富士通総研

HOUSEHOLD SERIES No.3

要旨

消費の所得効果に関する一考察

主任研究員 長島 直樹

「消費に関する所得効果には非対称性がある」との仮説から、アンケート調査を用いた実証分析を試みた。この結果、消費の所得弾性値は、所得減少時で約1であるのに対して、所得増加時は0.5未満であると推定された。弾性値を規定する要因を分析した結果、所得変化に対する「反応の有無(消費を増減させるか否か)」と、反応する消費者のうち「反応の程度(どの程度消費を増減させるか)」ではそれぞれ規定要因が異なっていることが確認された。また、所得増加に対する反応と所得減少に対する反応ではやはり規定要因が異なり、現在観察される反応の非対称の原因になっていると推察される。特徴的なのは、[1]所得減少のケースでは、所得のダウンサイドリスクが重要な役割を演じ、所得減少に対する消費減少率を増幅していること、[2]所得増加のケースでは、供給要因(過去1年で欲しいと思うような商品・サービスが現れた)が重要で、所得増加に対する消費の反応を活発化することである。

消費者の意思決定と情報  -ネットオーダーを中心に-

主任研究員 新堂 精士

新しい商品提供の方法であるネットオーダー(オンラインショッピング)を行う消費者を情報と意思決定の観点からみると次のようなことが判明した。ネットオーダーする可能性が高い人達とそうでない消費者を分ける要因としては、情報収集時間に占めるネット情報収集時間の割合とネット利用時間が重要であり、ネット情報の信頼性はそれほど重要でない。また、ネットオーダーする可能性の高い消費者とは、自身が主体的に収集した情報に基づき意思決定を行っている消費者である。

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