富士通研究所

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  5. カーボンナノチューブ 応用例-2(携帯電話の基地局用)

応用例-2(携帯電話の基地局用)

カーボンナノチューブの特性である「高い熱伝導性(銅の10倍)」を利用して、携帯電話の基地局で使う半導体チップ(増幅器)の熱を逃がす役割に使おうとしています。

半導体チップ(増幅器)の熱を逃がす役割ってどういうことだろう

例えば、無線通信システムの一つである携帯電話は利用できるサービスが増えて、今はテレビ(動画)も見られます。 そうなると、携帯電話で扱う情報量はとても多くなり、それぞれの携帯電話を結ぶ基地局で使われてい る増幅器(微弱な声の信号を大きく増幅させる部品)も高周波、高出力を扱うようになります。すると、 増幅器のトランジスタの発熱量が高く、すぐに熱くなってしまうので、発生した熱を基板へ逃がして、 増幅器が壊れないようにする必要があります。

従来方法と多層カーボンナノチューブを使った新しい方法との違い

・従来方法はフェイスアップ構造を使用

トランジスタ電極と基板電極を金属ワイヤーでつなぐ構造です。金属ワイヤーの長さが長いと抵抗が高くなり、高周波(3ギガヘルツ)を扱うようになった時、増幅率が低下します。つまりシステム全体の効率低下につながります。

・新しい方法はフリップチップ構造と多層カーボンナノチューブを使用

トランジスタ電極と基板電極を向かい合わせにして、金属ワイヤーを使わずに金属バンプを使って接続します。そのバンプ部分に多層カーボンナノチューブを使います。(バンプとは、電極同士を熱的、電気的につなぐ柱のようなものです)

新しい方法の特性

3ギガヘルツ以上の高周波では、従来方法より新しい方法の方が1.6倍も増幅率が高いことがわかりました。また、放熱性もトランジスタの発熱する部分に多層カーボンナノチューブで直接つなぐため、熱をダイレク トに逃がすことができますので、良好です。作る過程においても、多層カーボンナノチューブはとても小さいので、微細なバンプでも自由自在に作ることができます。