富士通総研

HOUSEHOLD SERIES No.2

要旨

消費を規定する要因について

上級研究員 新堂 精士

消費、特に選択的消費を考える上では、所得や資産といった客観的な経済データのみならず、人々が将来に対してもつ予想やリスクという主観的な心理要因が重要である。心理要因と経済要因を比較した共分散構造分析によると、選択的消費の決定に対し、心理要因は経済要因の1/4程度の影響力を持っている。

暮らし向きの予測 — 教育費負担が与える影響 —

研究員 大隈 慎吾

デジタル家電等の個人消費が堅調なのは、冷え切った消費者心理が回復した結果とも考えられる。言いかえれば、家計の「暮し向きに対する先行きの見通し」が明るくなったので消費が活性化したという事になるが、「暮し向き」の予想はどんな要因によって決まるのだろうか。そのような疑問に答えるために、富士通総研で行なったアンケートデータを用い分析を行なった。その結果、教育費の負担が「暮し向き」予想の結果を左右すること、また、そのような傾向は40歳代および中間所得層で顕著であること、そして、「暮し向き」予想が悪化すると選択的消費が抑制されること等がわかった。

家計のリスクファクターと消費の所得効果  ——リスクの間接効果に関する一考察

主任研究員 長島 直樹

所得に関するダウンサイドリスク、変動リスク、不確実性といった家計が知覚するリスクファクターが消費態度に及ぼす直接的な影響については、長島(2004)で論じている。本稿は、家計の知覚リスクが消費の所得効果に及ぼす影響について分析したものである。その結果、[1]所得が増加するときと減少するときでは消費の反応に非対称の反応が見られる、[2]恒常所得が上昇する局面で、リスクは消費の所得弾性を抑制することはない一方、所得低下局面ではリスクが消費抑制効果を強める——といった分析結果が得られた。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF HOUSEHOLD SERIES No.2 [274 KB]