富士通システムソリューションズ

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アメリカ駐在員レポート
シリコンバレー Now! Vol-2

2007年5月発刊「インフォFsol No.15」より抜粋


シリコンバレー

シリコンバレーを訪問すると、ハイテクタウンというイメージとは正反対の長閑な田園地帯の風景を目の当たりにすることでしょう。「シリコンバレーはどこですか?」「ここです!」というのは日常よく聞く会話です。しかし、そうした風景とは裏腹にITイノベーションの発信源と呼ばれるに相応しく日々激しい“変化”が起こっているところです。本レポートでは、ほんの一端に過ぎませんが、シリコンバレーの“変化”の実態をご紹介します。

What is Possible? ~何ができるのか?

2005年~2006年にかけてIT業界をはじめ一般社会を席捲した“Web2.0”も今年に入ると「ピークを超えた」という声が聞かれるようになりました。事実、検索エンジンにも“Web2.0”に続いて“Next”が入力されるケースが目立ちます。Web2.0も一般に認知されるにつれ、「What is (今どうなっているの?)」というフェーズから「What is Possible(何ができるの?)」というフェーズに移行したと言われます。数ヵ月前まではWeb2.0的であれば持て囃されたものが、今や「何ができるの?」を早々に示せなければなりません。最近のシリコンバレーのStart-upは1年持てば立派なものだそうで巨額で買収される企業が大きな注目を集める一方、淘汰されるのは数知れずというのが実情です。

富士通シリコンバレーキャンパス

Getting Things ~お客様が本当に必要としているものとは?

シリコンバレーの企業は“昔とった杵柄”では生き残れません。サイクルの早いウェブの世界では“新たなアイディア”と思っても「他で既に始めているのでは?」と疑ってかかるべきと言われます。先駆者として大きな成功を収めたからと言っても気を抜けません。現在、多くのベンチャキャピタリストが投資判断の基準にしているのは、イノベーション(技術革新:Innovation)を続けている企業よりもインベンション(発見:Invention)を追い求めている企業だそうです。

そうしたなか最近シリコンバレーで成功したStart-upは自らをどのように“変化”させていているのでしょうか?ここに“37Signals”というWeb2.0系では大きな注目を集めているStart-upの作成した興味深いエッセイがあります。同社はオンラインのプロジェクト・マネジメントツールをサービスとして提供する企業。「より少ない機能で競争すること」をモットーにしており、“Getting Real”というWeb2.0時代のアプリケーション開発メソッドを掲げています。(注1)“Getting Real”は「無駄をなくすこと」について、お客様が“本当に必要とするもの”を提供して、お客様が“いらないもの”をそぎ落とすことであると説明しています。

Innovation:Web2.0時代に生き残るために・・・

 「シリコンバレーにおいてここ数年で最も変化した企業」と言えば、Apple社でしょう。そのApple社のCEOであるスティーブ・ジョブズ氏は、興味深いことを語っています---『我々には1,000のアイディアはいらない・・・』『イノベーションとは、すべてのことに対して“イエス”と言うことでなく、“最も重要な機能”を除いて“ノー”と言うことなのだ・・・』---と。これはStart-upのみならず多くのIT企業にとって耳の痛い話かもしれません。

米国富士通研究所(FLA)では現在、Web2.0時代に応じたイノベーションを進めています。まずは、開発者本位の“作りたい”という発想を捨て、お客様が“本当に必要とするもの”を開発できるように自らを“変化”させていくことを目指しています。そうしなければ、シリコンバレーではこのWeb2.0時代に生き残れないからです。それが実践できれば、グローバルな発想から生まれ、Web2.0的なスタイルで開発されたサービスをFsolのお客様に提供できる日は近い将来にやってくるでしょう。 

筆者プロフィール

川合 康太
川合 康太 ボストン大学大学院政治経済学修士課程修了(MA)
2000年Fsol入社。
米国富士通研究所(Fujitsu Laboratories of America, Inc)に出向中。
米国の最新IT動向や最先端ITテクノロジーを研究。
所在地:1240 E. Arques Ave. Sunnyvale CA 94085 (富士通シリコンバレーキャンパス内)
注1 37 Signals---Getting Real:
http://gettingreal.37signals.com/toc.php(原文)
http://gettingreal.37signals.com/GR_jpn.php(一部翻訳)

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