更新日2009年4月14日
私達が日常扱う画像や音声といった情報の量がどんどん増えています。しかし扱う情報が多くなればなるほど、それを保存したり相手に送ったりする際にかかる時間が長くなります。そんな時、その情報をより手軽に扱えるようにするのが圧縮技術です
画像圧縮ってなんだろう
圧縮方法
・白黒(ファックス)など
・カラー静止画像(写真など)
・カラー動画像(テレビ映像など)
最新の圧縮技術「H.264/MPEG-4 AVC」
・H.264/MPEG-4 AVCってなに
・H.264/MPEG-4 AVCを実現する富士通の技術
・活用事例(こんなところで大活躍)
小話
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画像は沢山の情報でできています。その情報の余分な部分を減らして、全体の情報量を小さくすることが画像圧縮です。
新婚の圧子さんは、新居の収納のことで悩んでいます。独身時代、おしゃれだった圧子さんは沢山の洋服を持っていました。ところが、新しい部屋は収納が少なく、持っていく洋服がぜんぜん入りません。 しかも、その収納に夫婦とお客様用のお布団も入れなければならないのです。
一体、どうしたら良いのでしょう。

そこで、収納上手な先輩の縮美さんに聞いてみることに。
縮美さんは、たくさんの衣類や厚みのある布団は『衣類(布団)圧縮袋』を使って薄くしてから収納しているとアドバイスしてくれました。

早速、圧子さんは縮美さんのアドバイスを実行してみると、
いままで押入れには入らなかった沢山の衣類と布団が全部収納できてしまいました。

圧縮すると、引っ越しだって簡単です。 見積もりではトラック3台分だった圧子さんの荷物も、衣類と布団を圧縮袋でまとめることでトラック1台で運ぶことができました。

衣類や布団は隙間に入っている空気を抜くのですが、画像圧縮は決まった計算によって、削れる情報を抜き取っていきます。
つまり情報が減るということです。

Faxは、一般的に白い紙に黒で書かれていますね。これは、白と黒で表現されていると言う事です。

絵や文字というのは、実はごく小さな点の集合でできています。そしてこの絵の
の中を拡大してみます。

点(ドット)で形ができています。

白いドット
『0』、黒い ドット
『1』と決めます。

送信する時は1行目左から右へ、2行目左から右へと情報は順番に送られます。

まず、『白いドットを表す0
が連続何個』、『黒いドットを表す1
が連続何個』と数えます。
白いドット
と 黒いドット
の連続個数から、特定のコードを決めます。

(例)
白いドット
が連続10コ(0000000000)の場合
0001

黒いドット
3コで、白いドット
4コの場合(1110000)
0011

黒いドット
5コで、白いドット
1コの場合(111110)
0101
などなど・・・

そして、『000100110101・・・』とコードが送られると、ハートになります。
このように、Faxは送信されています。

【どうしてカラーFaxはなかなか家庭に普及しないんだろう】
カラーでは、情報量が増えるため、通信量が白黒より増え、プリントアウトの際に必要なトナーも増えます。また、お互いにカラー対応のFaxでないとカラーでプリントアウトされないので、一般的に家庭では白黒Faxが使われています。
たくさんの情報を一度に送るためには、送信者が情報(静止画)を圧縮する必要があります。どのように圧縮するのか、一般によく使われているJPEG方式を例に説明します。 (JPEGとはJoint Photographic Experts Groupの略で、静止画像を圧縮する方法の一つです。)
画像を8×8個の点から成る正方形のブロックに分解して、1ブロックごとに明るさの情報と色の情報を周波数に変換します(DCT演算:離散コサイン変換)。高周波成分と低周波成分にわけて、高周波成分は「0」に近い数字になるため、情報として読み取りません。低周波成分のみ01信号に変換します。


粗い画像で最初から全体像が表示されます。そして徐々に細かいきれいな画像になっていくのを見たことはありませんか。それが、プログレッシブ方式の特長です。

カラー動画像の情報はカラー静止画像に比べて多くなります。それを相手に送る場合、情報を更に圧縮する必要があります。動画を圧縮する規格として、例えばMPEGやH.264が知られています。
情報が多いため、静止画像の圧縮方法に加えて、更に2つの方法で情報を減らします。
1)変化があった情報のみを送る
2)1秒間に30枚から成り立っているフレーム数を間引いて送る
という方法で情報量を少なくしています。
尻尾を振っている猫の映像を例にして説明します。
1)変化があった情報のみを送る

2)1秒間に30枚から成り立っているフレーム数を間引いて送る
テレビは1秒当り30枚のフレームから成り立っています。少しずつ動きの違うフレームから不自然でない程度にフレームを間引くことで、情報を減らします。

市販のDVDで使われている従来の動画圧縮規格の「MPEG-2」に比べて、2倍以上の圧縮が可能です。つまり、元の情報を更に軽く小さく圧縮できます。その圧縮率の高さから、私達の身近なところで使われています。
(適用例)
ワンセグ、車載プレーヤ、インターネット放送、ハードディスクレコーダ、など

標準化を決める団体が異なるため、対象となる呼び方が異なっています。この動画圧縮技術は2つの標準化団体が共同で策定した規格なので、正式名称は「H.264/MPEG-4 Advanced Video Coding」といいます。各標準には、それぞれ得意な適用分野がありますが、「H.264/MPEG-4 AVC」は広い範囲に利用可能な技術です。

変化した画像部分を送るのはMPEG-2と同じですが、画面全体をより細かく分割し、 変化した情報のみを送るようにするため、同じ変化した画像でも、情報量を小さくできます。

変化した情報(どっちの方向にどれだけ動いたかという情報)についても、「MPEG-2」は0.5画素単位でしか変化情報を取得できないため、1回に送る情報量が多くなります。「H.264/MPEG-4 AVC」は0.25画素単位ごとに変化情報を取得できるため、1回に送る情報量が少なくてすみます。
「H.264/MPEG-4 AVC」の情報量は、「MPEG-2」に比べて2分の1から3分の1まで小さくできます。

富士通には、「H.264/MPEG-4 AVC」を採用した映像伝送装置(符号化・復号装置)「IP-9500」があります。テレビの中継放送などで画像の送信、受信時に活躍しています。この装置に入っている「富士通独自の計算方式」と「見た目のメリハリ画像制御」の2つの技術を紹介します。

「H.264/MPEG-4 AVC」では、前画面と次画面の細かい変化分を認識するため、「MPEG-2」よりも情報を処理する量が増えます。そこで、処理方法を工夫し、時間を短縮できる富士通独自の計算方式を開発しました。
鳥が移動している映像を例に説明します。

【従来の計算方式】
鳥が元いた場所から移動先までの周囲の情報を広い範囲で取得して、違いをみつけます。鳥が通っていない広い範囲の情報も処理するので処理量が多く時間がかかります。

【富士通独自の計算方式】
・最初に画像全体のサイズを小さくします。(探索エリアは同じですが、全体像が小さくなっているので、処理量が少なくなります)
・まず、大まかに鳥が移動した方向を取得します。
・何段階かで画像のサイズを元に戻しながら、移動先までの前映像との細かい違いを取得します。
こうすると鳥が移動した最小範囲の情報の取得だけで済むので、処理量が少なくなります。

同じ情報量の高画質な画像でも、機械的に均一な圧縮処理をしたものと、人間が「きれい」と感じるようにバランスを考えて処理したものでは、見た目が異なります。その人間の視覚特性を利用した画像制御技術を開発しました。
・コンピュータが、判断する高画質とは
国際標準ソフトウェアで処理すると画面全体を均一に高画質に処理します。全てが均等に圧縮処理されているので、コンピュータは高画質であると判断します。しかし、人間が見ると全体に少しぼけたように見えます。
・人間が「きれい」と感じる画像とは
人間は全体ではなく、見たい部分に注目しています。その注目する部分を高画質化すると、最も「きれい」な画像であると感じます。そこで、注目している部分の圧縮率を抑えて高画質にし、注目していない部分の圧縮率を上げて情報量を減らします。このように、バランスよく圧縮率を変える「メリハリ画像制御」をしています。

H.264圧縮技術は色々なシーンに利用されています。
建物に設置されたお天気カメラの映像や現場からの中継映像といったリアルタイム映像を圧縮してテレビ局へ伝送します。これを復元し映像をモニタへ映し出しています。

国際スポーツ中継では、ラグビーワールドカップ2007で行われた全48試合が、フルハイビジョン映像で生中継されました。このほかマイアミで行われたアメリカンフットボールの試合も、ニューヨークを経由し日本でハイビジョン放送されました。

マラソンのようなロードレース中継の場合、中継車から無線で電波を飛ばしてテレビ局で受信します。

電波で送れる情報の量には限りがあります。そこで電波にのせる情報をできるだけ圧縮して送る必要があります。従来のMPEG-2では圧縮しても一度(1波)で送りきれないため、情報を2波に分割して送信していましたが、H.264/MPEG-4 AVCを用いると従来よりも高い圧縮率で1度に送信することが出来ます。
【MPEG-2で圧縮した場合】

【H.264/MPEG-4 AVCで圧縮した場合】

身の回りのほとんどの通信機器は、お互いにちゃんとつながることを保証するために、数多くの「国際標準」に基づいて設計されています。これらの国際標準は、さまざまな分野を専門とするITU-T、ISO/IEC、IETF、 IEEE などの国際標準化機関が主催する会合に専門家が集まって決定されます。
H.264/MPEG-4 AVCを決める国際標準化会合は、世界の各国で毎年3~4回開催されました。それぞれの会合には、富士通をはじめとして世界中から100人以上の専門家が参加して100~200の技術提案を持ち寄り、10日間ほど夜遅くまで(時には日付が変わるまで)白熱した議論が繰り広げられました。
会合に参加するにあたって、「海外のいろんな国に行けていいね」と周囲に言われますが、どこに行っても、ホテルの中に缶詰の日々で、寝不足のため、帰りの飛行機はいつも爆睡状態でした。そのため、残念ながら各国の印象は覚えていません。できればバカンスで楽しみたいですよね。

一般にデジタル動画像の解像度といった場合、通常は1画面の縦横のドット数のことを言いますが、これは専門的には「空間解像度」と呼ばれます。解像度には、その他にも以下のようなものがあります。
映画フィルムでは、時間解像度は24フレーム/秒でテレビ放送に劣りますが、振幅解像度ではフィルム自体は10ビット程度(1024階調)の実力があると言われています。これは、色再現能力の違いにも現れています。
このため、米国では現在でも、ゴールデンタイムに放送される番組の8割近くはフィルムで撮影されていると言われています。
日本でも化粧品メーカーのCMでは、肌色の発色を重視するために、ほとんどがフィルムによって撮影されているそうです。
当然、広告等の印刷物にした場合も、テレビで撮影したものとフィルムで撮影したものとでは、その差は歴然としています。
しかし、デジタル化された映像は、コンピュータでの処理と親和性が高く、CGと実写映像との合成といった様々な加工処理を自由に行なえるため、今後あらゆる映像分野に浸透して行くことは間違いありません。

(Fujitsu Computer Products of America, Inc.)