導入事例レポート 株式会社富士通エフサス

個人情報保護法施行以来、企業の重要課題のひとつとして取り組まれている情報漏えい対策。その根本的な対策としてシンクライアントが注目されています 。富士通エフサスでは、シンクライアントシステムの自社導入をいち早く行い、今後需要が高まると予想されているシンクライアントによる情報漏えい対策のノウハウを蓄積し 、お客さまへの提供に活かしています。
導入までの背景
情報漏えいの長期対策としてシンクライアントシステムを導入
情報漏えい対策は企業のセキュリティ対策の最重要課題。何も対策を行っていない企業はないと言ってもいいでしょう。その中で、エンドユーザーが利用する端末に一切業務情報を保管しないシンクライアントは、情報漏えいのリスクを根本的に無くす対策として期待されています。
「富士通エフサスには、お客様の元に出向いて修理などを行う保守部門があります。保守ツールとしてパソコンを持ち出すことから、より安全に業務を行う方法を検討していました」。従来から情報漏えい対策はもちろん施されていたものの、企業としてさらに情報漏えいのリスクを減らす必要があるという経営層の判断もあり、2007年にシンクライアントシステムの導入が決定しました。

導入以前の課題
- 社外に業務データを持ち出さず、必要なツールだけを持ち出せる仕組みを作りたい
- 導入/運用コストは抑えたい
シンクライアントという言葉からは、専用端末を使ったシンクライアントを想像する人が多いでしょう。しかし、「保守部門が外部に持ち出すパソコンには保守ツールをインストールする必要があり、画面やキーボードの信号だけを転送するディスクレスの専用端末によるシステムでは、保守部門が業務に利用することができません」。
そこで、富士通エフサスが検討したのは、既存のパソコンを使い、サーバでアプリケーションとデータを保存するシンクライアントシステムでした。
「シンクライアントには膨大なコストがかかるというイメージがありますが、既存のパソコンを利用したシンクライアントシステムなら、現状の資産を活用しながら、できる限りコストを抑えて導入していくことができます。」このような理由から、既存のパソコンを利用したシンクライアントシステムの導入を決定しました。

導入の概要
- データを一元管理し、許可されたデータしか持ち出せない仕組みの基盤を構築
- 高性能なストレージと確実なバックアップで、データの保全性を確保

シンクライアントシステムの本格的導入検討を始めたのは、2007年5月。小規模動作環境を構築し、部門を限定して試行を行った結果、10月にCitrix XenApp(旧:Citrix Presentation Server)を使ったシンクライアントシステムの導入を決定しました。2008年1月から300人規模で先行導入が行われ、現在では1500人規模までその導入範囲を広げています。
富士通エフサスが採用したシンクライアントシステムは、Citrix XenAppを使ってサーバ側でアプリケーションとデータを一元管理し、許可されたデータ以外は持ち出せないという仕組みです。エンドユーザーが使用する端末にはパソコンを利用し、保守部門がパソコンを持ち出す際は保守ツールのみ端末に保存可能にして、業務データは一切持ち出せない環境を構築しました。導入に際してシステム設計で一番重視したのは、データを保護する仕組みでした。これまで各個人に管理を任せていた業務データを、信頼性のある専用のストレージ装置の採用により、データの保全性を確保する仕組みで管理します。
対象部門を絞って導入を開始しましたが、導入には様々な課題がありました。「メールソフトひとつとっても、利用しているアプリケーションがバラバラで、業務上必要なアプリケーションも多数あります。まずアプリケーションの統一化や動作確認から行う必要がありました」。業務アプリケーションのWeb化を積極的に進めたことに加えて、Microsoft Officeのバージョンを問わず使用できるライセンス(Enterprise Agreement)を契約し、業務上重要となるアプリケーションの問題はクリアできました。とはいえ、シンクライアントシステムを業務に利用してもらうためには、導入部門の協力が必要でした。そこで、業務に欠かすことができないメールボックスの移行を促すことで、シンクライアントシステムの浸透を図りました。

導入の効果
- 外部に持ち出すのは保守ツールのみとし、業務情報の漏えいリスクを軽減
- パソコンの運用管理の負荷軽減など副次的効果にも期待
シンクライアントシステムを導入することで、情報漏えいのリスク軽減という一番の目的は達成できました。「特に、機密情報の多いメールデータの移行が完了し、事故を起こす可能性が低減された効果は大きいです」。また、低速な旧型パソコンでも快適に業務を行うことが可能になったり、Web経由でシンクライアントシステムを利用することから出張先でもいつも通りの環境で業務ができるといった、副次的効果も期待されています。
「サーバ側にデータを集約したため、従来個々人で実施していた、クライアントのセキュリティ対策やバックアップなどを、サーバ側で集中的に実施するようになりました。そのため全社的な運用管理コストも低減しました」と、管理側のメリットも出すことができました。


今後の展望
自社導入の経験を活かしてお客様へよりよいシンクライアントシステムを提供したい
富士通エフサスでは、今後は利用アプリケーションの統一化などを図りながら、シンクライアントシステムの全社展開を進めていく予定です。 自社導入したことで、シンクライアントシステムを導入する際に情報システム部の方が直面する課題や、解決方法のノウハウも蓄積されています。また、シンクライアントシステム導入には、ネットワークやサーバの見直し・統合が必要になるため、これまでに富士通エフサスが築き上げたインフラ構築力がシステム導入時には大きく役に立ちます。 こういった経験・スキルを活かし、シンクライアントシステムの良い面のみでなく、導入にあたっての課題などをお客様目線で情報提供させて頂き、課題解決に向けて、より良いシステムを提供していきたいと考えています。


| 株式会社富士通エフサス | |
| <所在地> | 東京都港区芝公園4-1-4 メソニック38MTビル |
| <代表者> | 播磨 崇 |
| <設立> | 1989年3月1日 |
| <資本金> | 94億175万円 |
| <従業員数> | 4,997人 |
| <事業内容> | 情報システムの企画・設計、構築、設置・工事サービス/情報システムの運用サービス/情報システムのメンテナンスサービス/情報システム向け機器・ソフトウェアの販売 |
| (2008年5月20日現在) | |
| <ホームページ> | http://jp.fujitsu.com/fsas/ |
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