知創空間 導入事例

SNSで新たな人間ネットワークと仕事のアイデアを創出する
社内のコミュニケーションを活性化させ、業務を効率化する目的からグループウェアやイントラネットでの電子掲示板などを利用する企業は多いが、このところ業務にSNSを活用する企業が注目されている。なかでも移動通信業界の最大手であるNTTドコモでは、2005年よりSNSを導入し、1万5000ユーザーを超える規模で運用。人間ネットワークの拡大や新たなアイデアの創出にも寄与している。

2005年より現在の担当に所属。「ドコモグループの経営を支える情報共有基盤の安定稼動と社員の生産性向上」がテーマ。社内コミュニケーションの向上施策としてSNSの導入に携わる。

人事・給与システム、料金システムの開発担当を経て2008年より現在の担当に所属。導入後のDISH・SNSについて活用促進、運用管理を担当する。
1. 社内SNSとして「知創空間」を導入した背景
| 社内SNSとして「知創空間」を導入された背景には、どのような狙いがあるのでしょうか。 |
埜田:
社内のコミュニケーションを活性化することが狙いです。というのも、91年にNTTドコモが分社化してから、大きな課題の1つとなっていたのが、38社(当時)のグループ企業間における相互のコミュニケーションにありました。会社組織が膨れ上がってしまうと、どうしても社員一人一人の意識として、「他の組織が何をしているのか」、「会社全体がどこに向かっているのか」が分かりにくくなるという問題があります。
このようなコミュニケーション不全が進行してしまうと、社内の活気が失われるのはもちろん、組織間の利害関係で壁ができてしまうのではないか、という危惧がありました。そこで社内の情報共有ツールとして、SNSを利用するというアイデアが出てきたのです。
2. グループウェアなどの既存システムではなく、新たにSNSを導入した理由
| グループウェアなど既存のシステムを使わず、あえて新たにSNSを導入されたのはなぜでしょうか。 |

SNSを導入している企業にヒアリングをして活用の実態を調査。雑談の中から生まれるメリットに着目しました
埜田:
我々が目ざしたのは組織を超えたコミュニケーションです。当社ではすでにイントラネット上で電子掲示板などのコミュニケーションツールを運用していましたし、これ以上ツールを増やしても利用者が混乱するだけではないかという議論もありました。
ただ従来の掲示板は、ある程度目的が明確化されていることもあり、どうしてもコミュニケーションの広がりが弱く、組織内部での情報交換に留まってしまうという傾向も見られました。その点、SNSならばコスト面や運用サポート面において手軽に導入できますし、会社組織に縛られない自由なコミュニケーションが期待できます。
もちろん企画会議の段階では、あくまでコミュニケーションの活性化によって社員の生産性を上げることが主な目的であり、SNSのように仕事とは関係ない雑談を行うツールは必要ないという指摘もありました。そこで、社内SNSを導入している企業にヒアリングを行い、どのようにSNSを運用すれば効果的なのかについて調査を試みました。そこで分かったことは、SNSのような「組織上の利害関係のない人が集まって雑談をする場」から、さまざまな人間のネットワークが形成されたり、新たな仕事のアイデアが生まれるという事例が決して少なくないということです。
ヒアリングの結果を受け、当社においても、コミュニケーションを阻害しないように、あえて書き込み内容に関して「仕事に関連する内容に限定する」などの規制を設けず、利用者の自主性に任せることとしました。現状では、仕事の話題とプライベートな話題の比率が半々といったところでしょうか。
いっぽうで、自由な書き込みやコミュニティの立ち上げを許すと、匿名掲示板のような無法地帯になるのではないかという不安もありました。しかし、SNSは実名によるユーザー登録を実施していることもあり、現在のところトラブルはありません。利用者のモラルに委ねるという点ではリスクもありますが、仮に何らかの問題が表面化しても、SNSなら素早く全社的に情報を共有できるメリットがあります。
とはいえ、誰でも気軽に書き込みを行えるシステムだけに、コンプライアンスには充分に注意を払って運用する必要があると考えています。
3. 導入にあたり、どういう体制でスタートしたか。また、「知創空間」を選んだ理由
| 導入にあたって、どういった体制でスタートされたのでしょうか。またなぜ、「知創空間」を選ばれたのでしょうか。 |
埜田:
導入にあたっては、オープンソースの利用やシステムの自社開発という選択肢も検討しましたが、しっかりとしたサポートが展開されている点や、mixiなどでSNSに慣れている人ならばマニュアルなしで利用できる、シンプルで使いやすいインターフェイスなどから「知創空間」を選択しています。コミュニケーションツールは、なるべく多くの人に使ってもらうことが前提ですから、いくら高機能でも複雑なツールだと逆効果になってしまう可能性があります。協力社員を含めると全社で5万人の従業員がいますから、それだけの規模で運用して問題ないということも選定の条件でした。
なお、当初は情報システム部門や法人営業部門などを中心に1500名からスタートしたのですが、ユーザーによる招待だけで現在は1万5000人がSNSへの登録を行い、うち2000人以上がアクティブユーザーとして積極的に活用しています。特定の地域や役職、職種に偏ることなく利用者層が広く分布しているのもSNSならではの特徴だと考えます。また、ドコモグループ全員がお客様のためにひとつになって動いていくという、「ONE docomo」(ワン・ドコモ)のスローガンによる社内改革と時期が重なったことも、活用推進の追い風となったと思います。
4. 社員に「招待制」を採用した理由
| 社員にアカウントを配布するのではなく、なぜ「招待制」という仕組みを採用されているのでしょうか。 |
間瀬:
会社としてコミュニケーションを強制するのではなく、必要とする人に使って欲しいという意図によるものです。前述のヒアリングの結果分かったことなのですが、社員全員にアカウントを発行する場合と比較して、招待制の方がより活発なネットワークを構築できる傾向があるのです。とはいえ今後は、コミュニケーションに消極的な人を、いかにSNSへ呼び込むかが課題といえるでしょう。そのため社員録(人事データベース)との連動など利便性を向上させるための機能をカスタマイズで追加するだけでなく、有効な活用事例をコミュニティで募集して社内報に掲載するなど、SNSを利用していない人にも水平展開を図るようにしています。
5. SNS導入の効果
| SNSの導入により、具体的にどのような効果があったとお考えですか。 |

利用の簡便さや情報の整理・検索のしやすさの点で、『知創空間』は優れていると感じましたね
間瀬:
今回の導入では、コミュニケーションの活性化という目標は達成されたと考えています。同時に、業務の効率化にも有効であることが報告されています。たとえば、ある営業部門ではこれまでルートセールスの情報共有にデータベース上で動作するツールを利用していましたが、操作が複雑で分かりにくく利用率が低いという問題がありました。SNSなら、はるかに簡単な操作で情報を一元管理できますし、モバイルからのアクセスにも対応していますから、出先での情報入力や参照も可能になります。また新入社員の育成において、研修での補足や質疑応答をSNS上で行っているという事例も報告されています。
グループ内で情報共有を行う際も、メールでのやりとりですと、膨大な受信メールの中に必要な情報が埋もれてしまうことがあります。その点、SNSにコミュニティを作っておけば情報の検索性が良くなるだけでなく、お互いの発言内容が議事録として残りますから、業務を引き継ぐ際などにも役立ちます。
埜田:
仕事上の関係がまったくない相手から、コミュニティを通じて有効なアドバイスをもらえた、自宅療養中の部下とコミュニケーションを図るために活用しているなど、SNSならではの活用事例も多いですね。実際にアンケート調査を行ったところ、7割以上の利用者が継続してSNSを利用したいとの回答を寄せています。我々情報システム部門としては、SNSを通じて情報リテラシーの向上を呼び掛けるなど、社内セキュリティ対策への活用も注目しています。
SNS導入の効果に関しては定量的な評価が難しいだけに、今後はきちんとした指標を設定して効果を測定したうえで、さらに利用を拡大するための施策を検討していこうと考えています。

SNS利用者のうち、7割以上が「継続して使いたい」と回答。さらに有効的に活用できるよう情報のリテラシーの向上を呼びかける。
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ様 プロフィール
1991年に、NTTの移動通信事業を分離する形で設立。2008年には地域の各社が統合され、協力社員を含めて全国で5万人以上の従業員を擁する企業として生まれ変わった。
関連リンク
- SNS「知創空間」
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ様が利用しているSNSソフトは、当社の「知創空間」です。
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本ページは、導入事例パンフレット(お客様へのインタビュー形式)をWeb化したものです。
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