンド(1996年)

タッチおじさんロボット(1999年)

ヒューマノイドロボットプロジェクト(1998年~2003年)
ホームロボット

MARON-1(2003年)
サービスロボット

enon(2005年)

関連ページへのリンク

研究紹介

  • ロボティクス、 PDF ヒューマノイドロボット(166KB/A4・1ページ)
  • ロボティクス、 PDF サービスロボット「enon」(185KB/A4・1ページ)
  • ロボティクス、 PDF 動的3次元環境認識 (216KB/A4・1ページ)
  • ロボティクス、 PDF 生物学的運動生成(371KB/A4・1ページ)

製品

  • ヒューマノイドロボット「HOAP-3」(富士通オートメーション)
  • 富士通サービスロボット「enon(エノン)」(富士通フロンテック)

展示会

  • 2007国際ロボット展「enon(エノン)」(富士通フロンテック)