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相関図の導入と段階的展開で記述ルールを作成し文書化指導者を育成した中部電力株式会社様

概要

内部統制文書作成の効率化と品質確保に貢献
全社規模での取り組みにならざるを得ない内部統制への取り組み。中部電力株式会社様では、30部門が関係する巨大プロジェクトとなりました。富士通総研は、作業の効率化を支援。システム構築の上流工程の知見をもったメンバーを擁し、課題を見極め、多くの文書の整合性を取りながら作成する作業のポイントを押さえ、品質確保に貢献しました。


課題

「取引の始まり」までさかのぼって評価する必要がある内部統制
内部統制への取り組みは、経理部門を中心にプロジェクト体制を構築するのが一般的です。しかし内部統制への取り組みにおいて、プロジェクト推進部署は、販売や調達など現場で実施されている「取引の始まり」が各部門でどのように行われているか、統制が十分かを評価する必要があります。業務の専門化と規模の拡大による「業務機能の分化」が顕著な現在の企業組織において、経理部門だけで、各部門が実施している業務の現状把握および評価を行うことは困難といえるでしょう。

全社規模で取り組む必要があり作業が困難
そのため、内部統制への取り組みは全社規模とならざるを得ません。これが、より大きな負担や作業の困難さを生じさせる要因の一つとなります。具体的には、次のような問題が発生します。(1)現場部門の可視化・評価作業が納期に間に合わない、(2)現場部門の作業品質が監査に耐えられないレベルで、作業の手戻りや推進部門での大幅な手直しが必要となる、(3)各部門の作業結果をつなげてみると漏れが多く、手戻りや追加作業が多発する、などです。
これらの問題を発生させないために取り組むべき課題は、以下2点です。

  1. 各メンバーに求められる役割および作業の明確化
  2. 最初から成果物の品質を確保し、手戻りを極小化する

解決策

スコーピングの効率化に相関図を導入
富士通総研は、役割および作業分担の明確化という課題に対して相関図(注1)を導入しました。内部統制への取り組みは、最初に「スコーピング」(どの勘定科目を対象範囲とするかの決定と、決定された範囲の中で誰が責任を持って評価を行うかを明確にする作業)を行います。このスコーピングの作業効率化に、相関図はとても役立ちました。
まず経理部推進チームが、発電から販売まで全社の活動を描き、各部門に作業を割り当てました。続いて、各部門の責任者と共同で各部門の分担範囲内の業務洗い出しを行い、その結果をプロセス相関図に描くという進め方をしました。この作業に時間をかけることで、各部門の理解を促進し、文書化対象範囲と役割分担を明確にしました。

小さく始めて記述ルールをより詳細に、また分かりやすくし、全社に展開
2点目の課題である作業品質の確保と手戻りの最小化への対応は、文書作成の段階的展開という手法をとりました。全社一斉に始めるのでなく、小さく始めて対象を拡大。手順を詳細化しながら進める方法です。
具体的には、全社パイロットで一般的な記述ルールを用いて文書を作成し、その課題を洗い出し「中部電力としての記述ルール」を作成しました。続いて、各部門パイロットで、各部門に文書作成教育を行い、18部門に平均2〜3人、全社で50人程度の文書化指導者を育成しました。文書化指導者は、その後の全社展開で、10人強の全社推進チームに代わり、各部門が文書化担当者への教育と作業品質の管理を行いました。

(注1)グループ全体の業務を約50に分割し、各業務の概要をフローチャートで示したもの。


成果

  1. 全社業務を俯瞰できる相関図の作成
    財務報告に果たす役割という一つの尺度で全社の業務を整理した相関図を作成。相関図を共通認識の基本とすることで、全社の業務を俯瞰することができるようになりました。
  2. 全社共通ルールで可視化を行った文書資産としての3点セットの作成
    全社共通ルールで作成された3点セットを比較することで、今まで比較が困難だった類似した業務とそのプロセスを、文字どおり横並べにして比較することが可能になりました。例えば、調達プロセスのフローチャートを横に並べて見比べるだけで、部門によって購買の承認に必要なステップ数や書類数の差異などを一目で判別できるようになりました。
  3. 経営層や従業員の意識変革
    本プロジェクトは、各部門長の責任のもとに実施。この取り組みを通じて、自らが所管する業務とそこに潜在するリスクに対する責任は自分にあるというプロセスオーナーの意識が高まりました。また、経営視点でのリスク管理の重要性が再度認識されることとなりました。

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