社長挨拶
21世紀型研究所を目指して

インターネットを基盤とする情報通信革命の飛躍的な進展により、21世紀になって世の中の動きや産業構造は大きく、そして急激に変化しています。この変化を先取りして、新しい価値やソリューションをお客様や未来社会に提供し続けるために、富士通研究所は「21世紀型研究所」を目指した活動を推進します。
19世紀は「サイエンス(科学)」と「テクノロジー(技術)」が分離して、それぞれが独立した学問領域として発展しました。20世紀に入り、「科学」と「技術」を融合させて、新しい成果物を生み出すために「(20世紀型)総合研究所」が創設されました。その成果として、HEMTのような先進的デバイス、物理と情報理論に支えられたコンピュータや、通信システムが生まれました。しかし、21世紀に入り、「科学と技術の融合」による先進的な成果だけでは、社会に受け入れられなくなってきました。
21世紀の研究開発では、「科学」と「技術」に加えて、「ビジネスモデル」と企業の「社会的責任」が重要になると考えています。広告収入に依存した無料のインターネット検索技術や、音楽配信の仕組みに組み込まれた携帯音楽端末のように、最適な「ビジネスモデル」を導入することで、世の中への波及効果が増大します。研究者自身が、研究成果を活用する「ビジネスモデル」まで考えることが重要で、新しい事業やイノベーションを生み出す要因の一つです。
また最近、技術の急速な進展が社会システムや地球環境に及ぼす影響を、無視できなくなっています。安心・安全な未来社会を実現するために、「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」を遂行することを行動規範として、研究開発の成果を求める際には、地球環境への配慮や、大規模な社会基盤システムの順行運用を考慮することは不可欠です。
富士通研究所が目指す「21世紀型研究所」は、自動車にたとえると、「科学」と「技術」を後輪の駆動力として、「ビジネスモデル」と「社会的責任」を前輪として、研究者がハンドル操作をして方向付けをする先進的な車の姿です。富士通研究所は、これら四つの要素が融合した研究開発を推進して、お客様のバリュー・クリエーションに貢献します。
富士通研究所では、ITインフラを進化させる最先端テクノロジーの研究開発を継続的に深耕するとともに、新しいビジネスモデルやソリューション構築の基盤要素として、ビジネスや生活の現場を変革していくユビキタス技術を開発します。さらに、新しい価値を生み出す将来技術の種として、材料・デバイス分野の研究開発に取り組みます。
富士通研究所は、富士通グループの将来ビジネスの発展を担って行くために、長期的視点でテクノロジー・ロードマップを策定し、材料・デバイスから、ネットワーク、ITシステム、ソリューションまで一貫した研究開発に、取り組んでいます。
株式会社富士通研究所
代表取締役社長
村野 和雄
