皆さんは、狩野探幽、狩野元信といった画家をご存知でしょうか。室町中期から江戸時代にかけて有名を誇った画家の一派を狩野派といいます。彼らは、豊臣秀吉や徳川家康に請われて、襖絵などを書いています。彼らを一躍有名にしたのは、鮮やかな青の使い方です。
古来この青は、瑠璃色といわれ、ラピスラズリというイランなどで採れる宝石でしか出せないもので、たいそう高価でした。ところが彼らは、この宝石以外で、この青を再現することに成功したのです。
それは何か。
当時、日本で精錬が始まっていた銅鉱山で副産物として採れる硫酸銅を水に溶かした硫酸銅水溶液」を使用したのです。ですが、当時は、銅精錬は金も採れる重要なノウハウで、権力者とその側近しか知ることのできない、重要な情報でした。
そこで、彼らは当時の有力者である秀吉や家康に近付き、絵を認めてもらう代わりに、この貴重な青の原料を独占したのです。
なお、ついでですが、この硫酸銅は吸湿剤としても優れていたために、彼らの絵は今も製作当時の色をそのままにとどめているものが多く、ほとんどが国宝に指定されています。
日本人は、昔から色にこだわっていたのです。

