富士通には、「H.264/MPEG-4 AVC」を採用した映像伝送装置(符号化・復号装置)「IP-9500」があります。テレビの中継放送などで画像の送信、受信時に活躍しています。この装置に入っている「富士通独自の計算方式」と「見た目のメリハリ画像制御」の2つの技術を紹介します。

「H.264/MPEG-4 AVC」では、前画面と次画面の細かい変化分を認識するため、「MPEG-2」よりも情報を処理する量が増えます。そこで、処理方法を工夫し、時間を短縮できる富士通独自の計算方式を開発しました。
鳥が移動している映像を例に説明します。

【従来の計算方式】
鳥が元いた場所から移動先までの周囲の情報を広い範囲で取得して、違いをみつけます。鳥が通っていない広い範囲の情報も処理するので処理量が多く時間がかかります。

【富士通独自の計算方式】
・最初に画像全体のサイズを小さくします。(探索エリアは同じですが、全体像が小さくなっているので、処理量が少なくなります)
・まず、大まかに鳥が移動した方向を取得します。
・何段階かで画像のサイズを元に戻しながら、移動先までの前映像との細かい違いを取得します。
こうすると鳥が移動した最小範囲の情報の取得だけで済むので、処理量が少なくなります。

同じ情報量の高画質な画像でも、機械的に均一な圧縮処理をしたものと、人間が「きれい」と感じるようにバランスを考えて処理したものでは、見た目が異なります。その人間の視覚特性を利用した画像制御技術を開発しました。
・コンピュータが、判断する高画質とは
国際標準ソフトウェアで処理すると画面全体を均一に高画質に処理します。全てが均等に圧縮処理されているので、コンピュータは高画質であると判断します。しかし、人間が見ると全体に少しぼけたように見えます。
・人間が「きれい」と感じる画像とは
人間は全体ではなく、見たい部分に注目しています。その注目する部分を高画質化すると、最も「きれい」な画像であると感じます。そこで、注目している部分の圧縮率を抑えて高画質にし、注目していない部分の圧縮率を上げて情報量を減らします。このように、バランスよく圧縮率を変える「メリハリ画像制御」をしています。
