富士通総研

ENVIRONMENT SERIES No.6

要旨

アジアにおけるクリーン開発メカニズム(CDM)推進による我が国への経済・社会的メリット

上級研究員 濱崎 博

企業による省エネ努力の結果、我が国は世界で最もエネルギー効率の高い国となった。そのため、京都議定書において定められた温室効果ガス削減目標の達成には非常に高い追加的投資を行う必要があり、我が国への深刻な経済・社会的影響が懸念されている。本研究では、京都議定書において認められている発展途上国との共同による温室効果ガス削減プロジェクト(クリーン開発メカニズム(CDM))をアジア地域において我が国が積極的に活用することによる我が国への経済・社会的メリット及びアジア地域における環境改善の効果に関して一般均衡モデルを用いて評価を行った。モデル結果より、我が国はアジア地域において積極的にCDMを実施することにより、我が国産業の国際競争力の維持、雇用の安定が達成されるのみならず、世界規模での実質的な温室効果ガス低減につながることが明らかとなった。我が国は、アジア地域でのCDMを積極的に推進することにより、京都議定書の削減目標達成と持続的経済成長の両立が可能となる。

環境教育における企業とNPOの協働

上級研究員 楜沢徹郎

環境教育の推進に関する法律(環境教育推進法)が施行されるなど、企業や学校が環境教育で市民、NPO(特定非営利活動法人)と協力する枠組みが整ってきた。こうした変化を追い風に、主に環境問題に関連して、地域の企業がNPOの助力を得ながら、市民の教育に乗り出すケースが相次いでいる。企業の社内資源と、地域におけるNPOのスペシャリティーが相乗効果を発揮すれば、協働の過程で密接な人材交流がなされ、互いの組織文化が変容する可能性もある。こうした動きをさらに発展させるためにも、教育の内容を自然環境の維持・保全に限定せず、社会・経済システムを含めた総合的な見地から、持続可能な社会、サステナビリティ構築のために地域住民は何をなすべきか、という問題意識に沿ってプログラムを作成し、運用することが求められる。

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