更新日2007年9月1日
| 印刷物セキュリティが必要なのはなぜだろう | |
| 印刷物の「電子透かし」ってなんだろう | |
| 原理 ・地紋印刷(背景に文字や図形を隠します) ・地紋透かし(背景に情報を隠します) ・フォント透かし(文字に情報を隠します) |
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| 将来 | |
| 小話 | |
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情報漏洩のルートとしては、紙などの印刷物、WEBなどのインターネット、パソコン本体、USBメモリやCD-Rなどの記録媒体、電子メール、などがあります。 ニュースで大きく取り上げられる漏洩事件の多くは電子機器・媒体によるものです。しかしこのように電子化が進められつつある現在でも、紙媒体による情報漏洩件数が1位であり、全体の半数近くを占めています。
ご参考)
2位はWEBやNET、3位はパソコン本体、4位は記録媒体、5位はEメールです。

情報が洩れないようにするためには、ネットワークや電子機器、媒体には「暗号化」、「パスワード」、「生体認証」などにより 電子的に守る方法があります。しかし、半分近い件数を占めている紙の印刷物を同じような電子的手段で守ることはできません。

そこで、人間の目には見えない、もしくは見えにくい方法で、名前や日付など所有者が分かるような情報を埋め込む方法の研究開発が進められてきました。印刷物にそのような情報を埋め込む技術を「電子透かし」といいます。
印刷物の情報を守る対策「電子透かし」には、次のような効果が期待されています。
(1) 真正確認: 原本をコピーすると隠し文字が浮かび上がります。一目で原本とコピーを区別できるため、真正確認ができます。
(2) 心理的抑止: 印刷者情報を見せることで心理的抑止効果を与えます。コピー放置や持ち出しを防ぐ効果があります。
(3) 追跡: 緊急時のために追跡情報を埋め込み、犯人を明確にします。

透かし技術には大きく分けて「目に見える透かし」と「目に見えない透かし」技術があります。

| 見える 見えない |
分類 | 特長 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 見える | 重畳印刷 (常時視認) |
ヘッダ、フッタ、背景に常時見て分かるように注意を呼びかける情報を埋め込む | 不正持ち出し抑止 |
| 見える | 地紋印刷 (隠し文字印刷) |
コピーするとあぶり出される、警告情報や注意を呼びかける情報を埋め込む | 不正コピー抑止 原本との識別 |
| 見えない | 地紋透かし (見えない透かし) |
印刷者の情報を見た目では分からないように背景地紋に埋め込む | 情報漏洩 不正流通元の追跡 |
| 見えない | フォント透かし (見えない透かし) |
印刷者の情報を見た目では分からないようにフォントに埋め込む | 情報漏洩 不正流通元の追跡 |
重畳印刷は、印刷物に最初から目に見える形で追跡情報などを強制的にヘッダ、フッタ、背景へ印刷します。これにより書類を持ち出しにくくする効果があります。

地紋印刷は、印刷物の背景にコピーすると文字や図形が浮かび上がるように地紋を印刷します。背景に印刷する文字は、用途に合わせて変更できます。これにより原本とコピーの判別が可能になり、偽造防止効果やコピー抑止効果が期待できます。
この地紋印刷は、専用の紙やプリンタを必要としません。パソコンにソフトを入れるだけで使えるところが、富士通オリジナル技術です。

例えば、クーポン券や病院の処方箋に地紋印刷しておくことにより、コピーによる不正使用を防げます。

・地紋の埋め込み
印刷する時に背景に細かい点と大きな点を混ぜて地紋を印刷します。コピー後に白抜きにしたい部分には小さな点を高い密度で印刷し、浮き上がるようにしたい部分は少ない密度の大きな点を印刷します。

・取り出し方法
コピー機は、プリンタが印刷した細かい点を認識できないので、その部分がコピーされず白抜きになります。そうすると見えにくかった背景の文字がはっきりと見えてきます。

印刷者情報を背景の地紋に埋め込みます。埋め込まれた情報は人間の目では判別できませんが、スキャナで読取ると情報を取り出すことが可能です。
もしも不正に持ち出された印刷物やその一部分が発見された場合、印刷者などの情報を特定することができます。


・透かしの埋め込み
地紋透かしは、はめ木の要領で情報が埋め込まれています。例えば、ハート型が四隅のどこに来るかで、0,1,2,3を決めています。埋め込む情報に合わせて、地紋にパターンを印刷します。はめこむ形を自在に変えられるのは、富士通オリジナルです。

・取り出し方法
取り出し方法は、情報が埋め込まれた印刷物をスキャンして、端から順番にはめ木の要領でハート型があてはまる位置を検出し、0,1,2,3を調べていきます。情報が繰り返し埋め込まれているので、用紙の一部が欠けていても読み取ることができます。

人間の目には目立たないように文字の中に印刷者情報を埋め込んで印刷します。印刷物をスキャンして特殊なフィルターを通すことにより、文字に埋め込まれた情報を取り出すことができます。

商品パッケージにシリアル番号を埋め込むことにより、偽造摘発などに使えます。バーコードなどではどこに情報があるか一目でわかるので消されてしまいます。そこで、分かり難いように文字の中にシリアル番号や管理情報などの情報を埋め込んでおきます。怪しい商品が出回った時、スキャンしてシリアル番号や管理番号をチェックすればすぐ本物かどうか分かります。また、印刷した人などを特定することができます。

・透かしの埋め込み
フォント透かしは、特殊なフィルターに反応する図形パターンで、情報を埋め込んでいきます。一つ一つの文字をみて埋め込める場所を探して目立たないところに埋め込んでいきます。

・取り出し方法
取り出し方法は、特殊なフィルターで文字に埋め込まれた図形パターンを読み取ります。図形パターンの埋め込みのあるところにくると波形の反応があり読み取れます。

現在は、印刷テストのできるプリンタにしか対応できません。そのため国内製品がメインとなっています。今後は海外製のプリンタでも印刷テストを行い、世界中で使える技術に育てていきます。

印刷テストが必要な原因は、製品ごとの印刷性能のばらつきにあります。国内の機器も海外の機器も年々性能が向上し、製品によるばらつきが減っています。やがては印刷テスト無しにすぐに使用できるようになるでしょう。
現在の埋め込み処理時間をもっと短くすることができないか検討していきます。

富士通の電子透かしの特長は、専用の機器や用紙が必要ないと言う点です。実は、プリンタやコピー機にはそれぞれ個性があります。パソコンからの指令は同じだけれども、プリンタに打ち出してみると、全く同じようには出てきません。
この問題を克服するために、"見える透かし"については、透かしを調整するツールを別に開発し、お客様の環境に簡単に導入できるように工夫して、製品化を実現しました。

"見えない透かし"は、情報漏洩者の追跡を目的としているため、コピーしたものや、切れ端からでも透かしを検出しなければなりません。数回のコピーに耐えられる透かしを何とか開発しても、他のプリンタで印刷したものはコピーに耐えられなかったりと、ボツになった透かしは山のようにあります。
沢山の検討を重ねてようやく製品化に目処をつけました。
もっともっと強い透かしを開発していくことが、私たちの課題です。
