パソコンの内蔵部品が万一燃えてもパソコン外部に燃え広がらないようにするために、難燃性が必要でした。
燃焼のメカニズムは

酸素が供給されると燃焼が続くので、酸素を遮断する方法を考えました。それは、ポリ乳酸と非ハロゲン系難燃剤を混ぜることで可能になり、UL規格(説明-1)V-1(説明-2)を満たす難燃性が得られました。

例えば、火がついた場合、非ハロゲン系難燃剤が、樹脂表面に適度に移行し炭化層を作ります。

炭化層により酸素が遮断され、燃え広がらず消火できます。

(説明-1)UL規格:難燃性の規格
機器の火災や感電の危険に対して安全に関する規格や製品試験の基準を消費者の立場から定めています。
(説明-2)V-1基準:製品をUL規格の中にある燃焼試験で判定する時の基準です。
試験方法は、5本の試験片を1本ずつバーナーの炎に10秒間あててバーナーから離し、炎が消えるかを2回繰り返します。 判定は、バーナーから離した後30秒以上燃え続けないこと、試験片が溶けて下に置いた脱脂綿に落ちて燃やさないことです。5本の試験片の燃焼時間が合計で250秒以内であれば基準に達しています。
パソコンとして使用する条件として、非常に暑いところで使用しても変形しないこと、石油系プラスチックと同様に成形可能なこと、温度や湿度で生分解(説明-3)しないことなどが挙げられます。
・60度で変形してしまう

・石油系プラスチックと同様に成形できない

・温度や湿度によっては微生物により生分解(説明-3)してしまう

耐熱性、成形性、耐久性を向上させるために、ポリ乳酸と石油系プラスチックを混合しポリマーアロイ(説明-4)化しました。
| ポリ乳酸と石油系プラスチックを混ぜ合わせます。 | ![]() |
| ただ混ぜた状態 単純に混ぜ合わせただけでは、大きな塊ななどがあり一つになっていないので、ポリ乳酸の欠点は補えません。 |
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| 微分散化 石油系プラスチックを微細化する技術を用い、混ぜる条件を整えると、均一にプラスチックが分散して混ざります。 細かく均一にプラスチックが分散することで、ポリ乳酸の欠点を石油系プラスチックが補っています。 |
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(説明-3)生分解
ポリ乳酸は、水に浸けたり土に埋めたりして、自然の中で一定期間過ぎると、微生物がポリ乳酸を水と二酸化炭素に分解します。
(説明-4)ポリマーアロイ
プラスチックの性質を改善するために複数のプラスチックを混合することをポリマーアロイといいます。金属における合金(アロイ)になぞらえています。
ノートパソコン筐体の材料として、ポリ乳酸だけで作った植物性プラスチックでは強度や難燃性などに問題がありました。その課題を石油系樹脂とのポリマーアロイ化による補強や非ハロゲン系難燃剤を加え難燃性を向上することにより解決し、ポリ乳酸の特性を活かした新開発材料を作ることができました。