富士通VLSI

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プレスリリース

2003年4月18日
富士通ヴィエルエスアイ株式会社

世界最高のEMI低減効果を実現するスペクトラム拡散クロックジェネレータ技術を開発

当社(富士通ヴィエルエスアイ株式会社注1)は、低消費電力かつ、世界最高性能のEMI(Electro Magnetic Interference)注2低減効果(-19dB(デシベル)注3)を実現するスペクトラム拡散クロックジェネレータ(=SSCG(Spread Spectrum Clock Generaor)注4)技術を開発しました。この技術は、従来の最高性能の製品に対し、6dB低いEMI低減効果を実現します。 今回開発したSSCG技術は、「デジタル制御による周波数変調技術」と「変調周期の複合化技術」の2つの技術です。「デジタル制御による周波数変調技術」は周波数変調を高精度に制御することを可能にしました。この技術により、従来技術のアナログ制御では実現できなかった正確な変調波注5(三角波)の生成を可能にし、大きなEMI低減効果を実現しました。「変調周期の複合化技術」は均一なスペクトラム拡散を可能にし、さらにEMI低減効果を大きくすることができました。 今回開発した技術により、従来のSSCG技術に比べて大幅にEMIノイズを低減できます。その結果、シールド対策やバイパスコンデンサ、チョークコイル、フェライトビーズが削減でき、装置の低コスト化と小型化が可能になります。

【開発の背景】

近年、電子機器の高速化・高密度化にともない、機器からのEMIは増加の一途をたどっています。しかし、電子機器から放射されるEMIは他の電子機器への影響を与えるため、さまざまな規格(CISPR(Comite international Special des Perturbations Radioelectriques)注6など)により制限されており、これらの規格を満足するために、EMIノイズを効果的に低減するSSCG技術の重要性が高まっています。

【課題】

従来のSSCG技術には、アナログ制御による周波数変調技術が使われています。アナログ制御では周波数変調を高い精度で制御することが難しいため、正確な変調波(三角波)を生成することができませんでした。このため拡散されたスペクトラムにピークが生じるなど、EMI低減効果が十分に得られないという問題がありました。 また、従来のSSCG技術では単一の変調周期で周波数変調されていました。そのため、スペクトラムに変調周期間隔のピークが生じ、EMI低減効果が十分に得られないという問題がありました。 これらの課題に対して、EMI低減効果をより大きくするために「正確な周波数変調」と「変調周期間隔に生じるピークの低減」を実現する技術が望まれていました。

【開発した技術】

今回開発したSSCG技術は、「デジタル制御による周波数変調技術」と複数の変調周期を用いる「変調周期の複合化技術」の2つの技術です。「デジタル制御による周波数変調技術」は周波数変調に電流D/Aコンバーターを用いることで、デジタル制御と正確な変調が可能になりました。その結果、大きなEMI低減効果と小さいCycle-Cycleジッタ(Cycle to Cycle Jitter)注7を実現することができました。「変調周期の複合化技術」は複数の変調周期を用いることで、均一なスペクトラム拡散を可能とし、より大きなEMI低減効果を実現することができました。 また、CMOSプロセスを採用することにより低消費電力を実現することができました。 開発した技術の特長は、以下の通りです。

(1)電流D/Aコンバーターを用いたデジタル制御による正確な周波数変調
(2)変調周期の複合化による均一なスペクトラム拡散
(3)CMOSプロセスの採用による低消費電力

今回開発した技術により、世界最高のEMI低減効果(-19dB : 電力比 1 / 80)と100psec未満のCycle-Cycleジッタを実現しました。従来のSSCG技術に比べて大幅にEMIノイズを低減できます。その結果、シールド対策やバイパスコンデンサ、チョークコイル、フェライトビーズが削減でき、装置の低コスト化と小型化が可能になります。

< スペクトラム特性例 >
40MHz出力、±1.5%変調時のスペクトラム特性を示します。


  • 低減効果 : -19dB(電力比 1 / 80)
  • Cycle-Cycleジッタ : 22ピコ秒
  • 消費電力 : 18.2ミリW

  • 消費電力は3.3V、24MHz、無負荷時の値です。

< 諸特性の従来他社技術との比較 >

富士通ヴィエルエスアイ A社 B社 C社 D社
EMI低減効果 -19dB -10dB -9dB -9dB -13dB
Cycle-Cycleジッタ 22ピコ秒 108ピコ秒 49ピコ秒 121ピコ秒 31ピコ秒
消費電力 18.2ミリW 75.9ミリW 59.4ミリW 49.5ミリW 23.1ミリW
  • EMI低減効果とジッタ特性は、40MHz出力、±1.5%変調時の値です。
  • ジッタ特性は標準偏差σの値です。
  • 消費電力は3.3V、24MHz、無負荷時の値です。他社の消費電力は、カタログ値です。

【関連資料】

PDF SSCG発表関連資料 (160KB)

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用語説明

注1 富士通ヴィエルエスアイ株式会社 : 当社は愛知県春日井市に本社を置く、半導体(LSI)の設計・開発・製造会社です。(代表取締役社長: 武田宏史)
注2 EMI(Electro Magnetic Interference): EMIとは電磁障害のことです。デジタル回路では、個々の素子のスイッチング動作によって必然的に電磁波が発生します。それにより他の機器に影響を与える恐れがあるため、規制されています。
注3 dB(デシベル) : デシベルとは2つの量の相対的な比を表す単位のことです。電力の比は、N [dB] = 10 かける log (P1 / P2)で表され、電圧の比は、N [dB] = 20 かける log (V1 / V2)で表されます。-6dBの差は、電圧比で1 / 2倍、電力比で1 / 4倍です。
注4 SSCG(Spread Spectrum Clock Generaor) : SSCGはスペクトラム拡散クロックジェネレータのことです。SSCGはクロックジェネレータにおける発振クロックの周波数をわずかに変動(周波数変調) させることにより、EMIを低減させるデバイスです。
注5 変調波 : SSCG技術において、変調波とはクロックジェネレータの発振クロックの周波数をわずかに変動させるための波形(信号)のことです。
注6 CISPR(Comite international Special des Perturbations Radioelectriques): CISPR(国際無線障害特別委員会)は、無線障害の原因となる各種機器からの不要電波(妨害波)に関し、その許容量と測定法を国際的に合意することによって国際貿易を促進することを目的として1934年に設立されたIEC(国際電気標準会議)の特別委員会です。この委員会で、妨害波に関する規格を定めています。
注7 Cycle-Cycleジッタ(Cycle to Cycle Jitter): Cycle-Cycleジッタは直前(あるいは直後)とのクロックの差の"揺らぎ"のことです。

技術に関するお問い合わせ先

富士通ヴィエルエスアイ株式会社
SoC開発統括部第1設計部 田中 岡田 松並
電話: (0568)51-7948(直通)
E-mail:system_lsi@fvd.fujitsu.com

以上


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